「それぞれの立場の正義と勇気」空飛ぶタイヤ sallyさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの立場の正義と勇気
「空飛ぶタイヤ」は、WOWOW版、連続ドラマが大変に良く出来ていたので、ある意味不安と期待を持って見てきました。
WOWOWの方が1時間モノの5話で出来ているので、おおよそ5時間、映画が2時間だったので、ドラマで感動した私の方で言えば、映画の方はダイジェスト版的で、本当にあの内容の良さは伝えられるのかと思っていたのですが、映画の方も十分見応えがあり、大変に良かったです。
WOWOW版に想い入れが沢山詰まっているので、比較してしまいがちなのですが、幾つかの設定を映画版の方は、削って出来ています。
また、映画版の方に足りないのは、本作品、赤松自動車の社長を中心とした人間関係がポイントだと思っていますが、映画の方では、赤松運送VSホープ自動車にクローズアップされ、WOWOW版の方の赤松運送VS警察、赤松運送VS被害者、赤松運送VS家族、ホープ銀行VSホープ自動車の表現が死んでしまっているのが残念だったかな・・・・
また、赤松社長自身も、WOWOW版は、どんどん追い込まれていくに対して、映画版の方は、少々ヒーローで終わってしまっているかな・・・
ま、それでも、WOWOW版を見ていない人でも十分にこの映画の原作の良さが分かる映画でした。
この作品って、実名でお話作れないの?と、出来もしない疑問を持ってしまいます。
ま、私の場合、WOWOW版が好きだから、配役の方にも、ミスマッチが多いかな、WOWOW版の方が良い俳優さんが演じていて良かったな・・・
しかし、最後は、やはり、ドラマでも映画でも共通の「人間の中にある本当の正義と勇気」これには感動の一言しかない。
本作品、「万引き家族」の陰に隠れてしまった勘があるが、映画を楽しむのなら、「空飛ぶタイヤ」でしょ。