寝ても覚めてものレビュー・感想・評価
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寝ても覚めてもこの作品を想い出す
『寝ても覚めても』鑑賞。
楽しみにしていた、話題作。
序盤の幸せな、
でも少しどんよりとした雰囲気がもう好みで。
そこから一つずつ、
不気味な世界が見え隠れして
浮遊感、
スクリーンの向こうにいる人達は
落ち着いているんだけど、
客観者であるこちらは落ち着かない、というか。
物語が展開していくうちに、
疑問や何でそうなるのとか、
主人公の行動に対しての嫌悪感や反感が
どんどん湧いてきてでも消化できないまま
忙しい!!ってなったり。
誰に視点を置くかで物語の色が全く違って見える作品だなぁ、
と私は感じたし、何度でも観れる、観ようと思える作品って、
そういう事なのかなとも思いました。
ホラーって言われてる意味が
なんとなくだけど理解できた気がして
きっと現実ってこうなんだろう
ある種の人間の怖さ、というか
人には優しくとか信じてるとか
口ではいくらでも言えるんだけど、
実際はみんな笑って嘘をつくし
平気で人を傷つけてしまう事もあるから
穏やかに流れていく中に少しだけ入っていた、
普段は隠している部分、
人間自体の怖さが
ゾワ〜って怖くて、でも楽しくて、
わかんねえ見えねえなんなの!!って思うけど、
すっごく心地いい空間にいるなぁ、
と感じられました、ひしひしと。
私の理解力が足りないのか、
経験の無さなのか
消化しきれない部分もありました。
一概には言えないけれど
分からなくてもいい、
いつかわかる時が来ればって言われてる気がして、
終わった後に悶々と悩める、
その時間が私大好物なので、
出会えて良かったなぁと思える作品でした。
山下リオさんの熱量が好きだし、
あのシーンも、役者として、
釘を刺されて奮い立たせられた部分もあったなぁ、 瀬戸康史さんのクールさも淡々として、
でも愛情がある感じも好き
伊藤沙莉さんは本当に達者で存在感の塊で
絶対いないじゃん!!て思うけどリアリティのこれまた塊で
面白いんですとっても
そして主演のお二人、
唐田さんの爽やかさの中の揺るがない感じ、
したたかな、ずるい女性で
何も考えていなさそうで、実は一番重要な位置にいて
いつも鍵を握ってる絶対的な存在意義があって
東出さんの怒涛の一人二役
一番感情移入してしまったし、
そうさせてくれるお芝居は本当に凄いなぁと、
同じ物語で同じ役者が2人として登場すると
普通は混乱するはずなのに、
別の人として存在していて、
違う目をされていてとっても格好良かったです。
主演のお二人含め脇を固める方の
キャラクターとか愛情とか、
そういうものがより2人を際立たせていて
ラストの違う顔をした2人を観て震えた
心が激しく揺さぶられる
恋愛はキュンキュンとホラーの両側面ありますね
また凄い映画を観てしまった…!!
