孤狼の血のレビュー・感想・評価
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素晴らしいのだが、何か物足りない。
映画『孤狼の血』を見てきました。血と暴力の匂いがフンプンとする作品です。出演者もみな力量のある人ばかり。素晴らしいのだが、原作を読んでいる身から言うと、何か物足りない。
いくつか原作と違うところがあります。
大上がやられて以降の最期のエピソードは、観客のカタルシスを目的としたものでしょうが、悪くない。日岡の捜査日記に、大上が添削していたことが最後のほうで判りますが、これも良い。また、日岡の恋物語らしきものも描かれていますが、これさえも大上の仕組んだことだったという展開はなかなか良い。
ただ、真木よう子が演じる里佳子は、原作では、クラブのママなどなどではなく小料理屋をやっていたのですが、その方がしっくりきますね。この点だけは感心しない。
面白かった!
原作を読んでたので気になって見たら、いゃ〜面白かった!配役が見事で、アウトローデカ役の役所広司は味出まくりで最高。それに、真木よう子は正にはまり役。この人この手の役はめちゃいい。MOZU以来久しぶりに真木よう子を堪能。思わぬ拾い物した感じで楽しめた映画でした。
描写がエグ過ぎる秀作
本作は R15+ 指定なので,15 歳未満は親と同伴でも見ることができない。映像描写のエグさはあの「アウトレイジ」シリーズさえも上回るのではと思われるほどで,よくぞここまで思い切って描いてくれたものだと感心した。原作は,岩手県出身で山形市在住の女性作家・柚月裕子の3年前の小説で,未読であるが,第 69 回日本推理作家協会賞の長編および連作短編部門賞を受賞し,直木賞や吉川英治文学賞などの候補にもなっている。まず,女性作家がこれを書いたということには本当に驚かされる。
昭和 63 年という設定が映像からよく感じられた。30 年前の車や自販機など,よく探してくるものだと感心した。脚本は良くできていて,役所広司演ずる大上刑事の俗物っぷりに目を奪われていると,その真の姿に愕然とさせられる。そして,その教えに覚醒したかのような松坂桃李の成長っぷりも見事であった。それにしても,よくもあれだけエグ過ぎるリンチの方法を描けたものだと思う。暴対法で表面的には大人しくなったかのように見える現在の暴力団も,陰では未だにこんなことをやっているのかと思うとゾッとさせられた。
役者は役所広司の演技に負うところが大きかったが,松坂桃李もかなり頑張っていたように思う。この二人が共演した作品といえば,「日本のいちばん長い日」のリメイクがあったが,あの時の松坂桃李は違和感ありまくりだったので,だいぶ良くなったと思った。一方,竹野内豊はかなり役に恵まれていなかったように思った。「シン・ゴジラ」で総理大臣補佐官を好演した彼には,是非もうちょっとクレバーな役をやらせて欲しいと思う。江口洋介が「一之瀬守孝」という役名で,大上刑事から親しげに下の名前で呼ばれているのだが,どうしても「森高」と呼ばれているような気になって可笑しくて仕方がなかった。:-D
音楽は,ベテランの安川午朗で,よく雰囲気を作り上げるのに貢献していたと思う。演出のえげつなさは最近見た中でもトップクラスではないかと思う。到底子供に見せられるものではないし,カップルで見に行くようなことも全くお勧めできない。暴力描写にはやたら厳しいアメリカでは,おそらくこのままでの上映はできないのではないかと思う。現代日本の究極の大人向けの作品ということになるだろう。
(映像5+脚本5+役者4+音楽4+演出5)×4= 92 点
エネルギー溢れる映画
ここまでの過激な暴力描写と俳優達の体を張った演技は絶対今の日本映画とテレビでは中々みれない!最近の日本映画やテレビがつまらないと感じてる人は絶対観るべき作品です‼︎
