勝手にふるえてろのレビュー・感想・評価
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ちょうどいい塩梅のラブコメ(掘り出し物!)
「芥川賞作家が原作」ということで、勝手にシリアスな恋愛ものと思い込んでの鑑賞。
なので始まってしばらくは松岡茉優さんのやらかす奇妙な言動(ある意味シリアスなんだが…)に戸惑いつつも、気付けばニヤニヤ笑っていた。
コメディって俳優陣が下手だと観ていて疲れてきたり白けたりするけど、主役2人が絶妙に上手いし演出がいい。
やりすぎ一歩手前ですっと引き、真面目なやりとりが続くと良いタイミングでハズシが入る。
それにしても、松岡茉優さんを脳内妄想炸裂のブスキャラにキャスティングしたのは大正解ですね。
見た目は可愛いのに残念すぎるところが本当に魅力的。
渡辺大知の良さも、今回個人的に大発見。
バカ丸出しっぽい笑顔を見ているうちに、「彼女とやっていけるのはあんたくらいしかいないよ、頑張れ!」と応援したくなる。
何の気なしに観て「大当たり」と思えた映画は久々でした。
都会に上京した人は
男も女も同じ孤独感あるんだね。薄っぺらいストーリーが多い日本の映画の中で久々に面白かったよ。
松岡茉優っていいね〜。万引き家族でもいい役回りだったし。主演もどっちもいけるね〜、社長!
ないわ〜。全然ないわ。
女って男が「〜だわ」って話すと思ってるけどそんなうざい奴あんまいない。
だから二が話すたびに違和感あったしきもかった。
話もなんかあんま面白くないなぁ。
インストールは最高だったから見たけどこれは駄作。
タイトルの勝手にふるえてろってのもラストシーンで言うけど何故あのタイミングでふるえてろってどういう事よ。
中途半端な作品だった。
あと渡辺大和ってやつが顔も声もきもいキャストミス
勝手にふるえた
二面性を持つが為に「1と2」の間で揺れ動いているのかと思いきや、実は孤独な一面しか持ち合わせていない寂しい女性と知った時の転結には唸ったな。
地方出身で地味に暮らしている人の方が実は多くて、ソーシャルメディアでリア充がクローズアップされるから見えないだけ。
多くの人が共感するのでは無いだろうか。
松岡茉優でなければここまでの作品にはなってなかったかも
主人公が「スーパーこじらせ女子」という設定を除けば、かなり王道の恋愛ストーリー。
そんな本作をここまで引き上げているのは間違いなく松岡茉優の演技力と存在感で、他の女優だったら多分、ここまでの作品にはなっていなかったと思う。
解らないから愛おしい
劇中、「ヨシカは解らない事だらけなんだよ、だから好き。」というニのセリフがあります。
私自身もこの作品に同じ感情が湧きました。
初見では解らない事が沢山あって、理解したさに何度も観てしまう。
その位、魅力的な作品なんです。
ニは何故、ヨシカが胸に赤い付箋を付けていた事で気になりだしたのか。
処女の事をチェリーと言うのは、処女膜が破れた時の血をさくらんぼの赤色に例えての事。
つまり、赤色は処女色。
ゆえに、この劇中の赤い付箋は処女性の象徴。そしてニにとっては処女性=ピュア。
出会いの時点では、ニはヨシカの事を何も知らない訳だけど、本能的にヨシカの処女性=ピュアさを感じとって好きになったんだと思います。
ラスト前、ニを押し倒した拍子にヨシカの胸からニの胸に付箋が落ちました。
処女性の象徴だった赤の付箋が、ニの濡れたシャツによって深い赤に染まっていく。
そのさまに、どんどん侵食してくるニと、それを受け入れるヨシカとの関係性が重なります。
そして、それと同時に響く卓球音。卓球は相手の動きを見ないとラリーを続けられません。
相手が取れないタイミングや場所に球を打てば、その瞬間に終わってしまう。
そこに人とのコミュニケーションを重ねて、自己完結型だったヨシカが初めて他者と向き合った事を表現してるんですね。
物語中盤での二人の卓球シーンでは、ニの強すぎる球(愛情)をヨシカは打ち返せずラリーが終わってしまう。
でも、ラストシーンの卓球音は打ち合いがずっと続いていました。
その音が二人がやっと意思疎通を取れた事、これからずっと関係が続いていく未来を予感させてくれます。
