今夜、ロマンス劇場でのレビュー・感想・評価
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今だからこそ見たい「映画愛」に溢れた武内英樹監督らしいロマンス映画
正直に言うと、最初にこの作品を試写で見た時は、期待が大き過ぎたのか、そこまで入り込めずに評価できない自分がいました。
ただ、本作の大きなテーマにあるように「存在を忘れられた作品」ほど悲しいものはないんですよね。
その意味では、記憶にはしっかりと残っていましたし、北村一輝の爆弾シーンをなぜかもう一度見たくなって映画館にも行きました。
そして、3回目を見た感想ですが、やはり映画というのは、いつ見るのかによって評価は変わるもの、ということを改めて痛感しました。
主人公の坂口健太郎の将来を演じた加藤剛さんは役柄そのままに公開から4か月後に亡くなられましたが、加藤剛さんの遺作に相応しい出来の映画でした。
それにしても「白黒」が関係しているのもあって、ここまで色彩が鮮やかに見えた映画も久しぶりでした。色彩面に加えて、役柄の女優らしく自然とクルクル変わる綾瀬はるかのファッションなど、見どころ満載です。
「翔んで埼玉」や「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督作にしては笑いが少ない面はありますが、北村一輝が何気にそれを一手に背負って頑張っていましたし、何より「ロマンス映画」としては出来は良かったですね。
今ほど世の中が「映画愛」を意識する環境はないと思いますが、だからこそ武内監督の映画愛を強く感じましたし、多くの人たちが持つ「映画館への愛」も思い出させてくれるような素敵な作品でした。
この時期だからこそ多くの人に見てほしい作品ですし、平和な時代に戻った時も、また機会があれば見返したい「忘れ去られない作品」です。
(※評価を4.5にしたのは、CMで出てきた「コンフィデンスマンJP プリンセス編」と比べてしまったからです)
綺麗にまとめられた作品
映画の中から飛び出して来た王女様とのロマンスを描いているこの作品。自分が牧野の立場だったら、いくら好きでも秘密にしていたような事情はやっぱり耐えられないよなぁ、、と思ってしまいますが、、そこは映画ならではの展開が待ち受けていました。恋愛に感動や美しさを求めるとそうなるのね、、綺麗にまとめました。従って、後味の悪さもなく、カップルで安心して見れる作品だと思います。
絶妙な間合いの演技
いい映画だった。
冒頭近く、金庫からフィルムを取り出す坂口健太郎の表情だけで、ちょっと泣けた。
それぞれに登場してくる人物たちが、その場に応じた、絶妙な間合いの演技を見せてくれる。
なので、全体としてコメディとシリアスのバランスが見事にとられ、ラストにはジーンとした感動が心に残る。
この映画に関わった人々の映画愛が伝わってきた。
それにしても、加藤剛はやっぱりすごい。
存在感による説得力がハンパなかった。
いい作品だが、あまり響かず
BSで録画視聴。
ストーリーはよくある話で、どこか定番。
2021年に観たキネマの神様も似たようなストーリーだったが、このときはコロナ禍に公開されたこともありメッセージが伝わった。
しかし、今回の作品はコロナ禍前に公開された作品。綾瀬はるかはさすがだなと演技を観て感じたが、あまり伝わらなかった。
もう少し、このようなストーリーはどこかメッセージ性がほしい。
号泣しました
綾瀬はるかを美しく魅せるための映画。
これに尽きます。
美雪を愛する青年(坂口健太郎)の気持ちになり、切なくなって…。
最後には号泣でした。
久々に、映画で号泣させていただきました。
綾瀬はるかに感謝です。
バカげた話なのに胸を打つ
小説や漫画なら ありふれたストーリーだと直ぐに忘れてしまったろう。
けれどそれに映像が加わるだけで、こんなにも感情移入してしまう。
お涙頂戴の薄っぺらいストーリーなのに
不覚にも泣かされてしまった。
映画は本当にすばらしい。
映画ならではの世界
最近の邦画は、コミックや小説を
原作にしたものが多いのですが、
これはかなり前から練っていた
オリジナルストーリーだそうです。
しかもヒロインは綾瀬はるかと
設定してつくったらしい。
戦前の古い映画から、
モノクロのお姫様がとびだしてくる、
という画がおもしろくて
つい惹かれてしまった。
ヒロインの雰囲気はまさに、
「ローマの休日」の王女。
そこからはじまって、
いろいろな映画のエッセンスが
そこらじゅうにちりばめられていて、
それがとても楽しかったです。
モノクロ映画の中で
王女と動物たちがからむところは
「オズの魔法使い」ぽいし、
北村一輝扮する撮影所の大スターは
まさに、「蒲田行進曲」の
銀ちゃんそのものだ。
あと、雷が映画館に落ちるところは
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。
ガラス越しのキスは「また逢う日まで」。
そしてそして、
映画館の主人と主人公牧野の関係は
「ニューシネマパラダイス」の
アルフレートとトトみたいだ。
「ニューシネマパラダイス」の雰囲気は
他にも、お客さんがわーわー騒ぎながら
映画みてるとことか、
映画館がなくなるシーンなんかにも
ふと思わせてくれた。
それは、昭和35年、という
映画全盛からすこしづつ翳りが出てきた
時代が主な舞台だからだろう。
失われつつある古き良きもの。
それは、時代の流れとともに
止められないものなんだけど。
あらためて感じたのは、
綾瀬はるかはいい女優だなーと。
光ってました。坂口健太郎もよかった。
そしてそして、加藤剛。素敵な役者さんでしたね。
軽めだけど、なかなか後味のよい、
楽しい映画でありました。
泣いた。だけど残念・・(´・ω・`)
映画の中のお姫様と純朴な青年の恋。
そんなファンタジックなラブストーリーを描いた作品です。
■まるでオードリー・ヘップバーン
冒頭から・・あれ?なんだかこの感じ・・和製ローマの休日ww
パーティ三昧の毎日が嫌なお姫様がお城を抜け出してしまうという内容だったり
お姫様と身分の違う男性が恋に落ちるってのも、モロだよね。
これはオマージュなのかな?
