「タイトルが映画を観ながら追いかけてくる」孤狼の血 tktさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルが映画を観ながら追いかけてくる
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映画観賞後に、「かっけー!」と思わず仰け反りました。
タバコも吸いませんし、暴力性を前面に出してくる人は好きでは無いはずなのに。
物語は、松坂さん(日岡)の目線で話が進んでゆきます。
役所さん(大上)は、捜査の為には手段を選ばずとてもヤバい奴です。映画を観てる自分もまったく信用出来ませんでした。
良い人と悪い人を行ったり来たりする人で、正に劇中にでてくるセリフと同様、ヤクザと警察の間を綱渡りしている人なのです。
しかし、大上がなぜその様な人生を選んだのかが判明する瞬間に、もう身体が震えました。
彼女がその名を知らない鳥達にも通づるのですが、映画冒頭に主観からみた相手役はヤダみが溢れています。しかし、最後まで話を進めてゆくと、相手の思いや意思に触れて自分が変化してゆくという流れなっていると思います。もう大好きな話です。
表層的なこと、つまり噂や自分の思い込みに流されてはダメだなとつくづく思います。
物語終盤、日岡の決断(成長)は正しいのか?正しくないのか?それは誰にもわかりませんが、少なくとも大上の意思は継承しつつ、事の顛末である事件の収束のさせ方は日岡本人の意思や特性を感じました。
この辺のバランス感覚は、本当に凄い!
映画のラスト。この映画タイトルである、孤狼の血。血が受け継がれた瞬間に、私は感想冒頭の行動を取っておりました。
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