劇場公開日 2018年5月12日

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「わしは広島弁が大好物じゃけ、こういう広島弁のヤクザ映画は大好きなんじゃ。」孤狼の血 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0わしは広島弁が大好物じゃけ、こういう広島弁のヤクザ映画は大好きなんじゃ。

2019年2月25日
PCから投稿

関東というか東京周辺出身の人は、田舎がないし、方言もないから、そういうものにあこがれてる傾向がある。

方言は大好物だけど、関西の人の関西弁みたいに、これ見よがしにしゃべられても、ちょっと引くところがあってあまり好きではない。

ヤクザ映画は関西弁のものが多くて、合ってはいると思うけど、関西弁は漫才師の使う言葉というイメージがあるから、いまいちかっこよくない。

東京弁の方がかっこいいけど、ヤクザ映画にはあまり合わない。

ザックリだけど、東北地方や、九州沖縄地方の人は純朴で柔順なイメージがあるから、方言がヤクザ映画には合わない。

方言全部知っているわではないけど、考えてみると、強そうで尚且つかっこいい方言といえば広島弁かな?という感じがする。

映画ファンならだいたいそうだと思うけど、深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズが大好きなせいもあって、広島弁のヤクザ映画は大好きです(”仁義”以外はあまり見たことないけど・・・)。

この映画の場合は、台詞を復唱しながら見ていて、別に役者さんでもなんでもないんだけど、台詞のある役ならなんでもいいので、とにかく出演して広島弁しゃべりたいような気がしてしょうがなかった。

原作は読んでないけど、映画的には「仁義ない戦い」になんとかひっかけて、観客の心をつかもうとしているのがありありとわかった。

音楽もあの名曲にちょっと似せている感じだったし、最初に出てくる東映のマークも最近のものではなくて、昔の熱海の岩に波が当たるやつで、さらに色あせた感じになっていた。

最初の冒頭部分だけだったけど、「仁義」みたいにハンドカメラで追っかけていって、揺れながら撮っているシーンもあった。

時々入るナレーションもまさにそんな感じだった。

外形はそんな感じだったけど、中身は当然ながら全然違っていて、ヤクザというより刑事が主役で、映画でいうと同じ白石監督の「日本で一番悪い奴ら」に近い感じだった。

主役は悪いんだか悪くないんだかよくわかない刑事役の役所広司さんで、その助手で広島大学出の新人刑事が松坂桃李さん。

人気、実力的にしかたないのかもしれないけど、この配役は非常によくないような気がした。

この二人が出てきた時点で、先がだいたい読めてしまうし、二人とも”いい人”のイメージが強いので役に合わない。

この二人の役は、いかにも悪そうなイメージで、何をするかわからないような人、できれば広島出身の人がよかった。

他に竹野内豊さんや江口洋介さんもヤクザの幹部役で出てくるんだけど、この二人も全然ヤクザに見えないイケメンでよくなかった。

役に合ってたのは石橋蓮司さんぐらいだったかな・・・?。

女性客目当てなのかもしれないけど、ここはそれなりの人にしてほしかった。

Push6700