累 かさねのレビュー・感想・評価
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文句なし
一時期原作漫画買ってて、実写化すると聞いた時すごく不安だった。あのどろどろしてて、演技力がとても必要とされているあの累を?実写化?顔はどうするの?不安だったけど、予告見て、震えた。見なきゃいけないと思った。
結果、太鳳ちゃんもきょんちゃんもよかった。どっちがどっちなのか、ふたりとも似てて混乱した部分があったけどもう少し累の顔を寄せてもよかったんじゃないかなあ。でも演技力は素晴らしかった。ラストにサロメを持ってきた所も、サロメを演じてる太鳳ちゃんも、とてもとてもよかった。心の底から叫ぶサロメに泣いた。……えっ違う?
原作漫画よりどろどろしていなくて見やすかった。これはほんとうに素晴らしかった。満足。
主役2人が良かった……
原作は2人の出会いくらいまでをいくらか前に読んだきりだったのでぼんやりとしか覚えてませんでした。
端的に言うと主役2人が良かったです。
はじめ、太鳳ちゃんは少女漫画実写化、芳根ちゃんは少し前にやっていた花道のお嬢様や朝ドラのイメージ。
だから芳根ちゃんに期待をかけて観にいきました。
まず、期待の芳根ちゃん。
オドオドした累も、自信のあった顔ではなくなり世間の目に怯えるニナも本当によかった。
期待通り、というか期待以上でした。
次に太鳳ちゃん。
性格悪いニナ……少女漫画の太鳳ちゃんより、こういう役柄の方が好きだな。美しさを武器にする快感を覚えた累も良かった。
想像以上の素敵な演技でした……。
本当に二人とも素敵だった。
素敵といえば、烏合さん。
出てきた瞬間、関ジャニ横山くんだ!とびっくりしてしまいました!
(本当はきみちゃんんんって心の中で叫びました。)
累にメロメロな烏合さん。
条件反射でバラエティの彼の姿がチラつくんだけど、“ちゃんと”烏合さんでした( ¨̮ )
よかった。
巧いです!
芳根京子の幅のある演技にただただ引き込まれる
題材は良いのに…。
美しさと醜さ、嫉妬や欲望を鮮烈に描いた原作は14巻にも及ぶ長編。2時間には当然おさまらず、脚本の改編が物語のバランスを崩すのは原作モノの映画の最大の問題点だ。(作品の核となるエッセンスが継承されている良作もあるが。)
だが、それ以上に問題なのはしつこいくらいの“テレビ演出"だ。コンスタントに見せ場を作ろうとして、抑揚のない物語構成になるばかりか、わざとらしく垂れ流される音楽、明らかなオーバー演技や説明台詞など。
なにより、累の痛みを安易な叫び声で表現するのはどうか?したとしてもここぞという場面に抑えて、痛みを際立たせるべきだろう。劇中の人々同様、作り手はそれらしい“表面的”な演出しか出来ていないように感じる。
土屋太鳳の舞、芳根京子の最後の形相、檀れいの一瞬の情念など良い部分もあるだけに残念。もっとふさわしい人がやれば、いくらでも恐ろしく美しい物語となっただろうに…。
平坦。
正直
後半ラストまでの流れが悪い気がする。
目を引くシーンが頭にあり、そこからあまり変わらない流れ。じわじわ行くというよりもひたすら平行線に感じた。
何より芳根さんが普通にかわいい。
人生に絶望してる。希望は何もない。そんな演技は当然完璧だと思う。
だが、そもそも美人の子だ。もう少しコンプレックスがありそうなキャスティングがよかったのではないだろうか。
二人はキスするほどの深い仲
土屋太鳳と芳根京子が反発しあいながらも、お互いになくてはならない存在なのをよく演じていました。「美貌」と「天性の演技力」、表面的なものはキスで簡単に交換できても、内面は交換できない、最終的に得するのは演技力のある累(かさね)の方というわけか。最初は累を利用しているつもりのニナが、だんだんと自分を乗っ取られていく恐怖を抱く。最後の劇中劇「サロメ」は累の決意表明みたいなものだ。自分はニナの犠牲の上にでも演技を究め、母と同じ道を歩むという。
ニナも累も顔を交換する強い動機を持っていると思われるが、肝心のそこがボケてしまって二人のドロドロ劇ばかりが印象に残った。浅野忠信演じるマネジャーの羽生田が全体を支配しているような重要な役なので、彼に視点をあてて見るのも面白いかもしれない。
アイデンティティのありか
