地獄愛

劇場公開日:

地獄愛

解説

「変態村」のファブリス・ドゥ・ベルツ監督が、1940年代に約20人の女性を殺害し死刑となった実在の殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスの事件をモデルに撮りあげた狂気のラブストーリー。シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトで知り合った男ミシェルに心を奪われる。実はミシェルは寂しい女性の性的欲求を満たして生計を立てる結婚詐欺師だったが、ミシェルの正体を知ってもグロリアの愛は冷めることなく、2人は兄妹と偽って一緒に結婚詐欺を繰り返すように。2人の歪んだ愛はやがて狂気へと変ぼうし、寂しい女性たちを次々と殺害していく。「海を飛ぶ夢」のロラ・ドゥエニャスがグロリア役、「変態村」にも出演したローラン・リュカがミシェル役をそれぞれ演じた。オースティン・ファンタスティック映画祭2014で最優秀作品賞など4部門、ベルギーのアカデミー賞といわれるマグリット映画賞2016で最優秀撮影賞ほか3部門を受賞。

2014年製作/93分/R15+/ベルギー・フランス合作
原題または英題:Alleluia
配給:アンプラグド
劇場公開日:2017年7月1日

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(C)Panique / Radar Films / Savage Film / Versus Production / One Eyed - 2014

映画レビュー

4.0今作も変わらずものすごい

2024年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

採点3.9 マッチングサイトで知り合った二人の、愛と狂気のロードムービー。 ベルギーの闇その二作目、前作に続いてローラン・リュカが出演しています。 シングルマザーのグロリアがあまりにもチョロくて、恋は盲目とは正にこの事。恋に落ちてからのグロリアの笑顔が素敵なんです。 膨らむ気持ちが抑えられず、子供を預け二人結婚詐欺の旅へ。 ところが自分を見てくれないとすぐに嫉妬に狂い、駄々をこね叫ぶ。 ロラ・ドゥエニャスの演技がまた強烈なんですよ。 激しい嫉妬から一人目を手にかけた時から、もう二人共狂ってしまったのでしょう。 突然のミュージカルの後、全力で始める解体。 全裸キャンプファイアーも強烈だった。 色情狂のミシェルは、止めれば良いのにどうしても手を出さずにいられない。しかも容姿とか年齢とかあまり気にしていないのが、正に色情狂然としています。 グロリアも止めればいいのに覗かずにいられない。そして極度の嫉妬からまた相手を殺してしまう。 ずっとこの繰り返しの旅。そしてその旅の終わり方も潔いくらいでした。 エンドロールがまた不穏で良いんですよね。 「実話に基づく」で、最後にまた驚かされました。 グロリア、「地獄愛」に続きその名前が出てきたのは偶然では無いのでしょうね。 今作も変わらずものすごい作品でした。

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白波

3.5変態さんいらっしゃ~い/なぜミシェルは逃げなかったのかを考える映画でしょうか

2023年2月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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カールⅢ世

4.0前情報をほぼ入れずに見終わって 実話だったと知った時の驚きったらなかった

2023年1月28日
iPhoneアプリから投稿

前情報をほぼ入れずに見終わって 実話だったと知った時の驚きったらなかった

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jung

5.0純粋な愛の終焉

2022年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

この監督のテーマてある「愛」の掘り下げ方には圧倒される。表面上はキワモノでしかない場所から、聖なる感性の美しさの領域へと鑑賞者を誘い込む。その手腕は全く圧巻である。こういった素晴らしい作品と作家に出会える喜びのために映画館へと足を運ぶのかもしれない。ある特定の人たちを惹きつける日本のタイトル、あえて悪意あるタイトルだと私は言おう。原題のタイトルは「ハレルヤ」。全く嘘のない完璧なタイトルであるにもかかわらず、それを歪める悪どさ。先ず鑑賞者は玉石混交の中から価値あるものを取り出す作業を強いられる。タイトルが作品の一番最初の入り口であるだけに、その作品に敬意をもって慎重に日本語のタイトルを付けてもらいたい。とは言っても、内容の激しさから判断すると陳腐なタイトルを付けるのも分からなくもないが、作品の品格を保つようにはして欲しい。見る人を選ぶ作品だが、内容はやはりとびっきりの美しさだ。狂気と怠惰と性愛と堕落の先にある純粋な愛の姿。そして、愛の魔法が解けてしまった後の現実的な悲しさ。ひとを殺すことさえ厭わない愛の深さは、信じるものへの愛と表裏一体なのである。求道、やり過ぎであり、行き過ぎであり、歪んだ求道精神の途中はこれほどまでて崇高な感情に包まれる。それを上手く描いた稀有な作品である。キワモノのフィルターの向こうにある美しさを鑑賞して、この作品の持つ際立った美しさを堪能出来た今日は全くの好日であった。

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shanti