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アイスランドののどかな漁村での、少年2人の物語。
ふたりの年齢がちょっとわかりづらいが、日本で言う中学2~3年生くらい?もう少し幼いか。
確かにこの時期、友情と性愛の間が曖昧になって、端から見るとちょっと親しすぎるように見えることもあるように思います。(自分もあった)
また、友情のつもりがいつしか恋愛に近い感情を抱いていたこともある話だと思います。(あった)
同性愛が周囲から肯定される見込みのない世界で、異性愛者の親友に恋愛感情を抱いてしまったら、自分はどうなっちゃうだろうか。
クリスティアンは、どこまで自覚的だったか、自分の感情を分析できていたか、はっきりとは描写がありませんでしたが、それでも、「普通になろう。そうすれば元通りになれる」なんて言われたら、そら、ショックよ・・・。
しかも「ゲイでも気にしないで」という、騒動のある種、火種となった人からの言葉。
本人に悪気がないタイプのアウティングともとれる行為。
自分のなかでもうまく消化しきれていない状態で、先に他人からジャッジされてしまう。
別に姉が悪人だと言いたいわけではないけど、タイミングとしては最悪でしたね。
お話として、ふたりはラスト、話をして仲直り・・・とも言えない展開に。
クリスティアンの腕に手を添えるソール、その手にさらに自分の手を重ねるクリスティアン、歩み寄るふたりのように見えます。でも、最後、去り際の額へのキス。
やっぱり恋愛的な意味では、成就しない、そういう関係性に落ち着いていくということでしょうか。
話変わって、(やや)閉鎖的で、異性愛に基づく価値観が根強い田舎での同性愛問題を描いた映画を3つ、最近立て続けに見ているので、ちょっとしんどくなります。
現状、価値観の合わない場所において自衛手段を取るとしたら、自ら距離を取るしかないですよね。
この物語は監督自身の体験に基づくということですが、後日談があればどんな形であれ、聴いてみたいものです。