ゲット・アウトのレビュー・感想・評価
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人種差別がテーマ?
人種差別の問題が話の根底なのかと思ったけど、よく考えたらそうでもない気がする。ターゲットが黒人ばかりなのかと思ったけど、肉体の強さを基準に絞ると黒人であった、それだけの話だろうか。終盤、彼女がPCで検索していたキーワードは別に「黒人」じゃなかったはず。
ただ、映画全体の雰囲気として、愛想はよくても、気にしてはいないだろうけど、それでもやっぱり、本音はぎちこなく、互いに意識し合い、実は嫌悪しているのではないか。そんな奇妙な差別意識の摩擦が映画全体の嫌な空気として漂っていたかのような。映画の真相とはまったく別の話だけれど、本音を隠した気持ち悪い笑顔という、共通した空気が映画の演出して形作っていた気がする。
それにしても差別意識はどうにもなくならないのでしょうね。国籍、人種だけで無くLGBTQといった増え続ける人間の区分け、どうしても判りやすく他者を区分けしようとして、見た目やなんかで相手を切り分けずにはいられない。そもそも差別以前に、相手を傷つけ、支配しようとする行いだけは慎まなければならないけれど、それが無くならないからこそ、こういう映画のネタが尽きることが無い訳で――いやまあ、現実に映画のようなことは有り得ないけど。ね? 有り得ませんよね?
最後がちょっと、、
最後、パトカーで親友が迎えにきた場面、
・まったりした中途半端な尺の長さ
・クリスが「よく見つけたな」という意味深な台詞
このことから「もう一波乱あるか?まさか親友も入れ替わっている?」と思ったが何も起こらずそのまま終わって、ちょっと拍子抜け。 これなら「だから言ったろ。」という親友の台詞でパッとエンドロールに入ったほうがよかったかと。。。
まあ、ネットで調べるとエンドは2パターンあるみたいだから、急きょ差し替えたんでしょうね。尺を合わせた感がある。
最初メイドが横切ったときの効果音は心臓が止まるかと思った。
笑いも旨味も全然足らない!!おっさんはもっとニガーい黒人映画が好きなんだ!!
そもそも映画の登場人物に感情移入する、という観方をしないオレにとって、アメリカの人種差別映画はキャラ設定やストーリー、視覚的効果に興味を惹かれることが多い。白人が黒人映画を撮ると、「ドリーム」のような無理やりいい話にしてしまうのも、それはそれで楽しい現象だと思っている。
だが、黒人が黒人映画を撮るとちょっと事情は変わる。「マルコムX」を筆頭に偏るものもあれば、「ストレイト・アウタ・コンプトン」のように主張と娯楽性のバランスがうまくいっているものもあれば、「イコライザー」のように、どうでもいい作品になったりすることもあるが、やはり深読みはしてしまう。
人種差別。日本人のオレには、アメリカの人種問題について真剣に考えることははっきり言って皆無だが、こうは思う。ビルボードがすべてではないが、カッコイイのは黒人ラッパー。白人アイドルが憧れるのは黒人ラッパー。スポーツで活躍するのは、黒人。
生身で観ると白人はなんだが汚いなあと思う反面、黒人を見るときれいだなあ、と思う。と同時にその黒光り、その風貌に怖えなあ、とも思う。
「ゲット・アウト」
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主人公は、身体能力の高い、肌のつるっつるとした、インテリジェンスのある写真家、という設定。
そう、オレたちがテレビで見る「すべてを手に入れた、完璧な黒人」である。そこがミソで、そんな完璧黒人に「白人の美女」をモノにしている、というテレビ的理想像。
そんな彼が彼女の実家にあいさつに伺う。そこで恐怖の展開が待っているのだが、ちょっと待て。こいつのふるまいはなんだ?日本語の訳しにも問題があるかもしれないが、なんたる無礼な主人公。こいつがいちいちグチや陰口をたたく。
はっきり言って、この主人公はカスだ。
だが、オレはこいつを観て、ああ、それでも、うらやましいなあと思ったりするわけだ。
それがなんと、この映画のど真ん中の話だったという。
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本作、黒人監督がその「事実」を「黒人目線」で多面的に描いた作品、ということになる。
だが、その展開に売り文句の「笑い」もなければ「恐怖」もない。
なぜなら、やっぱり監督の能力不足でうまくないからだ。
