「埋められど喰われず」孤狼の血 たろっぺさんの映画レビュー(感想・評価)
埋められど喰われず
小道具のひとつひとつが懐かしく、舞台構成に貢献していた。
また、強烈なエログロは無いが、本気の東映ノワール映画を撮らんと奮闘しているのが伝わり、久方振りに画面から血の匂いがした。
役所広司と石橋蓮司は言わずもがな、滝藤賢一は少しオーバーに感じたが、それが良いと思わせる顔だった。
松坂桃李は、序盤からずっとキャラクター以上に空回りしているように感じたが、ラストカットで漸く一皮剥けた良い表情が出来ていた。
田口トモロヲは少しクドく、阿部純子は墓前に相応しくない軽さに思えた。
また、白石監督らしさとも言える構成の不自然な丁寧さが本作でも何箇所か見受けられ、物語の熱が少し下がってしまった。
しかし、世界的に綺麗事という豚の糞で塗り固められている映画業界や現代社会に、引き金を引く意義は大いにある。
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