祈りの幕が下りる時のレビュー・感想・評価
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1+1=3の泣けるミステリー~東野+TBSの星~
「祈りの幕が下りる時」88点。
素晴らしい!
「1+1=3」の「東野圭吾」の魅力WORLDです。
絡み合った出来事が緻密に見事につながる謎解き「ミステリー」+どこにでもいる人々の「普通の・大切な」「こころ・情・思い」=「泣ける」人間ドラマです。ヒューマン「ミステリー」です。
「ドラマのTBS(復活でしょう。「フジTV」があまりに…)の星」にふさわしい「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」の演出の「福澤克雄(諭吉の孫?)」の魅力WORLDです。
「1+1=3」の魅力にふさわしい「原作者・小説家・文学者」+「監督・演出家」=久々の「名作・感動作」です。
「適材適所」のキャスティングも決まっています。
あまりに美しい「松嶋奈々子」さん。凛々しく運命を受け入れます。完全に役になり切り、その涙ぐみ口の端が微動する姿に胸打たれます。
「春風亭昇太」さん。庶民的な単純素朴な言動にホッとします。
素直な中身の良さがにじみ出ている「飯豊まりえ」さん。癒されます。低俗な週刊誌に身体をさらしてはいけません。
エラく地味な役でも「ミッチー・及川光博」さん。出るんです。
「関ケ原」のやんちゃなヒール役「福島正則」から目を引きます「音尾琢真」さん。損な役ではありません。見ている人は見ています。
そして、いつもニコニコの「小日向文世」さん。熱演でした。さすが舞台からの叩き上げの役者です。
多忙な「阿部寛」さん。前回の東野作品「疾風ロンド」に唖然としましたが、今回はマシでした。いつも「クールで知的」な「加賀恭一郎」ですが、今回の設定ではもう少し弱いこころを出しても。「エモーショナル」でも良かったのでは?ちょっと明察すぎます。でも「ハマり役」です。原作の「加賀恭一郎」からしてあなたしかいません。
なんといっても「キムラ緑子」さんです。見事な「ダメなおばちゃん」役です。あなたのせいで…。関西弁のおばちゃんは東の「大竹しのぶ」さんに匹敵する名優です。応援してます。
あっちこっちで映像の工夫がされてます。
「顔」の出し方が巧みでした。特に、誰(役者の顔)かわかちゃったらまずい「似顔絵」と、タイトルを出す直前は。
また絡み合った出来事をわかりやすく図式化してるのも丁寧です。
あのシーンは「砂の器」を意識してるんですね。
BGMとしてあの馴染みの曲はピッタリでした。
「JUJU」さんの歌声もエンディングにピッタリです。
タイトル通りの見事な感動のフィナーレでした。
親子の絆は決して切れません。だって「人間だもの」🍀
”砂の器”リスペクトのような共通点を持つ、見応えある作品
当然、映画ファンなら、"ああ、「砂の器」ね。"という感想になるはず。原作が松本清張作品に似ているだけでなく、映画化に際しても、野村芳太郎監督の名作「砂の器」(1974)をモチーフにしたと思われるシーンもあって、なおさら東野圭吾版「砂の器」といった趣きになっている。
その類似点は、例えば、父と息子(本作は娘)が罪なき罪のために、身を隠して放浪の旅に出るというところ。また、いまから数十年前の過去の因縁が、現代の事件につながっている点や、犯人が偽名や詐称による成り代わりになっているところ。さらにはエンディングが舞台公演の場で迎えることなど・・・その引用は挙げればキリがない。
しかしそれは、この作品の評価を下げるものではない。むしろ、「砂の器」に負けず劣らずの見ごたえになっているところが凄い。ズッシリきて、ホロリとさせる。 オープニングにテロップ処理でストーリーを端折っているものの、2時間という映画の尺に、壮大な展開をきれいに詰め込んでいる。
日本大震災の傷跡や原発作業員という設定を使ったりするのは現代的。さらに背景や人間関係、犯罪の動機や手法などはオリジナルで、"新参者"シリーズとしての加賀恭一郎の過去とクロスオーバーさせている。よくぞこれだけの伏線を引きまくった!と感心する。考え方によっては東野圭吾による松本清張へのリスペクトなのかも。
監督は、「半沢直樹」、「下町ロケット」などのドラマを手がけたTBS所属の福澤克雄。福澤氏の意外すぎるプロフィールは、あの福沢諭吉の玄孫という事実だ。 映画のメガホンは中居正広主演だった「私は貝になりたい」(2008)だけだが、ドラマ版「新参者」がTBS制作で、福澤監督のTBS所属演出家ということだからだろう。
本作はなんといっても、脇役や端役に至るまでキャスティングが豪華すぎる。そんな中でヒロインである松嶋菜々子がやはり"華"である。
ちなみに同じく今週公開のホラー映画「ザ・リング リバース」が上映中。20周年となった「リング」の第1作(1998)が松嶋菜々子の初主演作だったことを考えると感慨深い(←いまだに美しいことが)。
またドラマ版に出演したことがある、杏と香川照之がエンドロールのサービスカットでカメオ出演しているので、お見逃しなく。
"新参者"は、ドラマ版からはじまって、劇場版やスピンオフなどで映像化されてきたシリーズだが、今回が"完結編"だという。 それは日本橋署に赴任した"加賀恭一郎"のエピソードを"新参者"とするからだろう。
しかし"日本橋"に赴任する前の話もあるし、加賀本人が死んでしまったわけでもない。阿部寛主演のドル箱シリーズとすれば、今後も周りのオトナがほっとかないような気がする。
(2018/1/28 /TOHOシネマズ上野/ビスタ)
役者がハマりすぎ!