本作は人種差別を「実は白人は黒人の身体能力の高さに恐怖し、憧れているから行われてきた」という定説の裏返しとして、ホラー映画に仕立ててあるのは明白。そのこと自体はいい。
だが、それなら、彼らを「求める」白人はじじい、ばばあではなく、ジャスティン・ティンバーレイクがJAY・Zに傾倒するように、若いイケメンが登場しないといけないのだ。
だから、「祖父祖母」の「求めた」身体が「足らない黒人」であるのが不満だ。薪割する「体力」、真夜中にランニングできる「体力」に「不満はない」というが、それならそんな仕事はしなくていいだろう。
また、コメディ的側面でもあるのだが、その「黒人賛美のさらなる逆転」としての機能として、デブな黒人の友人を登場させているのだが、
「その黒人賛美は、やっぱり一般の黒人には関係ない、ただの幻想(笑)。」
と言っているのに、それもいまいちうまくいっていない。
(友人が運輸局職員であることを強調しているのは、ただの黒人市民であることを強調している。)
ボディ・スナッチャー的要素もあの「ゲット・アウト」と詰め寄られるシーンもはっきり言って物足りない。
細かい点だと、彼女の写真の「遍歴」のルックスが実は雑なのも、笑いに結び付いていない。
本来は、
1)調子に乗った勘違い「イケメン黒人」はブルブル震え
2)「白人」は本音を見せつけられ「ドキっ」とし
3)「ブサイクデブメガネ黒人」がヒーローとなる
「アンチ優性遺伝子映画」となっているはずなのに、監督の力量不足と一発設定の脚本の練りこみ不足で、この程度で終わってしまっている。
追記1
脱出する主人公が圧倒的な「腕力」で家族をねじ伏せるところは、ちょっと笑った。主人公を獲物に選んだ、見る目は確かなようだ。
追記2
催眠術をネタバレではない、と言い張る評論にあ然。
リベラルの欺瞞を寓話的に表現
人種差別を題材にしたアメリカ映画は数多いが、本作のインサイトはとりわけ深い。差別は良くないと啓蒙的なメッセージの裏側の嫉妬や妬みをも描くからだ。
白人と黒人の身体能力は確かに違う。バスケットボールのスター選手の多くは黒人だ。社会的地位が白人の方が上のうちは白人たちにも心の余裕があるだろう、しかし社会から差別がなくなれば白人たちは自分たちが黒人よりも劣っているのではと劣等感を抱き始めるだろう。そんな感情を抱くのは典型的な白人至上主義者だけではない、オバマを支持するような中間白人層だって例外ではないのだ。
本作はそんな白人たちが潜在的に抱える「追い落とされるかもしれない恐怖」を描いている。その恐怖が、さらに黒人たちにおぞましい脅威を見せてしまう。アメリカの人種問題に対する根深い病理を見事にえぐり出した作品だ。
笑いと恐怖は紙一重なのだ
お馴染み「ブラムハウス」レーベルから、低予算ながら観る者の深層心理を針でつくような怪作が届いた。手がけたジョーダン・ピールといえば米の人気コメディアン。そんな彼がまさかホラーで監督デビューを果たすなんて誰が想像しただろう。しかし笑いと恐怖には共通のテンポとリズムがあり、その着眼点にも相通じるものがあることを本作を通じて思い知らされた。
会話の中で生じる違和感と居心地の悪さ。これらが徐々に折り重なって、生存本能的に「この場から逃げ出したい」と思わずにいられなくなる心理。そしてやがて明らかとなる、すべての予想を覆すとんでもない顛末。最初の鑑賞ではストーリーに衝撃を受け、二度目の鑑賞では随所に伏線が仕込まれ、登場人物の思いやり溢れるセリフも、実は全く別の意図が働いていたことに大いに驚かされるはず。
歴史を見据え、社会批評の目も持ち、なおかつ娯楽作でもある。ピールの今後の快進撃に期待したい。
カテゴライズするなら新・ブラックムービーの1篇
良く練られた脚本のホラー映画にある、人種差別批判の斬新な切り口
コメディアン出身のジョーダン・ピール(1979年生まれ)が初監督した社会派ホラー映画。写真家の黒人青年クリス・ワシントンが白人の恋人ローズの実家を訪れて拉致状態に陥る恐怖を、丁寧な描写と程良いミステリアスなタッチでまとめた良作にして、黒人と白人の人種間にある旧来の差別意識ではない、優劣思想を逆手に取ったレイシズムを内包しているのが新味の切り口として注目されます。主人公が蟻地獄のような窮地に追い詰められ、脱出困難な状況をショッキングに描いた恐怖映画では、例えば日本映画の「砂の女」(1964年・勅使川原宏)や、クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」(1971年・ドン・シーゲル)があり、特に珍しいことではありません。