「体感二時間くらいな三時間半」アイリッシュマン mikyoさんの映画レビュー(感想・評価)
体感二時間くらいな三時間半
Netflexプレゼンツなスコセッシの今作は、贅沢にスターを大集合させ、濃厚なストーリーだが、夢中になるので気がつくと終わっている。よくあの俳優たちを揃えたな、と思うが、実質2本ぐらい映画を見ているに近いので、2倍くらい豪華でもいいのかも。
かなりの情報量だが混乱もなく、テンポも早く、数えなかったがかなりの量の赤ペンキが飛ぶ。容赦がない。編集の妙なのか、スタイリッシュさと合理性を兼ね備えたストーリーテリングだった。
興味深かったのは、ヒットマンだったフランクをロバート・デ・ニーロが演じ、当時を告白するのだが、説得力があり、なぜか見ていると自分が納得してしまったことだった。脚本がすごいのか演出がすごいのか演技がすごいのかその全てなのか。
スコセッシといえば最近ブラックバスター系映画に対する批判で話題になっていたが、資金繰りが難しいとか映画館のスクリーン確保が難しいとか、想像は易いので批判の理由はわからなくない。でも例えば個人的にはこの映画をIMAXで見たいとは思わない。かといってアート系単館っぽくもない。ミドルサイズのスクリーンがいいんだろうなぁと思うが、3時間半だと他の映画なら二回上映できるのでやはり難しいと思う。そうするとNETFLEXという比較的自由のきく提供元はそんなに間違ってもいない気がする。
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