ソウル・ステーション パンデミックのレビュー・感想・評価
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迫り来る絶望!彼女に朝日は届くのか・・・
「新感染」の前日譚ということで、ソウルステーションに何があったのかってのが、上手く描かれている作品だと思います。面白かった。
主人公が元風俗嬢っていう、もともと影があると言いましょうか。底辺っていう言い方は失礼かもしれませんが、とにかく普通ではない絶望感を抱いている人が、さらに絶望に見舞われるって感じかな。 そして、さらに彼女は弱い。泣きながら逃げることしかできないってのも、一層絶望感を引き立ててるんじゃないでしょうか。
とにかくこの作品には全く希望が感じられませんでした。 唯一、自分を探してくれる父親と出会うことができればってのが希望って言えば希望だったのかもしれないけど・・・。 この辺は、さすが韓国映画!容赦無しっていう感じで自分的に大満足でした。
作品全体からは、まさに破滅に向かって一直線って感じ。
ただ、アニメの出来としてはどうでしょう?
日本のアニメ技術ってホンッとすごいなって納得するほど、質的には、不満が目立つ作品でしたが、ホラー作品としては、楽しませてもらった一本です。
刮目の前夜
「新感染」で一躍トップランナーに駆けのぼったヨン・サンホ監督のアニメ出身のキャリアと、ゾンビものというジャンルに向ける眼差しとが交錯する一作。
当時、早稲田松竹でたまたま「新感染」と同時上映だったので観ただけだし、内容的にも新感染のアッパー感と比べると、対照的にダークでダウナー。画面が暗いのもあり、観ている途中で眠くなる時間もあった。
が、その後のヨン・サンホ作品を観る上で、このソウル・ステーションという作品が思いのほか大きな補助線になったのは間違いない。
日本では実写よりもアニメ監督の方が自由度が高いイメージはあるけど、だからといってみんなが高い作家性を持つかどうかは別。
その点、ヨン・サンホの作家性はたとえば大友克洋とか、今敏みたいな方向なんじゃないだろうか…?
ちゃんとエンタメをやりながら、批評も諦めてない。
で、Netflixの寄生獣をやっと完走したんですよ〜(本題)。書くところないのでここに書き書き。。
ウソ、やっぱり天才じゃない…?
少なくともここまで無駄のない展開ができる手腕がエグい。
かなり時間をかけたんだろうとは思うけど、どうやったらあんなシナリオが書けるのか。。
寄生生物の設定以外ほぼオリジナルなのに、キャラクターの配置も展開も必要にして充分、まったく無駄がない感じ。やや拙速な部分はあるにせよNetflixじゃなかったら、再編集して劇場にかけてもいいレベル。
同じくNetflixの「地獄が呼んでいる」の時点であれ、この人思った以上にヤバい作家かな?となったたけど、寄生獣ではさらに完成度を上げてきおった。
なお、ほんのりゾンビもの風味もあり〼。
ゾンビもそうだし、寄生獣にしても、つくづく題材に対する理解度が深いんだなぁー。今後に刮目せざるを得ない。
マジな話、日本のエンタメ映像業界も、韓国に若手を送り込んで、現場の手法や体制を勉強した方がいいんではなかろうか。。
ゾンビより怖いものだらけ
ソウルの街が丁寧に描かれている。
駅や警察の人らのホームレスへの冷たい対応をみて、最初からゾンビが出てくるのだがゾンビ映画ではないとわかる、
ソウルの住宅事情の厳しさもあり,アパートがあっても家賃払えないから住む家なんてない、同じ貧しい恋人同士かと思えば金がないから男は女を食い物にする、お父さんが探しに助けに来たと思ってみていたら、、、ゾンビは、映像に緊迫感がありドキドキするのだけど、実はゾンビなんて可愛いもので、持てるものが持たざるものを,男が女を、権力が権力に対峙するものを最も簡単にゾンビの一噛みのごとく、蹂躙し侮辱し見捨てたり殺したりするのだ。同じ方向に割った脇目も降らず走り出すゾンビは私たち愚かな市民だ。ゾンビより恐ろしく、反体制運動かなにかバリケードの内側にいる学生や市民を、最初は警察機動隊が、さらには軍隊が取り囲み発泡。ソウル駅周辺のゾンビ騒動なんて知らんぷりだ。正義の闘争をしてるらしきバリケードの中にもなんの根拠も知性も人間性もなくマウント取ろうとするオヤジがいる。ゾンビにかじりつかれる前の人間の方がよほどやばい。最後に逃げ込んだ高級マンションのモデルルーム。住むところがない人たちがさんざんいて、誰もすまない飾りだけの広々とした高級マンションが皮肉の様にたくさんの扉を構えて空虚にある。韓国の話ではないと思う。思えよ。頭が悪い政権与党にいつまでも権力を持たせ続けるこの国のことでもあるから、せいぜいみんな見て,少しは考えようよ。ゾンビより恐ろしく愚かなものに囲まれた私たちの社会よ。