そして、ラストのヨシカのセリフ「勝手に震えてろ」
現実の人間と向き合うのが怖くて、妄想の世界で震えていた自分自身への言葉ですね。
同時に脳内彼氏のイチと決別して、現実の霧島(ニ)に飛び込む自分への叱咤激励かな。
脚本、カメラワーク、俳優さんの演技、すべて完璧な傑作だと思います。
ふるえるほどの恋をしろ
OLのヨシカ。
10月生まれ。
B型。
雪国育ち。
一人っ子。
…と、ここまでは一見普通の女子なのだが、
趣味は、絶滅動物。そんなサイトを見てると、気付けば朝に。
特に、アンモナイトが好き。アンモナイトの化石を買っては、毎日愛でる。
会社や周りの人に勝手にヘンなあだ名を付けて楽しんでいる。
筋金入りの変わり者、ひねくれ者。
さらに、
本人から言わせれば、友達ナシ。
恋愛経験もナシ。つまり、彼氏ナシ。
所謂“こじらせ女子”。
でも、恋はした事がある。と言うか、今もしている。
中学時代のイケメン同級生“イチ”に、10年間ずっと片想いしたまま。…あ、勿論、中学時代親しかった訳ではなく(ほとんど他人)、卒業以来会った事も無い。
いちいち言わなくてもいい事だけど、イタイ女。
それでも、自分の恋路に満足している。と言うか、妄想恋の自己陶酔。
そんなある日、平凡な会社の同僚“ニ”に告白される。
まさか突然やって来た、リアル恋!
でも、私には王子様が…。
一人妄想の恋か、現実の恋か。
ヨシカの恋は当然、一筋縄ではいかない…!
綿矢りさの同名小説を、女流監督・大九明子が映画化。
女性だから描けるイタイタしい乙女心。
問題は、主演。
こんなにクセがありまくりの異色ヒロインを演じられる若手が居るのだろうか…?
居た。
松岡茉優という天才が。
とにかく本作、松岡茉優という才能にふるえる。
笑って、怒って、泣いて、喜怒哀楽発散。ミュージカル風に歌まで披露。
喋って喋って、毒づいて、テンションもハイ&ロー。
キュートに、時々イラッと。
コメディエンヌとして魅せると同時に、若手でも屈指の実力派としての高い演技力に圧倒される。
松岡茉優をしっかりと認識したのは、『ちはやふる 下の句』でのクィーンだった。
それ以来気になって、他に何出てるか調べてみたら、『桐島、部活やめるってよ』でのムカつく女子だった事に驚いた。非常に印象残ってて、あれが松岡だったのか…!
今年は再びクィーンに扮し、『万引き家族』では新たな一面を見せ、そこへ来てこの(見る順番は逆になってしまったが)堂々初主演。
松岡茉優、万歳!
さてさて、
告白されて、さすがに舞い上がるヨシカ。
一応ニとデートしたりしてみるが、冷たくあしらう。
タイプじゃないし、ウザい。とあるシーンで、あそこまで追いてきて、ストーカーかよ!
そんなある日のある事をきっかけに、イチともう一度会う為、かなり強引なやり方で同窓会を計画する…。
同窓会にイチが現れた。
案の定、不器用。やはり声をかけられない。
その後、ある二人だけの場が出来、思い切って話し掛けてみると…
趣味が合った。あの趣味が。
中学の時に話し掛けていれば、ひょっとして…。
が、まさかの落とし穴。
ヨシカにとってイチは“視野見”(←相手を直視せず、視野の端で見るヨシカの造語)の存在。
イチにとってもヨシカは“君”だった。
だけど、ウザいアイツは違う。
常に私を直視してくれるし、私も直視出来る。
そして、名前で呼んでくれる。
ウザかったのに、いつしかニの存在に救われる。
やっぱり、妄想の恋より、現実の恋。
幸せ~♪
普通だったら、これでハッピーエンド。
でも、この異色ヒロインの恋路がすんなり行く訳がない。
勘違い、被害者意識甚だしい暴走、迷走。
もはや狂気にすら取り憑かれて、イタイ女を通り越して、とことんダメ女。
でも、孤独や侘しさ、寂しさを感じたね。
恋をする、誰かを好きになるって、時にこんなに辛いのか。
突然ミュージカル風になってヨシカが歌い出す際の幾つかの歌詞に、ちょっと自分を重ねてしまったりした。
(このシーンの時、ヨシカが今まで気軽に話し掛けていた町の人々が、実は…まあ、予想はしていたけど)
ヨシカはこのまま絶滅動物に…?