おえつ
新参者がすきで観に行きました。
話の流れもよくて、納得できた。
小日向さんと娘のシーン…もう涙が出てきてだめだった。一度別れてから、また戻って抱き合い泣き出すシーン。となりにひとがいなかったら嗚咽するくらい泣いてました。
近藤今日子もぐっときた。娘の好きな事を把握していて、これって愛ですよね。
小日向さんの走り方がまた涙を誘った。
娘が車に入った後、引き絵・無音のシーンが怖くて怖くて。性的被害者の事件が減る事を本当に祈ります。
人形焼たべたくなったから近々買いに行きます。
また違う作品みたいな。
初見でもOK!
凄かったぁ
人物整理が大変
原作より良かった
これぞ東野圭吾の真骨頂
複雑に絡み合った人間模様…と見せかけて、実は単純な二組の親子の切ない愛の物語とでもいおうか。
儚げな松嶋菜々子がとてつもなく美しい。
あの母親さえあんなことをしなければ、この親子はこれほどまでに苦しまずに済んだのに。
人を殺めることもなかったのに。
そう思うと観ているこちらまで苦しくて辛い。
小日向さん、素晴らしかった。
そして桜田ひよりちゃん、HEROや相棒で観て印象に残る女優さんだとは思ってたけど、本当にうまい!
これからが楽しみです。
新参者は観たことないけど、これ一話だけでも充分に楽しめるストーリーとなっている。
これまで東野圭吾作品の映画では容疑者Xの献身が自分の中でナンバー1だったけど、この映画も負けてない。
ぜひ劇場で観てもらいたい傑作です。
最後にふさわしい作品
映像化された加賀恭一郎シリーズで最高の作品だとおもいます。原作に忠実でストーリーの進行とともにどんどん引き込まれていきます。
無駄なシーンがなく、さりげない場面での一瞬の表情が見逃せません。
最後の数分のシーンにこのシリーズが始まってからの歴史がかんじられました。エンディングに流れるJUJUさんの曲もよかったです。スピンオフでもいいから もっと観たいです。
父娘愛、見事に演じ切った三女優と小日向文世さん。
祈りの幕が下りる時
ミステリーというより、ヒューマンドラマ 桜田ひより、飯豊まりえ、松...
東野圭吾だな
例によって善人が運命を狂わされて人を殺めてしまってそれをかばう話。いつかは日本橋の麒麟がどうのという話だった気がしたが、またもや橋の話。
阿部寛さんは好きなので同じ話でも見てしまう。
まあ、同じとはいえ、とにかくよく考えたなーと感心する込み入った話。
ミッチーの件、いるかな〜?尺が短かったのだろうか。しばらく会えなかったとしても、半分蒸発したような元先生なんて、小日向文世、黙っているかな?
父親が殺した男からのプレゼント、阿部寛に会いに行くときもする?それだけ大事にしているなら、殺した父親とうまくやれるか?
蘭ちゃん、親子で警察だったら見つけられるんじゃないかと思うけど。
自分と娘の人生を狂わせたのと同じ、蒸発主婦とつき合うかな〜?
キムラ緑子くらい悪者なら、有名人になった娘にたかりにいくけどなー。
似顔絵、似てるかなー?
新参者ならぬ古参者との別れは少々寂しいね
東野圭吾の小説で数えると1986年の『卒業』から数えて第2作『眠りの森』、第7作『赤い指』、第8作『新参者』、第9作『麒麟の翼』、第10作本作となるのですが、テレビドラマ『新参者』を起点にすると、第2作『赤い指』、第3作『麒麟の翼』、第4作『眠りの森』、第5作本作となっています。
いずれにしても(いまのところ)最新作にして最終作。
さて、落とし前をどうつけるのか。
ある日、東京都葛飾区のアパートの一室で死後20日経過した女性死体が発見される。
被害者は滋賀県彦根に暮らす40歳の女性、アパートの住人は70歳を越えた独身男性。
しかし部屋主はその後姿をくらましている。
一方、女性の死亡日にほど近い日付に、近所の河原でホームレスの死体が発見されている。
両者に接点はあるのか、ないのか・・・
というところから始まる物語で、事件の捜査にははじめ加賀の従弟・松宮(溝端淳平)が当たっていたが、いくつか思う着く節があり、加賀(阿部寛)自身も捜査に加わることとなる。
というのも、加賀が幼い自分に家を出、すでに死亡している加賀の母親(伊藤蘭)が事件との接点があるらしい。
そして、事件は、加賀自身の生い立ちも出奔後の母も絡み、ファミリーヒストリーの様相を呈してくる・・・と展開していきます。
事件そのものに決着もつけなければならないし、加賀自身が「新参者」として日本橋署に赴任した経緯(いきさつ)も明らかにしなければならないということで、最終作としての落としどころはかなり難しい。
結末としては、犯人の親子関係と加賀の親子関係が二重写しになるようなハナシなのだけれど、うまくいったかどうかはちょっと微妙なところ。
あまりにも、犯人側の過去の物語の回想シーンに尺が割かれ、あまりにもウェットすぎて、バランスを欠いたかもしれません。
とはいえ、決着についても無理無理なところもなく、概ね満足できるので、映画を観終わったあとの満足感はかなり高いかもしれません。
特に、エピローグ的に描かれる『新参者』の登場人物がカーテンコールにように登場するのには、胸が熱くなるかもしれません。
これで阿部寛=加賀恭一郎とお別れかと思うと少々寂しい思いもしますが、もうかなりの歳月を日本橋署で過ごしているので、「新参者」ならぬ「古参者」になっていますからね。
究極の家族愛に泣く。
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