「夢と現実」寝ても覚めても ミアさんの映画レビュー(感想・評価)
夢と現実
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獏(バク)は、夢を食う幻獣なので
誰にも捕まえることは出来ない
麦(バク)に一目で恋をした朝子は
二人の時が永くは続かないことを
どこかで感じている
バクという夢に囚われている朝子に
亮平の思いを受け入れることはできず
遠ざかろうとするが
3月11日震災の日
二人は身を寄せ合ってしまう
亮平と朝子が新しい生活を始めようとした
その時
悪夢のように
バクが朝子に手を差し伸べる
夢から覚めるために
朝子は一度
夢の中に飛び込まなくてはならなかった
北海道行きの途中
バクが車を止めた場所は
亮平と朝子がボランティアで
足を運んでいた海辺だった
海を見たかった筈のバクは
震災後の巨大な防波堤を登ることはなく
朝子は目覚め悟った
夢に別れを告げるために
ここへ来たことを
夢と現実
バクと亮平の間で
苦しみ戸惑い見失っていた自分が
何を望み誰と向き合うべきなのか
やっと気づくことが出来たのだろう
防波堤の向こうには
時には荒れ狂い
時には穏やかに凪ぐ海が広がっている
許されようと許されまいと
これから何が待ち受けていようと
亮平と共に生きることを朝子は選んだ
分かり合えることなど有り得ない
男と女の眼前には
美しいものも汚いものも飲み込んだ川が
猛るように波打っている。
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じわじわと面白さが湧き上がってきた
上手い監督だ
また濱口監督の創り出す世界に
遊びに行きたい
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