リズと青い鳥のレビュー・感想・評価
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百合の二文字に躊躇するのはもったいない
映画表現面の感想:
主人公の「呼吸」を視覚と聴覚と時間で表現した稀有な作品に出会えたことに感謝します。
童話パートの水彩画的な描写も高畑監督のかぐや姫を想起させる出来栄えでした。
内容面での感想:
巷では女子高生の同性愛的な感情を静謐に描いた作品という感想が広まっているようですが、そうではないと思いました。
変化(自己成長)を受容するまでの過程を丁寧に描いた作品と私は受け取りました。10代の女性同士にしか通用しないものではなく、たとえば、「変化したい自分」と「変化を恐れる自分」にも当てはめることができると感じたのです。片方の自分にとってもう一方の自分は、自分の願望(または居心地良さ)を邪魔する障害でしかないのですが、この作品のメッセージどおり立場を入れ替えて考えて見ると、自分を邪魔しているとばかり思っていたもう一方の自分も「自分を大好きだからこそそうしていたんだ」ことに気付けて、互いの思いを受け入れて、一歩を踏み出せる。そういうことを教えてくれた映画でした。
もはや表現する言葉が見当たらない
まだ引きずるのか→決心したんだね
響けユーフォアニアムを全て視た人には、またみぞ×のぞでごちゃごちゃやってんのかと思われたのではないでしょうか。私はそう思いました。
アニメシリーズでみぞ×のぞの確執は解決したと思いきや、また再燃しています。
最終的にはみぞれが希美とは別の道を進む決心をしたことで、いい感じに落ち着いたし、吹奏楽部のレベルアップを果たしたと思います。
山田監督作で最も抑制の効いた一品
「響け!ユーフォニアム」シリーズの完全新作となる「リズと青い鳥」。過去作では北宇治高校吹奏楽部の部員達が織りなす青春のドラマに感情を激しく揺すぶられましたが、今作はうって変わって、彼女たちに寄り添うように、静かに見守るような映画になっています。
ジュブナイルの、或いはモラトリアムの箱庭を見守る作品はアニメ・実写を問わず珍しくはありませんが、これらの作品に通底するのはもう届かない、失われた季節への憧憬を見る側に感じさせる事です。だからこそ、大事にそっと見守ってあげたい・・そういう気分で鑑賞できる。
しかしながら本作では、監督自身が「過ぎ去った大人が昔を懐かしむ目線は排除したい」と言うように、そういったある種の甘美さや感傷を排除し、淡々と希美とみぞれ、2人の心の機微を追う作りにしている。夕景や夜の街並みと言った過去作で見られた効果的な場面転換や、ドラマチックな劇伴に頼らないストイックな作風はややもすると「綺麗でお洒落なだけ、心に響かない」と捉えられがちですが、注意深く2人の心情を追いかけていけば、最後には過去作とはまた違った、静かで深い感動(そして、在る種のやるせなさ)を感じられる事と思います。
結局、希美とみぞれは「リズと青い鳥」そのものか?違うのか?そして2人の心は通じ会えたのか、すれ違いのままなのか・・それはもう是非劇場へ足を運び判断して下さい。人と人の距離感という意味では、ユーフォニアム関連作ではありますが、山田監督の前作「聲の形」とも通じるものがあり、前作同様、とても繊細で上質なフィルムに仕上がっているなと感じました。
凄かった
希美とみぞれのシーンで全体的に会話を少なくしてSEやキャラの動きで様々なものを表現していてすごかった。
リズと青い鳥が別れるシーン以降ずっと泣きそうになっていました。
特に希美がみぞれとの差に気づいてしまった第三楽章のシーン。気づいてしまったけど演奏を続ける希美の震えたフルートの音色とどんどん伸びやかになっていくみぞれのオーボエの音色。そして希美の涙。来るものがありました。
また、みぞれが希美に「好き」を伝えるシーンも良かったです。
今まで抑えてたものが一気に出てきたようで。
最近観た映画ほぼ全部良いと言ってるんですが、その中でもちょっと抜き出た良さでした。
-追記-
https://www.youtube.com/watch?v=lQxwNaoFdQQ&feature=youtu.be
このPVの存在に映画観てから気づいたんですが、映画のすべてがこれに詰まっていました。
特に冒頭の
『誰しも感じたことがある。羨望と絶望。そして、それらを包み込む、愛』
これだけでもうこの映画の語るところほとんど説明できてしまっている
ー追記2ー
大好きのハグのシーンで希美がなんで笑ったのかわからなかったんですが、みぞれは「希美のフルートが好き」は最後まで言わなかったんですね……。希美が「みぞれのオーボエが好き!」と言っても何も返さなかった。ここなんの間なんだろと思っていたんですが、みぞれが「希美のフルートが好き!」と返してくれるの待ってたんですね……。心が痛い……。
監督ひどいな!