ウィルスの蔓延による惨劇と同等の絶望が既に世界に蔓延していることを痛烈に抉り取る『新感染』シリーズ屈指の社会派作品。
首筋から血を流しながら苦悶する一人の老いたホームレスとその弟、安宿に宿泊する家出娘ヘスンと彼女の恋人キウン、そしてヘスンを探す父・・・様々な思いを抱えた人々が行き交うソウル駅近郊。茹だるような夜の片隅に響く絶叫が得体の知れない惨劇の幕を開ける。『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚であるアニメ作品ですが、『新感染〜』との話の繋がりはほぼゼロ。前作と同様に人間ドラマが濃厚であるところに共通点は見い出せますし、愛する者が愛する者でなくなる絶望というゾンビ映画の肝も作品のど真ん中に据えていますが、本作がより野心的に挑んでいるのは社会の最底辺にいる人々の苦悩。それは兄を助けようと奔走する弟の奇妙な行動やキウンとヘスンとの口論にべっとりと塗りつけられていて、ウィルスの蔓延による惨劇を克明に描写すると同時に韓国社会だけでなく世界中に既に蔓延している格差社会の絶望を直視している。元々社会派アニメの監督だったヨン・サンホの作家性が一番濃厚に出ている作品ではないかと思います。特に圧巻なのはクライマックス。意外にも程がある展開は他の2作とは全く異なるテイストの旋律に背筋が凍りました。
声優のチョイスも強烈で、ヘスンは『新聞記者』のシム・ウンギョン、ヘスンの父は『エクストリーム・ジョブ』のリュ・スンリョンがそれぞれ演じていて、実写版でもほぼ同じドラマを作れるレベルの見事なキャスティングに納得しかないです。
ゾンビの群れに本当に襲われたら・・・現実の反応はそんなものかもしれない
実写をトゥーンレンダリングしたような2Dアニメ
その割に動きがギクシャクしていたのは、
アニメーターの技術の差か、繋ぎの部分が
上手くいってなかったのかな?
最初、冴えないオヤジのギクシャクした動きと
ツカミがいまいち・・・
と思ったら
中盤からガンガンテンション上がって
意外性のある展開でハラハラドキドキ
それはないだろう、それだけはヤメテ!と
思うような事も躊躇わずにやってしまう
良くも悪くもセーブできない所は好みが
分かれるかもしれない
心理描写は結構リアル
勇敢にゾンビに立ち向かっているように
見える人物の中身がアレだったり
逃げる事しかできない人々とか
この騒動を、単なる暴動と捉えている警察とか
ゾンビの群れに本当に襲われたら
現実の反応はそんなものかもしれない
アッと驚く結末にもちゃんと伏線が張ってあって
ミスリードを誘って後から納得、の
シナリオが上手い
観終わって、この内容なら実写ではなく
アニメが向いているかなと思った
しかし簡単に人を殺すなぁ韓国映画って・・・
主要人物が誰も死なない(現実的ではないけど)
ハラハラドキドキも観てみたい
底辺の描写がやるせない
「新感染」の前日譚ということで、気になって観ました。
なんの武器も持たない庶民が逃げまどう緊迫感のあるゾンビホラーで、楽しめました。
そこへ、社会の底辺で生活する人のリアルな描写、市民を切り捨てる国家権力と、社会問題に対する視点があるところも印象深いです。
怪我をしても助けが得られないホームレス、風俗で働かねばならなかった家出少女など、底辺のリアルが辛いです。
ホームレスに家出少女と、貧困の中で家を求める人達を描き、クライマックスにたどりついたところが、誰も人のいない超高級マンションのモデルルームとか、格差社会の皮肉にやるせない気持ちになります。
クライマックスの展開も、個人的には全く予想外のどんでん返しで、良い意味で裏切られました。
もうゾンビホラーじゃなくて、バイオレンススリラーだろ、という感じで。
アニメーションとしては、リアルな人物描写は良いですが、個人的にはCGっぽい動きや色などはあまり好きではありませんでした。
アニメーションならでは、というところも、特に無かったように思います。
リアルな不穏な緊迫感のある演出は、やはりハラハラドキドキさせられて、良かったと思います
ちなみに、シリーズの「新感染」「新感染半島」は鑑賞済みです。
個人的には、この中では「新感染」が一番面白いと思っています。
「新感染半島」と本作となると、ストーリーなど本作の方が面白いと感じました。
「新感染半島」のラストは、ちょっとイマイチな気がしましたが、本作を観た後だと、最後の最後はそういうラストにしたいよな…、と思えました。
韓国ってこういう民度?
