「主役の棒演技が誘う虚構の世界」寝ても覚めても ゆるさんの映画レビュー(感想・評価)
主役の棒演技が誘う虚構の世界
私は何を見せられてるのだろうか──
本作は震災前後の現代日本を舞台にしたラブストーリーである。
しかし、一方で、ホラーにもファンタジーにも解釈できる、ジャンルレスな作品となっている。
序盤の男女がグループで盛り上がる青春の一場面
中盤の友人グループで盛り上がる食事の場面
物語が大きく動く、ダブル東出の場面
そしてクライマックス
東出の抑揚のない喋りと関西弁がサイコみを遺憾なく発揮し、なにかこの世のものではない感が漂う。
対の唐田もジメジメした棒読みと変な関西弁で応酬。
周りを支える脇役たちがちゃんと演技している分、
主演2人の醸し出すヤバみのコントラストが浮き立つ。
そんなアンバランスな作品であるにも関わらず、
非常に惹きつけられるのは脚本と演出の妙だろうか。
テーマ性を考える隙も与えてもらえなかった本作、
是非一度見てもらいたい一作となった。
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