彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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共感するキャラクターいない映画
白石和彌監督作って情報のみで鑑賞。
いやぁ~重かった。ヘヴィ。歪んだ愛の形。孤独がもたらすいびつな愛憎。
様々な要素が入り混じって簡単には述べれない感じだ。
蒼井優の女優魂のすごさにクラクラした。それも観客の共感を呼ばない役柄。阿部サダヲの役作りも良いが、やはり蒼井優の覚悟のあり方に旗が上がる。
出てくる人間が総じてクズなのが徹底している(そこは白石監督的)。特に男はヒドイ。イケメンの甘い言葉はろくなものではないという教訓だなうん。
ラストも含めて軽い気持ちでは見ない方がよい作品でしたね。蒼井優ファンも覚悟して見る必要があるでしょう。
派手さがないのに強烈な作品
役者の仕事とは これだ。
そう思わせられる作品。
阿部サダヲも蒼井優も
そして松坂桃李もすごかった。
しかし 大好きなはずの竹之内豊が どーみても不自然でしょうがない。いい人 が垣間見える。
松坂桃李のクズっぷりが演技に見えないほどだったので残念。
それにしても 松坂桃李のこういうシーン。
「娼年」に続いてまたか、と。
数年前のドラマの「ゆとりですが〜」で童貞の役やってた反動でしょうか?
細かい感想は他の人に任せる事にします。
貴方の為なら何でもするよ
この映画の主人公、陣治扮する阿部サダヲの愛が純愛という人もいるようだけど、全く違うと思う。
この映画に出てくる出演者全てが利己主義。でも、世の中こういう恋愛こそ素晴らしいとされてしまう世の中。どれだけこの世は病んでいるのだろうと思う。
献身的だと言えばそうなのかも知れない。けれど、この映画を観て考えて欲しい。愛は無条件で相手に見返りを求めないという事が絶対。それを基準で考えるならば、これは愛ではない。と強く思っていたよ。
最後の最後で愛を観ることが出来る。
愛って難しいけれど、解りやすくいうと親子が毎日おはよう~おやすみなさいと言って、翌朝を無事に迎えられること。
親子も男女も実は同じ愛だったりする。
それが、大人の自由な男女関係の恋愛ともなると...。
そんな事が沢山描かれていて、とてもおもしろかったし、考えてさせられた。
たったひとりの恋人
今まではほとんど洋画しか観ないタイプでしたが、VODに入ってからは家で邦画も沢山鑑賞するようになって、その中でも今作はここ数年の邦画で間違いなく一番の作品で、心が酷く揺さぶられた作品です。ああ、劇場で鑑賞したかった。
白石監督の作品は、社会からこぼれ落ちた底辺の人間、生まれながらして要領が悪く上手く生きられない人間、人を人とも思わないゲスい人間の描写が本当に上手くて、どんな観察眼と洞察眼を持っているんだろうと驚いてしまいます。
ゲスな男と精神的に不安定な女性の作品は、昨今の邦画では割と多く作られていますが(流行りなのでしょうか?)、女性の描き方が、性暴力でも何でも受け入れてくれる聖母か、あるいは若くて可愛い女の子に男性が癒される的なロリコンファンタジー作品が多くて、世界は#me tooなのに邦画本当に大丈夫か?と思っていました。
しかし、今作のヒロインである十和子は男性を許し癒す女性として一切描かれていません。黒崎や水島に騙されても泣き寝入りはせずに、逆に復讐を果たします。つまり、男性からすると十和子はとんでもなく恐ろしい女なのです。私が今作を一番評価するところは、こういうテーマであるにも関わらず、男性の監督が女性を描く際にやりがちな気持ちの悪い女性蔑視感を感じさせなかったところです。