みぞれとのぞみの関係、やり取りこそを作品の主題に据えるため
邪魔なストーリーは全て絵本におしやって
声優経験浅い本田さんキャスティングして
ストーリーを陳腐化させるために使ったようにみえましたよ
本編の話すら最後の演奏で泣かせるために使ってる
みぞれとのぞみいいよね。
麗奈がなんでこんなにキツくみぞれにあたるのかを考えたら
おそらく麗奈ソロを中心に据えた曲と
リズと青い鳥どちらを選択曲にするかがあって滝先生は後者を選んだ
負けたという気持ちとそれなのに本気を出さないみぞれに対して
あの啖呵と演奏と思うとああ麗奈視点ではテレビの雰囲気で動いてるんだな!
今回はみぞれの世界だけど…と見れて面白い。
共感するならばコミュ障で芸術家肌で何もなかった自分に誇れるものを与えてくれた希美に依存するみぞれより
近くに天才がいることで劣等感を感じてしまう希美に対してですかね
本気でなにかやっていた人にはわかる苦しみを感じられれば見たかいがあるかもしれない。
すいません、おじさんには理解が出来ません
普通のアニメとちょっと違った感覚なのかな・・・
内容もそれほど複雑なモノではないし、人間関係や心に不安なモノを抱いている今時の女子高生が、学校の部活を通して解決や成長していく話なんだけど、単純な話なんですが、何度か見ないと本作品の趣旨が見えてこないかな・・・・
今時の女の子なら共感したり、内容がスッと入って行ったりするのかな・・・
私のようなおじさんには、ちょっと理解出来ない部分が・・・・
決して面白くないと言うモノではないですが、ミディアムテンポなので、わっ面白いと言う程でもないかな・・・・
原作を読むと面白いのかもしれませんね。
PS
本作品、隣の席に、私より年配の男女が座るも、試写会が映画館だった為に、バケツいっぱいのポップコーンをくちゃくちゃ音を鳴らして喰いやがって、うるさくて映画に集中出来ませんでした・・・
ま、この手の猿以下の人間と一緒に映画を見なくてはならないのも非常に残念・・・・
映画会社や映画館ももう少し食べ物とか、コンビニの袋の音などに注意勧告をしようぜ、名画座系はその事をしっかり唄っている・・・
映画を見せて初めて映画館は、最低限の顧客満足を得られる商売なんだから・・・
北宇治の演奏をぜひ劇場で!!
ファーストシーンで「間違えた!これ苦手なヤツだわ!」Σ(゚д゚lll)と、焦りましたが、
絵本の世界だとわかって一安心。(*´ー`*)
コンクールの自由曲「リズと青い鳥」の世界と、吹奏楽部の世界がリンクして物語が進んでいきます。
続く登校シーンの不安定さが素晴らしい!
みぞれちゃんの主観で見る校舎は、こっちまで目眩や吐き気をもよおしそうで、一秒でも早く家に帰りたくなります。
説得力のある映像から、みぞれちゃんの希美ちゃんに対する依存の強さがうかえ、一気にみぞれちゃんの心理にのめり込みました。
終始リズミカルな足音がうるさいぐらいに感じるのですが、これもみぞれちゃんの主観なのかもしれませんね。
もちろん希美ちゃん側のことや、二人を取り巻く部員達のことも丁寧に描かれていて、さすがは京アニです。
でも、何と言ってもクライマックスは、音で魅せるシーン!