脚本も兼ねたピール監督がアカデミー賞の脚本賞を受賞したのは、アメリカ映画にあって、これまでになかった着眼点の面白さが理由の一つであると思われる。ニューヨークの高級住宅地に住む白人が秘密結社のような集団を形成して、強靭な肉体と優れた頭脳を持つ黒人を選別し、臓器移植を利用して若返りと永遠の命を得ようとする。黒人にコンプレックスを持つ白人の自己中心主義を皮肉り、そこから労働力として奴隷制度を導入した人種差別と変わらない白人社会の傲慢さを、改めて指摘しています。
ストーリー展開はミステリーを徐々に明かしていて最後まで興味深く観ることが出来ます。プロローグで黒人の青年が誘拐されるシーンから、景観から分かる森の中を車が疾走するタイトルバック。ローズ家族の姓であるアーミテージを調べてみると、中世英語では隠れ家の意味があるということで、ピール監督が意図したものであるようです。但し、クリスが到着してからアーミテージ家と使用人のもてなしに不気味さが出過ぎているのが、演出として単調と見ました。特にローズの弟ジェレミーは、最初から異常者のような振る舞いを見せています。笑いを誘う演出を、特に前半にもっと入れるべきでした。そうすれば後半の恐怖感がもっと引き立つ構成になったと思われます。
丁寧な脚本と演出を裏付ける俳優陣の演技は、充実していました。クリス役のダニエル・カルヤの好青年らしい個性は、写真家としての観察力がないのが惜しいも、警戒心のないお人好しを好演しています。次にローズの母親ミッシーを演じたキャサリン・キーナーの催眠術師は、何事にも動じない心理学者の佇まいで貫禄があります。「40歳の童貞男」(2005年)「はじまりのうた」(2013年)でも、いい演技を見せていました。使用人ジョージナのベティ・ガブリエルも、特異な役柄を存在感豊かに演じていて印象に残ります。涙を流しながら笑う演技は、役者冥利に尽きる表現でしょう。マイケル・エイブルズの音楽は、アフリカ音楽を取り入れた特徴のあるもので作品に合っていました。題材の異色さはとても興味深く、ホラー映画が苦手な人でも最後まで楽しめる点において、もっと点数を付けても良いと思いましたが、演出とカメラワークの技巧の面で少し押さえました。
善意の顔をした怪物たちへ 。不意に突きつけられる本当の恐怖。
本作は、観終わったあとに「怖かったですね」で終われるタイプのホラーではない。むしろ、背筋が冷えるのはエンドロールが流れ始めてからで、「あ、これ俺たちの話だ」と気づいた瞬間だ。
この映画に幽霊は出ない。血みどろの怪物もいない。いるのは「善良でリベラルで理解のある白人」たちであり、そしてその象徴として配置された恋人ローズである。彼女は差別をしない。むしろ差別を嫌悪する側の人間として登場する。警官に毅然と抗議し、家族の不用意な発言をたしなめ、黒人である主人公クリスの痛みに寄り添う。ここまでは完璧だ。
だが彼女は、黒人を愛していない。ただ「使っている」。身体を、若さを、能力を、文化を、都合よく消費しているだけだ。尊敬しているように見える態度こそが、最も残酷な支配になっている。ここがこの映画の核心で、露骨な差別よりも「私は分かっている」という顔をした善意の方がよほどタチが悪い、という話をジョーダン・ピールはホラーの形で突きつけてくる。
象徴的なのがサンケン・プレイスだ。意識はある。見えている。だが身体は動かない。叫んでも届かない。この描写は、社会の中で声を奪われる側の感覚を、これ以上ないほど正確に視覚化している。しかも恐ろしいのは、そこに閉じ込めている側が「自分は悪いことをしていない」と本気で信じている点だ。
ラストで主人公を救うのが警察ではなく、黒人の友人であることも示唆的だ。制度は彼を守らない。連帯だけが彼を救う。この構図は決してアメリカだけの話ではない。
本作はホラー映画の皮をかぶった社会の診断書だ。そして観客にこう問いかける。「あなたは差別していない側ですよね?」と。その問いに即答できる人ほど、この映画は怖い。
白人の彼女の家に招かれたけど・・・
毛色の違うオープニングが三曲。
ホラーな場面に陽気なナンバー。怪しげな音楽に変わったと思ったら・・・
なんか、最初から変な空気感が漂っていた気がする。 黒人男性と白人女性の仲睦まじいカップルが彼女の家に遊びに行く。そこでは、彼女の両親が友好的に迎えてくれたのだが、何かおかしい?