埋められど喰われず
小道具のひとつひとつが懐かしく、舞台構成に貢献していた。
また、強烈なエログロは無いが、本気の東映ノワール映画を撮らんと奮闘しているのが伝わり、久方振りに画面から血の匂いがした。
役所広司と石橋蓮司は言わずもがな、滝藤賢一は少しオーバーに感じたが、それが良いと思わせる顔だった。
松坂桃李は、序盤からずっとキャラクター以上に空回りしているように感じたが、ラストカットで漸く一皮剥けた良い表情が出来ていた。
田口トモロヲは少しクドく、阿部純子は墓前に相応しくない軽さに思えた。
また、白石監督らしさとも言える構成の不自然な丁寧さが本作でも何箇所か見受けられ、物語の熱が少し下がってしまった。
しかし、世界的に綺麗事という豚の糞で塗り固められている映画業界や現代社会に、引き金を引く意義は大いにある。
論理展開やディテールが雑すぎ
脚本は原作よりはまし。ただ2時間では表現が難しかったんだと思うが、人間関係や動機の描き方が矛盾だらけで雑すぎだよ。
最もひどいのは、リコのママと志乃の晶子を一人にしてしまったこと。大上がノートを預けた信頼できる女性が若いヤクザの情婦になってしまった。大上の秘密を知る準主役の設定なのに、若いチンピラの情婦はないでしょ。大上とまったく心がつながっていないことになってしまう。守孝や瀧井との関係も金をもらうだけの浅い関係にしか見えず、「生かさぬように殺さぬように」というセリフがお笑いにしか聞こえなかった。
銃撃も離れた場所でバンバンやるだけ。耳元でチャカを突きつけて「あの世にいけや」と弾くようなアップのシーンもなく、ヤクザの抗争の迫力もない。若いヤクザは何でもすぐにゲロするし、そもそも大上がなんであんなに簡単に殺されるのか分からん。前後のやりとりやいきさつも極めて不明瞭で矛盾だらけ。
コロシの証拠がたんまり残る遺体を警察が事件化しないわけがないやろ。やっちゃれ会で県警本部長がヤクザの組長と同席するわけもないやろ。しかも監察官まで。細部のありえない設定が気になって残念感だけがずっと残ってしまった。上映時間が足りないのだろうが、もう少し丁寧に人間関係やら、この業界の内情を描く工夫をするべきだった。画像的には灰ケ峰の守孝と大上のシーンは売れるかもしれないが、ストーリーの上ではまったく必要がない。松坂の相手役の女もまったく意味がない。こんなとこを省いて細部をきっちり描くべきだった。現場感のない、表現力の低い駄作としか言えない。警察やヤクザの関係者が見たらテレビドラマじゃのうと笑うだけよ、こんなの
監督の力
白石作品はどれもハズレが無く、今回も期待が高かったのですが、期待以上の作品でした。
出てくる人物がそれぞれカッコ良く、刹那に生きる人間を描ききった傑作です。
ヤクザ映画を始めて映画館で観る20歳の息子と一緒に観ましたが、面白すぎてカルチャーショックだったようです。
また二回目を二人で観に行きます。
駒
原作未読
昭和63年の広島を舞台にしたヤクザの覇権争いと、ヤクザ紛いのマル暴&その相方となったキャリアの新人刑事の話。
ただの抗争だったりヤクザ刑事の話だけではなく、警察内部のゴタゴタ感や疑心暗鬼な展開、新人君の変化や成長が面白い。
そこそこの役どころのヤクザの警察やカタギの人間に対する振る舞いにちょっと小者感があったり、新人キャリアの鈍感さはちょっと引っかかったけど、わかりやすく迫力があり熱いストーリーで最初から最後まで楽しめた。
邦画界の頂点にいる俳優の本気は凄い!
初日レイトは、昭和世代な同世代の人でほぼ満席・・・スクリーンの選択誤ったな東宝シネマズ西宮/
暴力・任侠映画は、素人や新米俳優でもそれなりに演じられるとよく言われますが・・・・
現在日本の俳優さんの中で、この円熟味ある凄みと旨みを出せるのは、役所さんと渡辺謙さんだけ!!