9月何本か観たけど、久々に…かなり衝撃受けたよ。やばいぞこれは笑。
恋愛もので青春ものでもあるのだけど、「人を好きになる」ということのキュンキュンポイントとホラーな部分がナチュラルに描かれてて…。本当観た人、その人その人の恋愛観によっては、共感出来る人もいれば二度と観たくねーわ胸糞悪い、と思う人もいるでしょうな笑。そんな映画面白い以外の何者でも無いでしょう。
映画作品としてはかなり傑作で…。キャスト一人一人がみんなとても光ってて、それは良い映画の定義のひとつなんで絶対良作だと思います。この濱口竜介監督は今後要チェックですね。
東出君は「桐島、〜」「ぼくは明日、〜」もとても良い東出だと思ったけど、この映画で良さが爆発してましたね。初登場シーンでスクリーンに後姿(横の姿?)が数秒映った瞬間からもうそれは凄かった。
まあとにかく物凄くカッコ良いわけで、一人二役演ってるんでどっちの東出君が好きになってしまうかどうかでその女性の恋愛観やタイプの男性が分かってしまうと思うんですが笑。
ヒロインの唐田えりかは綺麗といえば綺麗だけど良くも悪くもシンプルであまり華のない(しかし一定層から絶大な支持を得そうな)顔と雰囲気の人なんですが、ここまで絶妙にカッコ良い人に好きになってもらった女なんで、そこを含めて観て行くとだんだん魅力的にみえてきてしまうという点が…
その映画マジックも監督・キャストのなせる技なのだなあとしみじみ思いました。
(余談ですが、どんな人に(顔も中身も含めて)好かれるかもその人の魅力やこれまで積んで来た人生から出来上がった人物面の魅力を物語ってるんですね。)
ストーリー展開もよくある邦画好きに好かれそうなたんたんとしたテンポでは描かれているんですが、ちょいちょい「ふええぇっ?!」と叫んでしまうような(というか実際50回くらい叫んだ)想定外の出来事が挟まってきて、人の心をどんだけかき乱せば済むんじゃい!!と何度も思いましたよ。
くそ面白いし、(東出)くそカッコいいし、くそみたいな展開が待っているんだけど…
それを「まあ映画だから…」「まあドラマだから…」とファンタジーで終わらせずにこの展開の後はどうなったのか、このハプニングの後はどうかったのか…これまでの映画やドラマで見られなかったような部分が丁寧に現実的に描かれていて、ある種モヤモヤを残さないように作られていて、そこもとても心に響く映画でした。
観た方が良いと思います。
単館系の良くできた作品
【お医者様でも草津の湯でも…】
寝ようが覚めようが
話題の邦画
わたしが分からないだけなのか
女性の気持ちは解りません( ´∀`)
インパクトのある傑作
またもや素晴らしい邦画が2018年に現れてしまった。この映画を映画館で見ることができてよかった。
もちろんストーリーの展開も衝撃的かつエモーショナルな仕上がりになっており、原作の力もあるだろう。しかし、監督やキャストの力でここまでの傑作にしたということは間違っていないはず。麦の現れた瞬間の演出と音楽、そして東出昌大の演技が完璧に合わさったからこそできたシーンは必然だったかもしれないが映画の奇跡を見た気がした。登場人物の視線の先がカメラとなっている撮影方法も特徴的だが、主人公の朝子の心情描写が直接的には描かれておらず、セリフにも表れていないため、こういうカットが重要になってくるし、このような方法で心情を描くのは素晴らしい。
日本列島全体を麦と亮平を象徴する演出も素晴らしい。二人の男性の間で揺れ動く主人公の気持ちがよく表されている。
そしてなにより、自分が感動したのは“運命”だ。人間の選択が人生において重要な役割を果たすのはもちろんだが、時に、人間には成し得ない外部からの力が加わりそれがその人の運命となり人生にレールを敷くのだ。朝子の人生において、もちろん選択はするが重要なところは全て偶然が重なって起きているだろう。『15時17分、パリ行き』の時の感動を味わった。
タイトルにもなっている“寝ても覚めても”というのはどういうことなのだろうか。寝ている時に見ている夢と、麦(バク)はなにか関係があるのだろうか。そこら辺を考えるのも面白い。
今年は自分の中で邦画が豊作だが本作もまた劇場で体験してほしい異様さ、そして美しさを秘めている。
そっち行くか?
