累 かさねのレビュー・感想・評価
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顔ぶたないで!女優なんだから!
上映時間の都合で欅坂平手の「響 HIBIKI」とかなり悩んだ挙句こっちを選んだのだが、おそらく大正解だった。
まず特殊な口紅を塗ってキスすると顔が入れ替わる!という荒唐無稽な設定をこうもすんなりと受け入れてしまえる、これぞ映画の醍醐味。
有名女優になりたい女優を演じる女優というのは、澤井信一郎監督の名作「Wの悲劇」の薬師丸ひろ子を想起させるのだが、彼女は役の設定がらダイコン演技でOKであったのに対し、土屋太鳳はガチで「凄い演技」を見せなければならないのだが、それをまあなんとかやり切ったことに拍手!
そして何と言ってもこの映画はライティングの素晴らしさ、舞台袖で出番を待つ数秒間のブルーライトに変わる瞬間に人格が変わって見える。そしてエンドロール前のスタンディングオベーションから暗転して赤いライトに徐々に顔が浮かび上がって来るラストカットの美しさ。映画館の暗闇で見るべき映画。
土屋太鳳の個性が光る作品
想像の遥か上をいきました。
原作未読で、関ジャニの横山くん目当てで見に行きました。
が、しかし。横山くんには申し訳ないですが、その目的は途中で忘れ去り、横山くんはわたしの眼中にないほど物語にのめり込んでました。
もちろん横山くんの独特の存在感、透明感は最高でした。大満足です。
芳根京子さんと土屋太鳳さんのダブル主演ですが、圧倒的に土屋太鳳の存在感がすごかったです。
芳根さんも申し分ない演技力のはずですが、それが霞んでしまうほど土屋太鳳さんが圧倒的実力を120%フル発揮してきてます。
いや、でももしかしたら土屋太鳳の圧倒的な存在感を際立たせるための芳根京子のあの演技なのかも…って思うとそれはそれで鳥肌です。とにかくどちらも素晴らしい演技でした。
物語自体もとてもおもしろかったです。展開もドキドキしましたし、最後までスリリングでスピード感のある展開。原作未読なので、何も違和感もなく見れました。
ただ他の方が言っている、原作にあるさまざまなテーマやメッセージ性はたしかに感じませんでした。
一番好きなシーンは終盤の舞台のシーン。詳しくは書けませんが、あのシーンは是非劇場で見ていただきたい。ダンスもお上手なのは知っていましたが、まさかここまで仕上げてくるとは…土屋太鳳の底知れない才能と努力に震えました。あのシーンのためだけにもう一度劇場で見たいかも…って思うほどすごかったです。
色っぽいし、美しい。でも底知れない力強さとしたたかさ。なんて魅力的なんだろう…と感動してしまいました。
劇場で見れてほんとによかったです。無理してかけこみで見に行って正解でした。
映画は自分で観なければ本当に判りません!!
あ~驚いた!まんまとやられました。本作は私の予想を完全に裏切ってくれました!!