中井貴一・佐藤浩市さんではなく、この役を役所さんにオファー出したのが、凄いし受けたのも凄い。
仁義なきシリーズや初めの頃の極妻全盛な時代に育った者には、単純明確な鳥肌モノの作品でした。
アウトレイジは、主演・監督がコメディアンだし、他の強面俳優陣もどこか楽しんで演じてるような気がしましたが・・・・
この作品は、そんな部分は一切なく全員背筋がピン!と演じる本気!!!
(ピエールさんは、両作品でおいしい役やってましたが^^;)
主演俳優の格が違いすぎるので、比べるのは失礼ですね。
このところ主演作が続く、松坂桃李もこの世代でトップに躍り出たって感じの成長を感じた。続編があるなら同じ役で是非続投して欲しい。
東映の本気って事で、冒頭からR15な凄まじいバイオレンスでしたが・・・
欲を言えば真木よう子やMEGUMIが、R18なフルヌードで、度肝を抜くようなXXシーンの演出と、耳に残るインパクトあるBGMがあれば文句なしの☆5つでした。
待ちに待った
映画館予告で
「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」という
しびれる役所広司を見て以来、待ち遠しくて仕方ありませんでした
渇き 以来のアウトローですかね?
大当たりでしたね
馬鹿みたいですが2日連続で観てしまいました
似た設定のバディものとしてはトレーニングデイを
思い浮かべました。デンゼル・ワシントンは強烈な悪でしたが
さて、本作はどうでしょう・・・?
自分的には あ、あぁ・・・(いい意味で)という感じですね
あと阿部純子かわいかったですね
なんというか華がすごいです
おもしろい
ミセス世代で、初任侠もの(笑)しかも一人で!映画館Ww
すごくはまってしまいました
ぐろい映像は目を背けてしまいましたが、泣ける場面も!
少し泣いてしまいました。
役所広司さんさすがです!
ピエール瀧さんもはまり役
個人的には桃李くん♥やっぱりかっこいいわ~
さわやかなイメーージが大きかったのですが、
こんな一面もはまり役でした。
どうなんだろう・・・って人は、一度見ることをおすすめします
どことなく滑稽で爽やか
予告から、東映お得意の『仁義なき戦い』シリーズ路線や、北野武の『アウトレイジ』シリーズなどのヤクザ映画かなと思って観に行きましたが、そうではなく警察映画でした。
目をそむけたくなるほど残忍な拷問・暴力シーンがある一方、どこか滑稽でもあり、またさわやかな印象もある、不思議な作品でした。
主人公は役所広司演じるヤクザと癒着した悪徳刑事なのですが、自分には松坂桃李の演じる若手刑事の成長物語に見えました。
ちょっと残酷、でも、面白い
役所広司はもちろん、松坂桃李が良かった。松坂桃李は、見るたびに良くなるね。真木よう子や江口洋介もそれぞれ、シックリ役にはまってた。
松坂桃李は、彼女がその名を知らない鳥たちでも、ダメな男ブリが良かったから、白石監督に新しい魅力を引き出されてる感じですね。
テレビで本人もきれいじゃない役をあえて挑戦してるって言ってたし。意欲的だね。
かなり面白い
ヤクザ映画かな〜と思って来てみたら警察側視点で、かなり面白い。しかし、役所広司があまりにもリアリティたっぷりで、松坂桃李もホント上手いので、ヤクザの皆様が霞んで見えた。チンピラ風味の竹野内豊は面白かったけど。
きっと東映ヤクザ映画へのオマージュたっぷりなんだろうけど、あまりちゃんと観ていないので…
白石和彌監督は『日本で一番悪い奴ら』でもヤクザと警察の相関図を描いていたけど、整理が上手くて分かりやすい。
出演者の皆様は、広島弁をかなり練習されていたのだろう、違和感があるところは少なかった。なんといっても役所さんはスゴい。個人的に笑ったのは「はぶてるなや〜」という台詞。
あとまったく知らなかったのだけど、阿部純子ちゃんという子がスゴい可愛くて良かった。
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