「びっくりどっきりクリトリス」孤狼の血 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
びっくりどっきりクリトリス
びっくりどっきりクリトリス!これはまだ男が脂ぎっていた時代の『L.A.大捜査線/狼たちの街』だ!豚の糞まで食う役所広司の怪演が素晴らしく、誰もが引き立て役に過ぎないが、役所が言う「警察じゃけえ何をしてもいいんじゃ」に秘められた矜持が明らかになる時、松坂桃李が牙を剥く!
古舘伊知郎は本作を『アウトレイジ』に対する東映の答えだと語ったらしいが確かに。且つ北野武の初期衝動たる『その男、凶暴につき』、そしてその源流である深作欣二(は『その男』も当初監督予定だった)の『仁義なき戦い』といったヤクザ映画・暴力映画の流れを汲み、更新していこうとする姿勢にも拍手
ただナレーションは不要。語り口は深作より北野のスマートさが欲しい。伊吹吾郎に会いにいくシーンの前のやつとか無駄過ぎて笑った。映像技法的には面白かった。松坂桃李のシーンではカメラを斜めにしてみたり、トイレの殺人シーンでは個室の中でカメラを回してみたり!あれ壁はどうやったんだろう?
唯一残念に思ったのは終盤になるにつれて、会話による説明で物語が進行しがちな点。とはいえやっぱりクライマックスには血飛沫ブシャーな暴力描写が用意されているんで全然OK!NO問題!
全体的にはあんまり文句なし!『アウトレイジ』が完結した今、日本のヤクザ映画を託せるのは白石和彌監督しかいないと確信した!みんな、東映の本気『孤狼の血』を劇場で観るんだ!
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