絶滅動物が絶滅したのは、自然の不条理もあるが、守ってくれる存在が居なかったからでもある。
でも、ヨシカは違う。
こんなダメダメな私でも、心配してくれる人が居る。向き合ってくれる人が居る。
そんな相手に、洗いざらい本音やキツイ事までぶちまけてしまう。
それって言い換えてみれば、そこまで心の内をさらけ出せるっていう事。
本心から向き合って、好きになって、相手もふるえている。
私もふるえている。
ふるえるほどの恋をしろ。
演技うまい
やはり松岡茉優さんは若いのに演技力があります。
本当にこうゆう人なのかと思うくらいのリアルな演技でした。
凄まじいくらいに情緒不安定で、妄想グセのすごい女性役を演じてましたがこごでハマる人はなかなかいないと思います。
1には名前を覚えてもらえてませんでしたが
結局最後は2と結ばれましたね。
勝手に震えてろって言った後キスした時は、鳥肌が立ちました。
完全に2はいいやつですね。真剣に向き合ってて。
そして1はイジメられていたんですね。
人気者と思ってたのに。
自分とはかけ離れた性格の主人公でしたが、こんな性格の人も世の中にはいるわけで、色々あるんだなぁの気持ちで見てた映画でした。
最後のエンドロールで片桐はいりさんがキスシーンをしていたのは、度肝抜かれました。
黒猫チェルシーの方の演技もなんだかんだ好きでした。
面白い面白くないと言う感情はあまり生まれる作品ではなかったですが、まだ見てよかったと思いました。
最高のカップル
映画史上こんな可愛らしい応援したくなるカップルいましたか?と言うくらい魅力的なカップルだった。
謂わゆる腐女子みたいな人の脳内を見てるようで、仕事柄面白いけど、怖ぁと思って観てました。
好きなモノにはとことんのめり込み、勝手に好きが増幅し突っ走り、そのモノがあればどんな世界でも輝いたキラキラした世界になるし、一回裏切られると世界は崩壊し、他者に対し攻撃的になる様は映画的には面白いけど、リアルだとこわすぎかた。
二役の渡辺大知くんもとてもナチュラルで良かった。あの存在がこの映画を救ってるようにも思えた。自然体で誰も傷つけない純真。とても愛らしかった。
そして松岡茉優!変わった人と言うイメージだったけど、素晴らしかった。ヨシカそのものだった。
不器用で狂ってて純粋で、感情を爆発させたり、1人悩んだり、泣いたり笑ったり、ヨシカ自体は苦手な人種だけど、可愛かったもの。
松岡茉優の魅力をたっぷり見せつけられました。
とても良い映画でした。
松岡茉優、そして監督の他の作品も注目していきたいと思います。
この彼女の世界はヤバい
普通に働く一般経理女性の物語。
彼女の性格はアンモナイト好きとかタモリ倶楽部好きとかマニアック一直線。かなり変わっているし、男性目線で言えばかなり笑わせてくれる。
この性格である程度周りの人間と付き合えるんだ〜と感心していただけに、後の展開は衝撃的。
CMなどでも魅せる松岡茉優の天真爛漫な演技で無ければ、この作品は魅力的に映らなかっただろうなと思うし、脚本はかなり優秀。
残念なのはラスト1/4が精神的に病みすぎて怖い。
惜しいなぁ〜。今までの3/4の展開が勿体ない様な。
「勝手にふるえてろ」よりは「勝手にもがいてろ」感がある本作。機会があればどうぞ。
綿矢さんと大九さんの慈しみがいっぱい
経理部長のあだ名がフレディ、とオカリナの表札にはゲラゲラと笑えた
We wil rock you のリズムをデスクで刻むとか、兎に角笑ってしまった
妄想をメタファーとして表現してて、あの歌唱シーンは圧巻だったし
ラストに使われていた卓球のラリー音、演出が上手くて大九監督に感嘆してしまった
拗らせ女子の切り口で人間の不完全さを滑稽さを添えて描いているんだけど、そこには嫌悪感は皆無で、綿矢さんと大九さんの慈しみの情がいっぱい詰まってる作品だった
ヨシカも二もくるみも、みんな自己中なんだよね、みんな自分大好きな似た者同士
ヨシカのそれは 自己愛キツめで 自己領域をひたすら護ってきたけど 現実を知り打ち砕かれると
程度の差はあれど 誰しも通る道、それを笑いに包んで提示してくれた佳作だった
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