「ONCE UPON A TIME IN…」アイリッシュマン 宗像教授さんの映画レビュー(感想・評価)
ONCE UPON A TIME IN…
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あの映画でデニーロは友に裏切られた主人公を演じてました。他の仲間を皆消してデニーロに罪をなすりつけて権力者となった友は許しをデニーロに請います。デニーロは答えます。「昔友達がいた。良い友達だった….でも死んだんだ」と。友はその後清掃車に身を投げます。
この映画でのデニーロは友を裏切った主人公です。その恥を墓場まで持っていかなければならない裏社会の掟。神に懺悔することすらできない。煉獄とはこのことだと思います。ボスは、「やり過ぎたかな」と呟いて教会に行き、さっさと居なくなってしまいます。娘は主人公のした裏切りを決して許しません。攻め続けます。世間は過去の失踪事件などとっくに忘れてます。
孤独なデニーロ、最後神父が部屋を出て行く時、ドアを少し開けておいて欲しいと願います。
私は、ゴッドファーザーのラスト、ドアがピシャリと閉まるあのシーンを思い出しました。非情の裏社会と日常を分けへだてるドア。
「俺は決して非情な心だけで、あなたを手にかけた訳ではないんだよ…」というサインに見えました。
ゴッドファーザーの閉まるドアの先にいたのは、アルパチーノでした。決してあなたを忘れた訳でも憎かった訳ではないんだよ…と。
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