不穏であって不快ではない。
不穏だ。とにかく不穏である。
121分の映画全体を筆舌に尽くし難い不穏感が支配している。
それが決して不快ではないのが、この映画の大きな魅力だ。
起こる事の一つ一つはお伽噺の様である。
ホンモノである感じがしない。
どこかぼやけていて、現実味がない。
主人公である朝子と麦の出会い。
亮平と朝子の出会い、別れ、再会。
登場人物たちのとる行動と、数々の末路………。
その全てがまるでナニモノかの大きな力に動かされている様だった。
この作品世界の背後には何かとてつもなく大きな何かが仁王立ちしているのではないか。
そう感じざるを得なかった。
物語りは奇跡の偶然性で成り立っている。
示しを合わせていない感情や行動や境遇が物語をエンドロールまで運んでいくモノだ。
しかし、この映画は違う。
「いつか、必ず良からぬ事が起きるだろう」
そう観客に感じさせ続けながら物語が進んでいく。
どれだけ登場人物が一時的な幸福を得ようとも、
それが続かないことを、むしろ災難に変ってしまうことを、何となくだが確実に、観ている側は分かってしまっている。
しかも、そうであって感情に制止は利かない。観続けてしまう。
“いま”が心地よいから。
頭の片隅で行末に対する危機感を感じてはいるものの、現在の幸福に身を浸してしまう。
まるで二度寝してはいけないと頭では分かっていても目を閉じてしまう時の様に。
だから不快ではない、不穏なのだ。
朝子が終盤に取るある行動については意見が分かれるところだろう。
あの行動で作品に対する興味が一気に遠のく人間もいるかもしれない。
筆者も許せない。あんなことしたら駄目だ。
しかし、(身も蓋もない言い方ではあるが)もう仕方ないのだ。朝子には朝子の事情がある。
個人的には、あのシーンから感情移入の対象が朝子から亮平へと瞬時にシフトを変えた。
朝子は本当に実在したのか・・・?
朝子の友達である女優志望の彼女は実在したのか・・・?
彼女の夫になった会社の同僚は・・・?
朝子の大阪時代の友達の女性は・・・?
飼っていた猫は・・・?
朝子を連れて行った麦という男は・・・?
そして自分は・・・・・・・。
人生(生活という言葉が適切か)は何か大きな力によって動かされているのかもしれない。
そこに抗おうとすれば何か大きなモノを得るか、失うかだ。
微睡むも良し、抗うも良し。
恋は盲目だ。渦中の人間からすれば特に。
外から見ればお伽噺の様なモノかもしれない。
朝子と麦の出会い、あんなことある訳がない!
朝子たちに対する亮平の取る行動、何だか無理がある!
島春代みたいな人、あんな大阪のオバハンおるおる!
ホームパーティー中の芝居論でのぶつかり合い、何なのその偶然!?でもあるある!
朝子を迎えに来た麦、ストーカーか!?半ば誘拐やないか!即刻ネットに挙げられて事務所が動くぞ!?
全体的に朝子、お前ぶれっぶれやないかい!
でも、なんだかこの映画はそんな事は問題ではない様な気がするのだ。
一つだけ納得いかなかったのは、岡崎の末路だ。
何故、彼をああいう所に着地させたのか。
亮平と朝子が新居にて川を眺めるラストカット。
もし次があったとしたら、それはどんな場面になっただろう。
決して他人に薦める事はないだろうけれど、
観た人同士では語り合いたい。
そう思わせる不思議な作品だった。
淡々と
タイトルなし
観た後の感想大会が、むしろ面白い
レビューも拝読し、映画を観た方それぞれに、感想が異なっていて、それがこの映画の本質だと感じました。「ハッピーーアワー」もそうですね。観たその人があぶり出される映画。私は観た後、「自由」と「愛」ってなんだろ?という思いで帰路につきました。そして世の中に溢れる「ディスり」「嫌悪」、それが「羨ましさ」「嫉妬」に根差していたり。愛してる、と思うのは、それは相手から「愛されたい」だけの気持ちだったり。「愛する」とは自分の意志のことと私は思いますが、それゆえに責任感、信頼、覚悟などを生み出す。時にはそれは自由とは正反対の性質で。「自由」とは流れて、流されて、自然のまま。執着なし。愛は、時として自由を嫌悪する。羨む。燃えるように妬む。亮平が麦を見た眼のように。朝子さんは、自由と愛の間を、川が蛇行するかのように流れて行きます。目覚めて亮平のもとに戻った、かのような。でも、寝ても、覚めても、やはり朝子さんは朝子さんなんだろう。川はまた蛇行し流れて行く。朝子さんは川を「美しい」と言いました。亮平は「汚ったない」と。二人のこの先は?続編作るとしたら?なんか勝手にゾクゾク...とそういう作品です。
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