「老獪VS愚直。みんなそれぞれの持ち場でそれぞれのやり方で戦っている。」空飛ぶタイヤ カンタベリーさんの映画レビュー(感想・評価)
老獪VS愚直。みんなそれぞれの持ち場でそれぞれのやり方で戦っている。
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キャスティングの勝利。
TVドラマと違って、濃い顔の面子の配役が映画を感じさせる。
長瀬智也が、社長業がまだ板に付いていない未熟さの残る二代目社長の役柄にぴったり。ディーンフジオカは一流大学出身のエリートサラリーマンにまたぴったり。
ムロツヨシのようなやついるいる。普段は陽気な彼が、リコール隠しのデータを発見して「マジかよ」と素に戻る瞬間がいい。
今時の新入社員中村蒼。いるよ、こう言う奴。でも彼も実は熱い心を持っていた。
2時間の映画の枠に納めるために、一目見ただけでそのキャラの人生や哲学が判るようなキャスティングが脇役ほど気を配られて配置されている。
だからこそ、わずかな台詞でその人の生き様と背景が浮かび上がる。
「この書類には私の魂がつまっとるのです」
無念さとプライドの詰まったこの佐々木蔵之介の台詞は名台詞。
技術者であれば、この台詞に泣かない人はいないだろう。
神奈川県警寺脇康文「ご迷惑をおかけえしねえようになあ」という二回出てくるこの台詞。一回目は本当に嫌に聞こえるのだが、二回目に聞いたときはこの上も無く頼もしい。
これこそ映画のマジック。
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