劇場公開日 2018年5月12日

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「☆☆☆★★ あいや〜( ゚д゚) あれ程の大傑作な小説をここまで改...」孤狼の血 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★ あいや〜( ゚д゚) あれ程の大傑作な小説をここまで改...

2018年5月22日
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☆☆☆★★

あいや〜( ゚д゚)
あれ程の大傑作な小説をここまで改変しますか〜!

ビックリ‼️ドッキリ‼️ク○トリス じや〜‼️
(原作には無い台詞)

原作を読むと。どう撮ったところで、駄作にはならない…いや寧ろ。どんなに才能が無い監督が撮ろうが、傑作の予感しかしなかったと言える。

それなのに、あゝそれなのに。

極めて普通になってしまったなあ〜(>_<)…と。

いや、面白い事は面白いですよ。
何しろ元々の原作自体は傑作ですから。

別に原作通りに撮る必要性は無いのは理解している。
原作そのものを忠実に描けば。上映時間はおそらく、3時間は優に越えてしまうのだろうから。

実際問題。原作とは違う場面に於いて、優れているところは有る。
先ず何よりも。この原作自体が、新人マル暴刑事の一人称で描かれている点。
それだけに、ヤクザ映画で有りながらも。本来ならば(原作に忠実に描くならば)派手なドンパチは御法度になってしまう。
流石にこれでは観客は納得してはくれないだろう…と考えたのは容易に推測される。
そうしなかった事で、映画の中で何度かの抗争場面が起こり。ヤクザ映画としての活力に溢れる場面は活かされる結果となった。

そしてもう一つ大きな改変として。原作に於いて重要な人物であった、小料理屋の女将《晶子》を。原作には名前だけしか登場しない、クラブのママ《梨子》へと変更しているところ。
画的に見ても、寂しい小料理屋より。より華やかなクラブのママに変更したのは、分からないでは無いし。日岡に若い女性をあてがい、恋愛要素を加えたのも分かる。
それ自体は、大上の意図するところであり。映画オリジナルながらも、原作にてちょこちょこっと出て来る昭和の匂いを感じる箇所でもあった。
若い俳優が主演しているので有る事からも、ある程度のラブシーンは有った方が確かに良い。
(でも今ひとつエロくは無かったのが残念至極)

原作では【章】仕立ての描き方により、狼の系譜が最後に継承されるのだが。映画では敢えて最初から観客側に、日岡の役割を明らかにする。
一見すると違和感が強く、「何だこれ!」…とは思うのだけれど。それによって、次第次第に日岡の心が様変わりして行く様子がきっちりと描かれてはいた。

但し、それによって原作の良さが失われた箇所もまた多く。個人的な意見として言わせて貰えれば。プラスが3っ増えたとしても、マイナス面が7っ位は有るところだろう。

その中でも気になった点を幾つか。

先ずは《晶子》=《梨子》へと変更されてはいたものの。過去の殺人に関する2人の微妙な男女の関係性はそのまま活かされてはいた。でもこの2人は、お互いの悲しい過去を共有する【戦友】の様な間柄でも有った筈なのだった。
大上自身の悲しい過去を知る《晶子》=《梨子》だからこそ。最後に日岡を信用し、大上の意志を託すのだが…。
映画では、その辺りが今ひとつ希薄に映る。

そして警察とヤクザとの癒着。
何故お互いに持ちつ持たれつ。生かさず殺さずをを信条とし、その信頼関係を築いていたのか?
原作にはその辺りの関係性をしっかりと読者に伝えているのに…。
ところが、映画に描かれていた両者の関係性は。単なる損得で動いているだけにしか私には見えなかった。

おそらくシリーズ化を見据えての製作だとは思える。
だけど、今回登場した多くの人物達(特に生き残るヤクザ達等)には。映画を観た限りに於いて、魅力が全く感じられず。今回だけの登場で終わる可能性が高い。

特に一之瀬に於いて。原作では、いずれはその度量の大きさから。全国に名前が轟くかも知れない程の魅力的な人物で有った筈なのだが…。
実際映画に描かれていたのは。まるで血の気にはやるチンピラヤクザにしか見えないのが、凄く残念でならない…。

パナマ帽が無いのはまだ良いが。何故にハイライトだったのか?
映画の中に登場する有る小道具。
原作では後半に至り。この小道具を通じての魂の継承がジワジワと日岡の心へと浸透して行く。
映画の中ではその辺り(小道具の活かし方等)の描写が今ひとつと言ったところでしょうか。
狼の継承で有る筈だったのが豚だった悲しさ。
映画単品で観れば、今年の日本映画としてなら充分にベスト10の中には入るでしょうね。
でもこの原作での映画化で有る以上。本当ならば、今年のベストワンを狙える可能性は大きかったと思えただけに…。

どうでも良い場面だが、昭和のプルトップが凄く懐かしかった。でもショルダーフォーンが登場しないのはちょっと悲しい。

2018年5月13日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン9

松井の天井直撃ホームラン