劇場公開日 2018年5月12日

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「昭和と共に終わるヤクザの時代」孤狼の血 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0昭和と共に終わるヤクザの時代

2018年5月20日
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鑑賞方法:映画館

面白かったなぁ
私的には、世間知らずの少年が上司とヤクザにもまれて成長していく話だった

昭和の最後の夏。
広島で対立する2組のヤクザを監視していた所轄のマル暴に入ってきた新人刑事 日岡。
彼は マル暴でもきっての腕利き刑事 大上の監視役となるが。
この大上は、ワイロ、暴行、なんでもありの刑事で…。

我が家の周りにも組関係の人たちが住んでいて、それなりに新聞ネタになるような抗争があったけど
「カタギの人には迷惑をかけない」
という暗黙の了解のもと、何の問題もなく共存していた。

そんな掟が守られていたのも、裏で大上のような人が均衡を保っていたからで
それも、昭和までの話だったんだなぁと
この映画を観ながら思った。

古き良き昭和のヤクザの時代を終えると
「アウトレイジ」のようなインターナショナルの時代がやってきて
警察も、より高いレベルの賢さが求められていく。

その昭和から平成への切り替わりの混乱期に登場するのが、広大出身の新人 日岡で、
彼は大上の遺伝子を受け継ぎつつ
様々な経験をしていきながら
彼なりの狡猾さを身につけていく。

はじめこそはキレイゴトばかりで、
トンチンカンなことばかり言っていた日岡も
その「勘違い加減」を大上から思い知らされていく。

その日岡が成長していくくだりの後半は尻上がりに面白かった

それにしても、広島はケンカがよく似合う。
どこかから、吉川晃司がフラッと登場するんじゃないかと思いながら観てた

そして、白石和彌監督のスピードの速さに驚かされる作品でもあった

とえ