同じアジアの先進国と思いきや
底辺に対して扱いが酷い国なんだなって思った。
助けを求めてるのに
誰もが面倒臭そうにため息をつく
格差が酷過ぎて自己中が多いのが納得。
日本なら
序盤のホームレスに対して
あんなに怪我してる人見たら
誰もが必死で助けを呼ぼうとする。
そう思うと日本人で良かった。
韓国の闇が垣間見えた作品。
美化する事なく取り繕わず現実的で良いと思う。
韓国は表向きメディアしかり
容姿しかり
取り繕っても
実際はブスばかりと格差社会という国なのだと訴えてますね。
誰にも感情移入できない
ちょっとね、バッドエンドはいいにしても、最後のモデルルームほど盛り上がらない終わり方はない。
正体が風俗店の店長もあんな危険を冒してヘスンを追うのも不自然だし、ヒモ彼氏があんなに一生懸命に彼女を探すのも不自然。展開もダラダラしてるし、新感染の前日譚でもないし、ただのパクリ映画って感じだった。
新感染と同じ監督とは思えないほど酷かった。海月姫見ればよかったな。
この実社会で生き抜く事が恐怖。
・韓国の報われなくて理不尽で不公平な社会をそのまま描きました感
・日本だとバイトすれば食っていくのに困らないけど、韓国ではバイトだけでは食べていけないぐらいギャラが安いという現実がある
(バイトだけで食べていく分を稼ぐには、週5日40時間ぐらい働かないといけないってもうそれ正社員じゃねえか)
・彼女に売春させる彼氏はクズ野郎とは思うけど、そうもしなければ生きていけない韓国社会の悲惨さがある
・家族というものを経済的に維持すること自体が難しくなっている時代なのに、リッチな高層マンションはバンバン建てられている韓国社会の矛盾。超絶格差社会。
・帰る家がなくなることが当たり前になる時代が、韓国にはもうそこまで来ているのかもしれない
・ついに帰る場所(国や家族)がなくなった人、それがこの映画のなかではゾンビという存在なのかもしれない。
・こういう社会で老後まで生き抜かなきゃいけないのが「死を超えた恐怖」ってキャッチコピー皮肉すぎるわ
・韓国だから描ける作品!悲痛!!
・日本ってぬるま湯なんだなと思いました
評価悪いなぁ
私は十分楽しめた。まあ、映画館にいくほどではないけど、、正直、新感染エクスプレスよりも良かった。新感染は途中までは良かったのに、お涙頂戴が多かったし、終わり方があまり好きじゃない。(新感染のレビューになっちゃう)
アニメにしてはゾンビの映像が不気味だし、ストーリーも好き。終わり方も良い。
自分が着いて行けてないのか、楽しめなかった
レンタルで初観賞。
ヨン・サンホ監督はアニメが主戦場だというから期待して観たのだが、なんだかなぁ…
この監督のアニメ初懸賞。
絵柄も影響してると思うが、キャラクターに全く魅力がない。
ストーリーも、「起」もなければ「結」もなくて、退屈。
『新感染』の前日譚だというので期待し過ぎたのかもしれないが、
でも、あれだけの実写映画を作ったアニメ監督の作品とは信じがたい。
新感染の存在にもたれすぎ
個人評価:3.0
とくに目新しい技術もなく、動きや描写もいたって普通。群衆の描写も繰り返し使う人の波のリピートも多く、こだわりも見られない。新感染のエピローグという設定がなければ、埋もれてしまう作品だったろう。また新感染に繋がるという設定に甘え、本作だけで完結できるほど、練りこまれた脚本ではなく、すべてが中途半端な展開で終わっていく。
ストーリーも普通で古典的なゾンビ映画のアニメ化にすぎなかったのが残念。
韓国のアニメ映画を初めて観た。
韓国のゾンビ映画「新感染 ファイナルエクスプレス」の前日譚を描いたアニメ映画。
内容はゾンビの原因解らずの映画ですww
舞台は韓国の低所得層から始まり、韓国の闇を観ている様だった。
主役と思われる男女に魅力はあまり無し。
噛まれてゾンビが増えていく。
ゾンビのスピードは実写版さながらなのだが、逃げている人間とゾンビが一緒に駆けっこしている様に見えて、実写版の恐怖は見受けられなかった。
「そもそも、この映画を作った理由は何?」と、(実写版アニメ版どちらも2016年製の為)どちらが先か後かも解らずなので、更に悩む事に😰。
(同時メディア展開?当時の公開時情報提供求む✨)
実写版は良かったけど、こちらは私には無用だった様だ。
アニメならではの良さも見当たらない。