ドッペルゲンゲルというドイツ語はもうひとりの自分を見る幻覚の意味で、芥川龍之介やドストエフスキーもそれについて言及したり作品を書いたりしている。ひとりの肉体の中に異なるふたつの人格が現れる設定ではスティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」が有名だ。
本作品は、それらとはまた一線を画した設定で、ふたりの女性の、心ではなく外見が入れ替わる。当人たちにとってはドッペルゲンゲルのように、自分そっくりの他人を見ることになる。こういう設定の場合は、わかりやすくするために性格の違いを際立たせる手法があり、往々にして善と悪、白と黒といった違いになりがちであるが、本作品はそういう手法に頼らない。
性格で言えばふたりとも強気であり、癲癇質である。違いは生きてきた環境と劣等複合だ。それぞれが持つ劣等複合が、ふたりの関係にダイナミズムを生じさせ、物語をぐいぐいと進めていく。アイデンティティのありかは肉体にあるのか精神にあるのか。観客は揺さぶられ続け、スクリーンから目を離すことができない。
異なる二つの人格を演じた若いふたりの女優はいずれも熱演だった。特に土屋太凰は、異なる人格で劇中劇の同じ役を演じるという難役を見事に演じ切ったと思う。特技のダンスもうまく生かせていた。
浅野忠信が演じた羽生田。この男の目的は何なのか。ニナが地下室で見かけた数十年前の写真に写った姿は、いまとあまり違わない。この得体の知れない狂言回しを浅野忠信が存在感たっぷりに演じ切った。この人の存在がなければ、ふたりの女優の見事な演技も上滑りしたものになっていただろう。
中途半端
二人の演技が素晴らしい
原作ファンです。 よくTwitterなどで「ブスじゃない。美人だ。...
原作ファンです。
よくTwitterなどで「ブスじゃない。美人だ。なめてるの?」という意見がたくさんありましたけど、観に行ってみると絶対180度見方が変わると思います。
芳根京子の劣等感の塊の叫び声や偽物が本物に変わる瞬間の瞳と声の演技がほんっっっとに素晴らしく身震いしました。芳根京子が美人だということさえ忘れるくらい見事にかさね役を演じきってましたね。
SIAのアライヴという曲を土屋太鳳が踊っていたんですけど、これを見た瞬間、土屋太鳳は闇を抱える女性の役が一番似合ってると思っていて、絶対ニナ役合ってると確信しながら観に行きましたが、想像を越えるくらい素晴らしかったです。
特に好きなのがサロメのシーン。艶やかで妖しく笑う瞳と唇が美しさの暴力。表現力を最大に活かしきった演技で迫力があり、112分がめちゃくちゃあっという間でした。観に行ってない方はぜひおすすめします。
気づいたら映画の中!!
人生乗っ取られてるのは累自身…?
ダブルヒロインが段々双子に見えてくる…。あれ?どっちがどっち?という不思議体験ができます。土屋太鳳…ダンスもできてすごい。
原作は1巻を読んだ程度、うろ覚えです。
幼少期のエピソードが後に移動したいて、初見でも『累』がどんな世界観なのか分かり易い構成だと思いました。累は地味な子の設定で、原作の「あまりに醜い顔貌」から変更されていた気がします。(口紅って消耗品じゃないの?とツッコミをいれるのは野暮なのでしょうね…)
舞台俳優と映画、ドラマの俳優とでは何が違うのか分かりませんが、舞台は感情を爆発させるのが特徴なのかな?という解釈です。最初は「私は女優…そう!女優よ!」や「私はカモメ…」といったセリフがくさくて仕方ありませんでした。累が女優として舞台に立つようになって、聞くことが出来るようになりました。
横山裕のミステリアス寡黙キャラがハマっていた。良い…彼は内面を見てた。あとこの三角関係はキツイ!!!
後半になるにつれ、淵母子の闇が明かされて(何となく冒頭から分かってた)、タイトルの鎖ってそういうことかーと納得すると同時に人生を縛るものの象徴なら、累も淵を「重ねて」生かされるのだから彼女自身も縛られてるのでは?と悶々としました。
『サロメ』は本当に舞台を見てみたくなりました。主役を演じきるのは役に飲まれることだそうです。他人の顔を奪って、人生も奪って演じる累のサロメはホラー映画でも見ているようでした。(サロメダンスめっちゃすき。)所々セリフがしゃがれ声になるところがとてもこのみだし、最後の笑みがとてもいい。
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