現代は科学の進歩によりおひとり様でも生きていける様になりましたが、その一方で人間ひとりひとりにも市場の論理が使われて、利益の出せない人間は生きていけない社会になりました。黒崎や水島の様な人間でも要領良く立ち回れば金や女が集まり、陣治や十和子の様な人間は、生きづらさを抱えてしまいます。日常的に自死、心中、虐待、DV、殺人のニュースが流れてきますが、ニュースの中の人間はきっと特別な人間ではない筈です。十和子や陣治はそんな生きづらさを抱えた特別な人間ではない現代人の象徴のように思いました。
心はイケメン
ジンジみたいな人、周りにいます。
見た目はアレだけど心はイケメン。
そして、確かにその逆もいます。
私が一番クズだと思ったのは黒崎かなー。
黒崎みたいな人は周りに居ないけど、水島に近い人は知ってます。奥さんと別れるといってて別れない。
騙される方もどうかと思うけど。
ラストは切なかった。。。
あんなことされたら一生忘れられないじゃんか。
切ない。凄まじ程の、愛情。
男女は、互いにすれ違い続けるのが幸せなのではないかと思ってしまった。
偽りの言葉や情事が輝いてみえる
純粋な思いやりに嫌悪を感じる
真実に近づき、通じ合う瞬間に果てる
蒼井優ちゃんの表情がクルクルと変わり、繊細で隙だらけ。
どの顔も自堕落でクズなのに、素直な感情を映し出していて、とても魅力的。
同じ女性として共感できる感情が多々ありました。
昔の恋人から「ずっと会いたかった」と言われたときの、涙を溜めて頷く表情が本当に可愛くて可哀想で、心臓がきゅぅってなった。
しかしながら劇中、優ちゃんを弄ぶイケメン達の下衆な事…
こんな素で歯の浮くような甘い嘘をついて、女を性欲の捌け口としてだけに利用したり暴力を愛だと言う男達、本当にいるの?犬猫にもこんな扱いできないだろ…と思うほど人として異常に見えた。
しかし、世の中不倫やDV男は溢れているから実際は掃いて捨てるほどいるんだろな…。
そろいに揃って口が上手い。行動は安っぽく、陳腐。
それで何故、女は心を奪われてしまうのでしょう。
この物語のように天罰が下れば良いと思いますが、
おそらくそれはフィクションなのでしょう。
守りたい 出会った時から ただそれだけだった
まさか泣くことになるなんて1ミリも予想せず観ていたら ラストまさかの号泣 うるっとどころが目が腫れるくらい泣いた
人からの愛を受け入れることが困難な人、愛を知らずに育った人とかが観ると たぶん普通の人にとって以上に深く突き刺さることになる作品なんじゃないかと
ただただいっしょにおいしいって言ってごはんを食べることを喜びずっとこうしてたいわと言う陣治
好き好きと言うように十和子十和子と呼ぶ声
十和子が笑ってくれたらそんでいいんやと言う陣治
どれも考えてみれば母が子を思う気持ちのようだなと思いました
先が分からない方が面白い
小説の再現がすごくキレイ。
そのまんま。
蒼井優ちゃんのイライラする女感
ほんとに、イライラさせられてすごかった。
きっと、色んな影響をさせる映画
一人の女に異常なほど尽くす男と、それを悪びれず受け入れる女との歪な男女関係を白石監督が絶妙に描く。
蒼井優演じる十和子は働きもせず、無為な生活を送る。彼女に嫌われながらも、薄汚い恰好と所作を隠すことなくストーカーといってもおかしくないほど執着し、尽くす阿部サダヲ演じる陣治。
そして、ある出来事から十和子との関係が出来てしまうある意味、破綻したデパートの時計売り場主任水島を演じる松坂桃李の変貌していく様。
十和子が慕う男、黒崎を竹野内豊がダークに演じる。
徐々に明らかになる十和子と黒崎と陣治の過去の出来事。
人はここまで、無私に人を愛せるのか、ここまでその無私の愛を何の屈託もなく受け入れられるのか。
綺麗ごと一切なしに、人間関係のダークな部分を描き出した作品。
