「ヤクザ映画→現代劇」孤狼の血 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤクザ映画→現代劇
................................................................................................
昭和時代、暴力団相手の刑事・役所の下にインテリの松坂がつく。
役所は無茶苦茶で平気で暴力や脅迫や拷問を行っていた。
役所には14年前のヤクザ殺しの犯人疑惑があって、
実は松坂はキャリアからその内偵として送り込まれてた。
松坂は役所の下にいて何度もひどい目にあわされ、
刑事としては凄腕だがルールを逸脱してるとの報告を上げた。が・・・、
上は何故か動かず、役所のノートを証拠品として盗むよう指示して来る。
そんな折に役所が失踪、ヤクザの抗争に巻き込まれて死ぬ。
ここまではまさに昭和のヤクザ映画って感じ。でもここから急展開。
役所は実はいい奴で、一般市民を守るためにヤクザを手なづけてたと判明。
上納金をよこす一部のヤクザだけ贔屓にしてたというのも誤解だった。
松坂が実は内偵ってのも見抜いていたし愛情も持っていた。
14年前にヤクザを殺したのは役所でなく懇意にしてた銀座のママだった。
そのママに託されたノートを手に入れる松坂。
それはヤクザでなく、警察の上層部の弱みを記したノートだった。
役所はヤクザより警察上層部を恐れており、それで身を守ってたのだった。
そして上層部が松坂を内偵に出したのは、それを奪いたかったため。
全員保身やんけとあきれ果てた松坂は一種の悟りの境地に入る。
そして構想してたヤクザAに情報を流してBを壊滅させ、Aも逮捕。
今度は松坂が上層部の弱みを握ることとなった。
................................................................................................
劇場で見た。
上記のように前半は昭和っぽく、後半は急に平成っぽい。
やっぱり平成は、実はいい人ってのが人気なんだろう。
テーマとしては昭和も平成も変わらない、何が正義か?ってこと。
少なくとも保身ばかり考えてる上層部ではない。
役所も一つの正義と思い知った松坂は清濁併せ呑む感じに成長。
まあそのへんは面白いんやが、気持ち悪い描写が多いのがイヤやったわ。
最後の血が延々飛び散り噴き出すシーンなんていらんわ。
それを延々見せる意味なんてあるんだろうか?
あと死体に関しても、見せ過ぎ。
見せなくたってそこに死体があるってのは十分に伝わる。
腐乱死体も含め、これだけ死体をアップにする映画も珍しい。
あと江口の役名がモリタカやったんに笑った。