日本という独自の民族の中で育っているので、色々な民族が混在するアメリカみたいな多種族国家における人種差別がどのようなものかを体感できていない分、独特な雰囲気ってのは理解できてないのかもしれない。とにかく、その辺の違和感を熟知できていれば、もっと緊迫感持って楽しめたかもしれない。
【ネタバレ】
黒人監督が作ったらしいんだけど、一見、人種差別をテーマにしているような感じもする。でもそれは、迫害を示しているって言うわけでもないような・・・
黒人がさらわれて体を乗っ取られるオチなんだけど、拉致されたってことよりも、黒人はスゴいんだぞ️、だから体を乗っ取ってやる️と、どちらかと言えば黒人賛歌に見えたのは自分だけだろうか?
後半、愛していた彼女も、実は一味だったと、全てが解った時は辛かったね。でも、それ故に一味全員を殺害していく部分はスカッとしました。やっぱりこのくらい派手にやってくれたほうが良い。
ラストもホラーにしては、珍しく心地よい終わり方で面白かった!
作品的には、よくまとまった楽しめる一本でした。
ゲッアウッのミスリード
内容は、人種差別を比喩するアメリカでの近未来的な技術が可能になった社会でのミッシング(行方不明)もの。ホラーに振り切った明暗バランスと音楽の効果が心地よい恐怖を煽り立ててくれる作品。
印象的な台詞は『ゲットアウト!』物語の丁度真ん中に位置する台詞はミスリードを兼ねて心の叫びにも聞こえて良い演出だと感じた。
印象的な立場は、いつまでも生きながらえようとする祖父母と同性に固執する関係が意味不明で面白かった。
印象的な場面は、謎が解明されても謎だと思うのは全身を縛り付けられた地下室で、身動きの取れない肘掛けの綿をどうやって耳に詰めたか?という事だ。全ての謎が明らかになっても、どうしても納得がいかない。わかる人がいれば教えていただきたい。
物語の整合性を突き詰めて作るホラー映画だけに最後の最後で安易な結末と結果の誘因に残念さが残る。もう少し煮詰めて腑に落ちればと見ていて感じた作品だ。
最初の誘拐が行方不明になった友達まではとても良かったと思う。
記憶移植が無理筋で永遠の命を手に入れたい人類の欲望が題材なのは、よく分かるが安易すぎる真相は残念でならない。
怖ければオッケーなので怖かったのでその方では面白かったと思います。
臨場感のある恐怖
予想外の結末!
冒頭の、黒人を差別するように警察に身分証明書を求める警察に対する主人公の常に冷静な対応に好感が持てた。
人種差別が未だに存在する中、上手に生きてると思った。
恋人だけはずっと味方だと思っていたので、いろいろな黒人男性との写真が出てきた時は驚いた。
一番不思議だったのが、黒人の二人の召使いの存在とその行動で、恐怖すら感じたが、その正体を知り一番腑に落ちた。その正体を考えると逆に悲哀を感じてしまう。
謎の提起とそれに対する予想外の結末が非常に爽快で、楽しめた!
個人的には主人公が親友と一緒に、そして前半の親友の言葉を回収しながら脱出する姿にホッとした!
※人種差別的な部分でこの結末に変更になったとのこと。確かに冒頭の伏線回収だど問答無用で警察に撃たれるラストシーンになってもおかしくないですね!
全員の表情が怖すぎる
最後まで気が抜けない
人間怖い
人間怖い系
まさかローズが敵サイドだったとは……。
写真を見た時に胸が張り裂けそうな気持ちになりました。。唯一の味方で全てだった人に裏切られるなんてキツすぎる。
最後主人公がボコボコに逆襲していくところは楽しかったです。
負けて終わってたら絶対に許せなかった。勝ってくれてありがとう!
ただ、黒人の立場を日本人に置き換えて考えたらとても複雑な気持ちになりました。
黒人を対象としている理由が軽んじているからではなく、「憧れ」というところにあるので人種差別にはならないのかな、憧れを拗らせちゃっただけなのかな…。そう落とし込めるのかな〜
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