観る順番間違えたのかな?🤔
興味あればどうぞ😓
前日譚というより外伝
「新感染ファイナルエクスプレス(以下FEX)」がとても面白かったので期待値上げて観ました。ストーリーはFEXと同じくらいで面白かったですが、前日譚ならではの話を期待してたのに、これならFEXと内容変わらない気もします。
そのストーリーよりもノイズだったのが、アニメーションの粗さ雑さ。その所為に依るテンポの悪さ。
どなたかも言ってた、紙芝居のような人の描き方は呆れたし、逃げる側の動きの遅さ、挙句にカットが長いから色々な展開を考えさせられるが着地はベタ。
せっかくアニメで描いてるのだから、ゾンビのグロさも突き抜けて欲しかったが、FEXの方がグロさはあった。
単体作品としては面白いですが、前日譚としてクアニメでやる意味は?としか思えない作品でした。
タイトルなし
何も分からず襲われる恐怖、恋人や家族を案じる人、そこにつけこむ汚い人間、貧富の差の惨さ、そして因果応報とゾンビより人間の方が怖いというのはよくある話だけど、悪くなかったと思います。
ただ、悪い点も。全てにおいてモーションがいまいち。ヘスンの走るモーションとかどう考えても危機感のない走り方してて、そんなんじゃ余裕で追い付かれるよってモーションなのに全速力のゾンビは追い付けないし、駅のシャッターを弱ったじいさんと女の子で持ち上げられる訳ないし、とにかくこの人たちドアを閉めない(笑)ボロい旅館の扉すらゾンビは簡単には開けられなかったんだから、ヘスンがビルから逃げてる時に扉さえ閉めてれば助かる、もしくは延命は出来たはずなのに。これが序盤だったりもう追い付かれる寸前ならまだ分かる。でも、もう終盤で且つ屋上まで逃げて追い付くのに結構時間あったのにも関わらず出来なかったのは、決まってるオチに持っていくために描いてると思ってしまうし、例えそうだとしてもそう思わせちゃうのは勿体ないと思う。モデルルームの窓が都合よく空いてる謎(笑)モデルルーム手前のビルはガラスを割って侵入してるから余計に目立ってしまった。
この作品、新感染の前日譚なのですが、先に新感染を観ていたので、感染源が分かると思って観賞したのですが、こちらもしょっぱなから感染してる所から始まり、何も解らず終わってしまった。新感染の続きがあるならまだ良いけど、これで無かったら微妙すぎるかな。ゾンビ映画なんてそんなもんと言ってしまえばそうかもしれないけど、前日譚と謳っておいて核心に突くところが何もないのはちょっと。
文句も多いし点数も低いけど、嫌いではないです。寧ろ最後のオチとか誰も報われない感じとか好きでした(笑)
映画センスが光る
映画の「新感染 ファイナルパンデミック」の前日譚。よくできてる。映画を知ってる。日本アニメに比較するとアニメ的にはまだまだだが、基本実写の監督のような資質を持つ。本もよく書けてる。楽しめた。
爆走前夜に何があったのか?
レンタルDVDで鑑賞。
「新感染 ファイナル・エクスプレス」の前日譚。
韓国のアニメを初めて観ました。
本作で感染爆発が拡大して行く経緯と、「新感染」で特急列車が発車しようとする頃、ソウルでは何が起こっていたのかが明かされました。
製作順としては本作の方が先ということで、完全に本編のパイロット版という感じ。まさに出来の良いプロローグだなぁ、と…。ここから実写映画に繋げようとした発想に拍手!
本編はアクション重視でしたが本作は恐怖描写重視。ひたすら追い掛けて来る感染者の群れ。どこに行っても湧いて出て来る…。列車の中じゃなくても人間に逃げ場は無し…。
そんな混乱に満ちた市内をサバイバルする女の子が主人公。彼氏にネット売春させられそうになるほど困窮しております。感染拡大の要因となるのもソウル駅に住むホームレスたちでした。駅員に助けを求めても取り付く島も無し…。
韓国の社会情勢について詳しくはありませんが、相応の風刺が籠められているのかなと感じました。軍による街の封鎖、感染の疑いのある人々の封じ込め作戦は狂気の沙汰。戒厳令が発令される中、感染者の数は増大する一方。絶望感も急上昇!
ラストのあっと驚く展開に度肝を抜かれました。
こういう作品でそれ持って来るかぁ…みたいな(笑)
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