私は普段なるべく映画を白紙の状態で観たいので、前情報は極力仕入れない主義。だがこの作品は私の観る予定の作品リストに入っていたが、時間の関係で観る事に迷いが出たので、みんなのレビューを読み、良い作品なら観ようと考えた。
すると大方の方々が、劇中の丹沢ニナと言う女優と、その彼女に成りすまそうとする累を演じる土累屋と芳根の迫真の芝居バトルが見物。お二人の芝居の巧さに感動した、或いは2人の女の心の変化の描写が見物等、好意的なレビューが並んでいたので急遽予定を変更して本作を観た。
しかし、観賞後の私の感想は殆どの方が書いていたものとは全く違う印象になった。
確かにダブルヒロインそれぞれを演じた、土屋さんも芳根さんも、顔と内面が同一の場合と、入れ替わった状態を巧みに演じ分けている点は非常に巧いので、良かったし、2人の芝居を楽しめた。
そして、私がこの映画で最も人間の心の闇、最大の恐怖を感じたのはニナでもなければ累でもなく、ニナのマネージャーである羽生田の異常性に思わず息をのんだ。
ニナと累は口紅とキスと言う過程が無ければ、何も変化する事は無い。そして当然、そのプロセスを経て、肉体と心が同一人物でなくなり、入れ替わる事に因って変化していく心の変化であるのだから、嫉妬や憎しみ等、有る意味変身する事が無ければ、起きる事のない心の反応でも有り、この2人の間に有る心の闇などは、確かに深い闇ではないのだろう。
だがこの物語の本当の恐怖は、羽生田の昼の顔と、夜一人帰宅した時の顔に違いが有る怖さである。しかも彼は何の小道具も必要なければ、キスも不要なのだ。
いや、そればかりか、昼も夜もきっと彼の心の中には何の変化も無いのかも知れない怖さ。
只、彼の心を今も支配し、離す事の無い大女優の亡霊が彼の心に棲み続け、彼女の再臨を彷彿させる女優を創作する為に、ニナと累の2人の若い女性の人生を、素知らぬ顔で支配し思うままに巧みに操る彼。その亡霊を愛する執着心、根深く本当に怖い心の闇だった。
その心の闇と共に生き続けている、彼の心が表面的には何も見えない処が更に恐怖でしょ?
浅野忠信は、面倒見の良い気遣い上手で、人の良いベテランマネージャーに見えるように羽生田を怪演しているのだから、この俳優も怖いですね!
原作を読んでいない私は、本当の創作意図が何処に有るのか、或いは本作が原作通りに展開して原作の意図を再現しているのかも全く知らない。
私はみんなのレビューを読み、本作を観る前は本作があの名作「愛と喝采の日々」の邦画版で有るのかも知れないと早合点していたのだ。
結果は私の予想と反するもので有った、しかし有る意味、本作がアン・バンクロフトとシャーリー・マクレーンの焼き直しでなかった事はむしろ幸いであった。
村井國夫の確かな芝居を確認出来た事、そして壇れいと本作で出会えた事もこの作品の大きな収穫の一つだった!
やはりハリウッド監督作品にも出演する浅野が普通のマネージャーを演じる筈がないね!今後の彼の活躍振りに更に期待が高まった。
覆し祭り
『累 かさね 』鑑賞。
私、呼吸 してたかな、
暫く、席を立ちたくない
余韻に浸っていたい、そう思える作品でした
映画には好き嫌いそれぞれあると思いますが、
私は個人的に物凄く好きでした。
ドロドロバチバチエンターテイメント、好き
何よりも、
女優、
演じる側という役どころが
共感する場面が多くて、
自分もこういう感情になるな〜とか、
私自身の憧れだったり。
お芝居に対しての譲れない部分や
この、
芸能界という世界に存在する人の
残酷さとか 私がまだ知らない、
これから知って行くのだろうなと思う事象が
前面に押し出されているようでした。
だから少し
背筋がピンとなる瞬間もあって
自分がこの高さに上り詰める、られる日が
来るのかなぁ、とか
自身の弱い部分、揺らいでる自分を
逃がさない、しっかり見ていて、
と言われているようでした。
一人二役、いや
二人で一役
その大変さがまだちっぽけな私にも
少しは理解できてるのか定かではないですけど
どれだけの技巧や魅せ方の工夫が必要なのか
お二人の覚醒した姿が
あり得ない物語に一本の揺るがない芯を通していた
何故かはわかりませんが
本当に時間を忘れていて