終盤の陣治のある行為とそれを観ている十和子の眼差しが忘れられない。
<2017年10月28日 劇場にて鑑賞>
不器用、、だけど深い愛
原作を読んでいたので結末は知っていたのですが、特にラスト10分くらいの振り返りのシーンで、陣治の深い愛に触れて涙がこみ上げてきました。
見た目とか、所作とか見ていたら、十和子はなんでこの人と生きていっているんだろう?と正直疑問に思ってしまっていました。そんな自分を恥じました。
いつか生まれ変われるのかな?陣治。 思いっきり幸せになってほしいな。。
まぎれもない究極の愛の物語。お気に入りの映画です。
私が観た作品の中で一番好きな、まぎれもない愛を描いた物語。
最近主演の蒼井優さんがご結婚されたり、沼田まほかるさんの原作小説を読み返したりと、自分的に再度振り返りたくなった映画であったため、やや旧作ですがレビューします。
かなり賛否両論分かれる作品だと思います。私は大好きです。
陣治は十和子の性質をよく理解している。これ以上、十和子を理解できる人は存在しないだろう。
心理学的言葉をかりると、十和子はHSP(Highly Sensitive Person)気質なのだろう。
働くわけでもなく毎日DVDをみたり自堕落な生活を送っているようにみえる十和子。
なにもしていないはずだが、十和子は非常に繊細な気質であるため、なにごとにも常に気を張っている状態。休んでいるように見えて、心身共に擦り切れているのだろう。イライラしやすいのも彼女の繊細な気質からくるものなのだろう。
陣治は十和子のその気質をよく理解してる。
仕事で疲れて帰ってきたあとにも、十和子の体を入念にマッサージしてあげているのは、気を張りつめて疲れた体と心をほぐしてあげているのだ。
そんな十和子を、初めて出会った時から危惧しており、気になって仕方がなかった。出会ったことを運命と捉え、本能的に「自分が守らなければならない」と強く思い、大事に大事に守ってきたのだと思います。
十和子の後をつけたり、しょっちゅう電話して確認してくるのは、純粋に十和子が心配だから。
十和子が自分を差し置いて他の男と寝ることなど二の次三の次。むしろそんなことはどうでもいい。
ただただ十和子の安全を守り、十和子の心の安定を脅かすものを恐れているのだ。
しかし陣治はこれから先、十和子とともに生きていったとしても、残念ながら十和子に愛されることは決してなかったのでしょう。十和子が愛せるのは、きっとこれから先も「哀れな男」だけです。
そんな十和子が少しでも幸せに、振り回されずに自分の人生を歩めるようになる可能性があるとしたら、男以外に愛を注ぐことができる相手がいること。つまり十和子が自分自身の子どもを授かることであると陣治は考えたのではないか。
陣治は不妊症であり、生きていても十和子に子どもを授ける役目は果たせない。なにより自分が十和子に愛されることはない。
「生まれ変わり」を信じることで、十和子に子を授けられる。陣治なりに大真面目にそう考えたのだと思います。
十和子の子どもとして生まれることで、十和子に初めて愛され、十和子をこれまでとは違う形で守り続けることができる。
そう信じたのではないか。
そして、自分が死ぬことで十和子の全ての罪も被ることができる。
十和子を守るためだけに生き、十和子を守るためだけに死を選んだ陣治であった。
ラストの2人の出会いからこれまでの全てを回想するシーンは圧巻です。とても美しい映像と音楽が胸を打ちます。
罪を犯したあと、十和子が記憶を失っていることに気づいた風呂場での陣治の安堵の表情には鳥肌が立ちました。陣治の愛を表す、とても素晴らしい演技でした。
陣治という存在に名をつけるならまぎれもない「愛」なのでしょう。十和子は最後までそのことを知らなかった。知らずに愛を注がれ続けていた。そして反対に十和子が愛を注ぎ、十和子に薄っぺらい愛を語ったかつての男たちの存在に名をつけるなら、決して「愛」などではない。彼女はそれに気がつくのが遅すぎた。