■伏線回収もある
『お孫さんが助けないのよ』・・とか、
ヒロインが人を物で殴るのには、理由があったんですね。
ただただ乱暴な人かと思ったけど、そゆことねっていう伏線回収はあったけど
ちょっと弱いかな(;^_^A
■切ないけどハッピーエンド。
終盤の切ない展開が泣けますね。
純愛だなぁ~って。
■最後はなんだかタイタニック風w
最後、逝ってしまって、天国㊥の妄想?
この感じさぁ・・タイタニックの最後のシーンに似てない?
これもオマージュかな?
なんだろう・・映画初心者さんには、お勧めだけど、
色んな映画観てきた人からしたら、あの映画と被るとか似てるとかパクりだとか
色々言われそうな作品ですよね(;^ω^)
オマージュが沢山散りばめられた作品なんだろうな。
コメディ映画なら受け入れるんですけど
個人的には露骨なオマージュは好きじゃないです。
雰囲気だけの映画。。
綺麗事の「ウェルメイド」風の雰囲気だけで作られている映画で、良く解らない設定と陳腐なセリフ、ハチャメチャな展開でホントどうしようもない。それにこの作品が押し付けてくる「純愛」の気持ち悪さに虫酸が走る。それをファンタジーという安易なオブラートにくるんで、作品自体がそれに陶酔しているから尚更たちが悪い。
綾瀬はるかの美しさはこの作品の唯一の魅力だが、とにかく土台がグラグラなのでそれすらも上滑りしてる。
作り手の自己満足がなんとも気持ち悪い映画。
綾瀬はるかの作品を全部見たわけではないが、 この作品は綾瀬はるかのベスト作品かもしれない。 劇中の綾瀬はるかの装いがすべて素晴らしい美しさを放つ。
動画配信で映画「今夜、ロマンス劇場で」を見た。
劇場公開日 2018年2月10日
2018年製作/108分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
綾瀬はるか33才
坂口健太郎
本田翼
北村一輝
映画助監督の坂口健太郎は映画の中の王女、綾瀬はるかに恋をしている。
ある日、綾瀬はるかが映画の中から現実の世界に現れた。
綾瀬はるかの作品を全部見たわけではないが、
この作品は綾瀬はるかのベスト作品かもしれない。
劇中の綾瀬はるかの装いがすべて素晴らしい美しさを放つ。
泣けるシーンがいくつかある。
オレの場合タオルが必要だった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
本田翼ではなく、綾瀬はるか
たまにあるスクリーン、画面から
その中にいるキャラクターが
現実世界に出てくるお話。
美雪の秘密もファンタジー映画の
利点を活かした内容でうまいこと
考えたなと思う。
あんまり短髪のイメージがないので
短髪の坂口健太郎が新鮮味ある。
構成的にはきみに読む物語系。
美雪と塔子役が逆でもよかったが
最終的にこれになったということは
そういうことなのだろう。
彩りのある映画
予告編で物語のほとんどの内容が分かっちゃうやんって思って見た映画。
ストーリー展開はよめるけど、
役者さんの個性が素晴らしく、
本当にその時代を生きた実在の人物たちのように感じる。
綾瀬はるかのオードリーヘップバーンを彷彿とさせる美しさ。
坂口健太郎の役柄そのままの映画大好きな青年の目の輝き。
お二人の素晴らしい演技と感じない演技。
映像美が素晴らしく見ているだけでも楽しめる・・そんな作品かと思っていたら、
ラストに押し寄せる怒涛の展開。
涙がとまるヒマがありませんでした。
作り手の映画愛が伝わる丁寧な作りで、見ているうちに心が浄化されていくような不思議な感覚。
儚い、けど尊い。
この作品の脚本のラストと、
年老いた健司が書いた脚本のラスト、
このコラボレーションが秀逸。
おとぎ話を読んだあとのような満足感がある映画でした。
本当に「切ない恋」ですね
【鑑賞のきっかけ】
劇場公開時には、あまり興味が湧かず、未鑑賞のままでしたが、現在でも評判が高く、動画配信で視聴可能となっていたので、鑑賞することに。
【率直な感想】
<実は、キーパーソンな、加藤剛さん>
物語が始まると、予告編のように、綾瀬はるかさんが演じる、姫・美雪の登場する映画作品が流れ、やがて、それを観ている、坂口健太郎さんが演じる、牧野助監督の姿が映されます。
でも、それから場面は転換し、現代(映画公開の2018年)に移ります。