気づいたらエンディングの曲が流れてて
映画館の中が明るくなってて
「現実に戻れない」
誰かの声が聞こえてハッとして
あ、私まだ累の世界にいるなぁ
歩き出してもまだこっちにいなくて
それくらい後を引く作品で
もしかしたら乗っ取られちゃったのかなぁなんて
あの時間に戻りたいと純粋に思います。
何を観たか、
んん〜、 何かが壊れる瞬間を見た
それは
向こう側で起こっていたのか
こちら側で起こっていたのか
覆す 覆る
そんな言葉しか出せない自分が悔しい〜〜
そして、話題になっている
"劣等感"
誰しも持っているものですよね
難しい
こういう感情って言葉に表すの難しくて
ドス黒いって言葉悪いかも知れないけど
ドロドロの、ぐちゃぐちゃな
自分の中にある濁った部分で、
そういう面を題材にするのは今の時代でも
ありなんだ、と少し感心しました
ヒイイってなるんだけど
そんなビビってる自分を客観的に見ている自分が
また面白くて、色んな見方をして
様々な視点、色、捉え方ができる人間になりたい
そして何と言っても
圧巻の踊り パフォーマンス。
なんも言えねえ って感じでした(語彙力
冗談を、失礼
身のこなし方、視線
表現の壮大さが半端じゃなくて
綺麗でパワフルで
でもそれは劇中劇で役として動いている
そんな不思議な感覚を知れて
本当に有り難かったなと思います。
御二方の目の、眼の
お芝居に怯んでしまうくらい
圧倒的な覚悟と共鳴が見えて
身震いしてしまった。
本当に素敵だった。
いつも作品を観る時
いろんな感情が溢れて、
ここに立ちたい、
スクリーンの中に広がる世界をみては何度も
立つんだ、いつか絶対と夢見て
悔やんで無気力になってしまったり
それでもやっぱりまた
映画という存在に救い上げられ
奮い立たされて
この先もずっとそうやって
生きていくのだろうなぁ、と
いや、生きていきたい
そう思います。
こうやって私じゃない誰かが
自分のお芝居を観て、
いつか何かを
一つでも感じてもらえるよう
日々、精進します
土屋太鳳がすごい
他の方も書いているように土屋太鳳の演技がすごいです。
入れ替わりという設定上1人2役であるものの、それを感じさせないほど入れ替わり後どちらの人格を演じているのかがすぐにわかります。
後半のサロメのダンスもすごかったですが、なんだか原作を読んでいるものとしてはサロメ=累というのがあまりに無理やり感があるなぁ…と思いました。
原作のマクベス夫人=それまでの累というのがしっくり来ていたので何となく違和感…。
あと最後のサロメのシーンが異様に長く、なんだかしつこいような印象がありました。
「かもめ」の部分はニナが累に代わって演じたところを烏合に𠮟責されるなど、原作とは少し違う部分もとてもいい塩梅で別作品として楽しかったです。
なにはともあれ主演2名の演技力あっての映画だと思いました。
兎に角観てほしい
上映終わる前に絶対スクリーンで見て欲しい
本当に素晴らしかった。土屋太鳳、スイーツ映画の人としか認識してなかったが、一発でファンになった。芳根京子は勿論素晴らしい。浅野忠信も勿論良いが、この2人の迫力の前には味付けくらいの位置付け。
特にラストの駆け上るような高揚感、何かを目撃してる感はヤバい。画面の力という意味では、完全に原作漫画を超えてしまったと思う。舞台には何か神様が降りてくることがある、と信じている人には、ぜひ見て欲しい、スクリーンの中に、その魔力の一端を閉じ込めることに成功していると思う。
ここまで素晴らしいのに興行的にイマイチなのが本当にもったいない。特にこの作品はスクリーンでこそ見られるべき。響もそうだが、邦画、折角素晴らしい作品なのに、宣伝が失敗してるの多くない?本当に悲しい、、、
太鳳ちゃん
2人がニナと累そのものでしかなかった
最後、身動きができなかった
これは凄い
ニナと累の入れ替わりを演じる2人の演技に脱帽。土屋太鳳さんと芳根京子さんには拍手です。話が進むにつれて次第に全てを奪われてゆくニナの焦り、累が支配してゆく狂気がよく表現されている。良作だと思います。
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