そのことを本作品タイトル、「彼女がその名を知らない鳥たち」として表しているのではないかと考えた。
これ以上、観た後に恋人と恋愛観を熱く語ることができる作品はそうそうないように感じます。(強く共感できる人と、一生一ミリも共感できない人とに分かれる作品でしょう)
それにしても原作小説作家の沼田まほかる先生は、その異例の経歴もさることながら、いったいどのような経験を積まれてこのような作品を作れるようになったのか、改めて背景が気になって仕方ないです。
個性派俳優
とんでもなく自堕落ジコチュウな女には実は秘密があって、それを知っているのは彼女に付き纏うビックマウス肉体労働者。
観終わって、似た様な話(嫌な想い出だけ喪失する)を観たことある気がするが、思い出せません。
その秘密や馴れ初めが後半に明かされるが、前半のテンポより遥かに良く、白昼堂々の凶行とかツッコミ所はあるが引き込まれた。
ラストは、絶対そこでスローになるなと読めるんだけど、という所からの展開が意表突かれて楽しい。
で、鳥問題。
あんなに沢山の鳥じゃなくて、番いの鳥とか写した方が説得力ある様な。
蒼井優と阿部サダヲ。
従来の役柄そのままの、蒼井は薄幸で尻軽、阿部は暑苦しくしつこい役で、とても合っていた。
松坂桃李と竹野内豊も、色男全開の女をモノとしか扱わない下衆野郎で、心地いい憎まれ役だった。
でもそれ以上の物は感じられなかった。
つまらなくはないので観た方が良い。
個人的にはエロいシーンが多いのは、話が進まないのと話の筋を理解するのと別の感覚が鋭くなるので、
出来れば少ない方が良い。
タイトルなし
結末というか種明かしとしては、まぁよくありそうなお話だけど、そこに行くまでがなかなか見応えがあった。
セクシャルなシーンはどの役者さんもテレビドラマで見るよりずっとリアルで、こんな役もやるんだってちょっと驚いた。
今まであんまり思ったことなかったけど、蒼井優ちゃんのかわいさが少し分かった気がする。
蒼井優!
蒼井優さんの演技がとてもよかったです。気持ち悪い関西弁を使う人がいる中、見事に関西弁を使いこなしてました。
松坂桃李も髪型といい、なかなかなだめっぷりをよく出せてたと思います。
お話の内容があまり好きではなかったですが、それぞれのキャラで感心させられました。
いびつな愛のカタチのすれ違い
アカデミー賞の『孤狼の血』、じわじわ人気の深夜ドラマ『フルーツ宅急便』と話題続きで最近勢いのある白石和彌監督。正直これまで観たことがなかったが、ずっと気になっていたこの映画を創った人だったよね。ジャケ惹きとなんとなくの評判でずっと気になっていてやっと鑑賞。
どういう特徴かって具体的に表現できないんだけど、なんかこうグサグサ刺さってくる。蒼井優と阿部サダヲの好演も輪をかけて、分厚い作品になっている。竹野内豊と松坂桃李のダメ男っぷりもいいね。
衝撃の真実とラストには泣かされる。それぞれのいびつな愛のカタチ、そしてすれ違い。真実の愛とは。深く考えさせられる映画。
正直勝手にミステリーだと思ってなかったからビックリしたが、面白かっ...
正直勝手にミステリーだと思ってなかったからビックリしたが、面白かった。
愛することが好きな女性と、愛することに徹した男性。女性の周りにいる、自分に都合よく愛を利用する男性。確かにどの立場でみるか問われる。
タイトルの意味は彼女がわかったつもりで全く分からなかった愛情の形のことだろうか。何にしろ最後のシーンにすべて詰め込まれた映画だった
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