入院中の老人が、病室を訪れた看護師に、かつて助監督をしていと述べた後、自分の書いた脚本の原稿用紙を見ながら、「これはある青年の身に起きた不思議な物語だ」と回想が始まります。
つまり、本作品の現在は、2018年であることが分かります。
また、この老人が「牧野さん」と呼ばれているので、牧野助監督の現在の姿だと分かります。
この老人を演じているのが加藤剛さんなのですが、本作品の公開のすぐ後に亡くなっているのですよね。享年80歳とのこと。
さて、回想して戻っていった過去は、「昭和35年」。
西暦ならば、1960年なのですが、2018-1960=58年前の話だということになります。
若き牧野助監督の年齢ははっきり分からないけれど、20代前半と考え、仮に22歳だとすると、22+58=80歳で、加藤剛さんの年齢とぴったり合いますね。
そんなことから、現実の加藤剛さんと重ね合わせてしまいました。
この加藤剛さんの登場シーンは、とても少ないけれど、非常に重要な役どころであることが、物語後半に分かる仕組みになっています。
<物語の後半、驚くべき展開に>
私が本作品を劇場公開時に興味を持てなかったのは、ウディ・アレン監督作品に、「カイロの紫のバラ」(1985年)という作品があって、映画を観ている女性の前に、映画の中の男性が映画を飛び出してきて現われ、恋に落ちるというもの。
これを男女入れ替えただけじゃない、と私は、当時感じてしまったためです。
実際、今回の鑑賞でも、物語の中盤までは、正直なところ、今ひとつの感じを持っていました。
ところが、予告編でも流れるとおり、姫・美雪は、人のぬくもりに触れる、つまり他人と体が触れあうと、この世界から消えてしまう、と牧野助監督に告白。
ここから物語は、恋の行く末がどうなるのか、大変興味深いものに変貌していきます。
そして、ラスト近くになり、驚くべき展開に。
これが、「驚き」だけではなく、「感動」をもたらすもの。
この映画の評判の高さが分かりました。
これは、確かに、「切ない恋」の物語ですね。
看板に偽りなし。
<日本映画への熱き思い>
この作品は、ラブ・ストーリーであると同時に、日本映画への愛が溢れたものとなっています。
物語のほとんどのシーンは、昭和35年、つまり、1960年代なのですが、日本映画はその後、劇場に人が集まらなくなって衰退していきます。
それはテレビの登場でした。
劇場に行かなくたって、沢山のドラマが観られるし、と。
本作品でも、北村一輝さん演ずる売れっ子のスター俳優が、当時普及し始めたテレビにゲスト出演しているシーンが一瞬流れ、この日本映画衰退の予兆を感じさせます。
70年代になると、ハリウッドは、巨額を投じた超大作を次々と発表し、日本でも大ヒット。しかし、アニメを除く、実写版の日本映画はなかなかヒット作が生まれない状況が続きます。
それが、21世紀になるくらいから、日本映画も次第に業績を回復させます。
理由のひとつは何と、あのテレビ局が映画制作に進出してきたこと。
最初は、自局で流しているドラマを「劇場版」と称してヒット作を生み出していましたが、次第に、オリジナル作品も手掛け…実際、本作品の制作にもテレビ局が関与していますね。
業績回復の2つ目の理由は、「シネコン」の普及です。
ひとつの劇場の中に、10スクリーンくらい持っていることで、劇場で上映できる作品数が何倍にも増えました。
因みに、本作品の舞台、ロマンス劇場は、かつての「名画座」です。
新作映画の公開はロードショーと言いますが、これが終了した作品を2本立てで、低料金で上映する、というスタイルの映画館が全国各地にありました。
ロマンス劇場も、2本立てで上映しており、そのうちの一本は実在の映画「女王蜂の怒り」ですが、1958年の作品。
1960年の当時としては、ロードショーを終えて、1~2年が経過し、「名画座」で好評を博していたものと思われます。
このように、日本映画の盛衰が分かるのも、この作品の面白いところです。
【全体評価】
やはり、ラスト近くなって、「切ない恋」の内容が明らかになる部分が秀逸。
作品の中で、観客から忘れ去られていく映画たちも星の数ほど存在する、というナレーションがありましたが、この作品は忘れ去られないと、感じています。
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