もとい、音を観せるシーン!!
作り手側も強気で、ちょっとやそっとの演奏じゃ観客が納得出来ないレベルまで物語のハードルを上げてきます。
いったいどんな演奏を聴かせてくれるのか?
期待値MAX!
メロディーに想いを乗せて奏でる…息遣いまで聞こえる繊細な演奏シーンだけでも充分に彼女の想いが伝わってきますが
ラフデッサンのようなイメージショットを挟むことで、見る側のイマジネーションが刺激され、とめどなく溢れ出します。
ありがちな回想シーンを見せられるよりもずっと鮮明に、観客はそれぞれ自分の中に作り出した みぞれちゃんの過去と今と未来を観る。
素晴らしい映像体験でした。
『響け!ユーフォニアム』はテレビで観ましたが、『リズと青い鳥』劇場で観ないと意味がない!!
一人でも多くの方に映画館に足を運んでいただきたいです。
淡々…
TVアニメ「響け!ユーフォニアム」からの派生作品
可愛らしい映像と繊細な少女の気持ち…。
いや〜、まさか…。
響けユーフォニアムの番外編だったとは!
全然気がつかないまま、試写会の会場に行ってしまいました(笑)
そんなスタートでしたが、素直に面白かったし、アニメを知らなくても全然楽しめるお話でした。
映像からは、おとぎ話を読んでいるような、ホワホワした世界がスクリーンいっぱいに描かれていました。
でもさすが京アニ!
繊細な少女達の心情が、私の心を揺さぶります!
番外編の主人公はオーボエ担当みぞれと、フルート担当希美。
高校一年の時から仲の良かった二人ですが、だんだん噛み合わなくなる歯車が二人の心を苦しくさせていきます。
二人で出る最期のコンクールの曲は『リズと青い鳥』。
童話をもとに作られた曲に合わせて、二人の演奏がダイレクトにせめぎあいます。
このままずっと一緒に居られると思っていた二人。
二人でいることが当たり前のように思っていた二人が、進路という壁にぶつかる事で、どんどん微妙な関係となってしまうのです。
仲がいいゆえに、互いが互いを縛っていたことに気がついた二人。
青い鳥の鳥かごの蓋を開け、自由にさせるリズのように、心の綱を自由にすることが必要だと悟り始めます。
そしてある日、みぞれは決心を決めてオーボエを吹くのです!
その堂々たる演奏は、吹奏楽部のみんなを圧倒させていました。
彼女の演奏に、私も思わず鳥肌が立ちました!
音楽は少女の心をも大きく成長させてくれるのですね!
これから二人がどんな進路を歩むのか⁈
気になるところで終わってしまったのが惜しいですが、二人が幸せな形で将来を決めて欲しいなと、願うばかりです!
試写会にて鑑賞
一つ一つの仕草に言葉に引き込まれる
試写会にて鑑賞。
原作アニメがあることを知らず、始まってからそれを知り、ついていけるか心配だったが杞憂でした。
とにかく距離感と間と仕草と言葉と音楽でこちらの想像力を刺激していく、たんたんと。
あまりに淡々としすぎて、仕事で疲れた後の試写会だし、退屈になって寝てしまうのではないかと危惧したけど、微妙な距離感の取り合いに寝るどころではなくなった。
結末に向けて、どう終われば2人にとって幸せなんだろうかと思いながら見てしまった。
それにしても持たざる者の物語には弱い(笑)
あと、自分自身はいいおっさんなのに女子高生2人の物語に涙してるのはいいのだろうかと(笑)
いいんだろう、そういうおっさん、いっぱいいるはず!
山田尚子監督はやっぱすげえなぁ、今後も作品を追いかけたいなぁと思いました。
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