彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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最後に驚き、そして嫌な気持ちになる。
陣次、なんで最後なんで、死んじゃうかなー。これから十和子が大変になるっていうのに。誰にも感情移入できないまま進んでいって、えー。十和子が殺したの、え?ってなって。そこはびっくりして、面白いってなったけど。
阿部サダヲと蒼井優が最高だ
それぞれがハマり役
蒼井優があまり好きでは無く蒼井優が出てる作品を観るのを避けてきたし何であんなに世間から絶賛されてるのか分からなかったけどこの映画を観て納得しました
演技は勿論、ちょっとした表情、言葉の発し方が凄い....!
めちゃくちゃ十和子役がハマっていました
あまりキレイとは言えない冴えない感じの顔でメンヘラってのがめちゃくちゃリアルでこの役は蒼井優しか出来ないんじゃないかな??
陣治役の阿部サダオも本当に凄い俳優さんだなと再確認
不潔で下品、重くてちょっと闇がある感じがゾワゾワして気味が悪かった...けどこんな人に愛されたら幸せだな
十和子にぞんざいに扱われたり暴言を吐かれたりしても「十和子の為だったら何でも出来る」と嫌にならずにずっと十和子のお世話をしたり隣にいてあげてる姿には何だか虚しくて切なくて悲しかった
でもやっぱり松坂桃李のセックスのシーンは全然色気やエロさを感じない なんでだろう(笑)娼年見た後だったからかただ単に松坂桃李はセックスヘタなのだろうか....
愛という一方通行が守ってきたものとは
生理的に受け付けない男と暮らしながら、過去の男の面影を追い求めては、詐欺まがいのことをして日々の暇をつぶして生きている十和子。
十和子に罵られ、蔑まれ、それでも笑いながら全てを許す陣治。
何年も前に酷い目にあわされた男を、それでも追い求めて、陣治を虐げる十和子に、
そんなに嫌なら同居を解消して別れてしまえばいいのに、と思う。
陣治と十和子の関係は、どこか思春期の娘に対する父親のように見える。
異常なほど、娘のやることなすことに執着する父と、それに反発する娘。
血縁であるからこそ起きているはずのものが、他人どうしの、しかも片方向だけの愛から来ているのは何故なのか。
ラストまでを知って、その片方向だけの愛が、何故そんなにも執着になるのかが理解できた。
ただ、心配で。という言葉の重さにも。
人間は、自分よりも相手を思う愛の方が強く折れない。
それは陣治の愛なのか。
十和子の愛はやはり過去の男にあり、陣治にはないのか。
そうだとしたら悲しすぎるけれど、陣治は十和子に対する見返りは求めていないだろう。
十和子が生きてくれているだけで、すべてを投げ出してもいいと思えるほど、
十和子がそこにいるだけで他はすべて構わないと思えるほどの、気持ちを陣治は自分の中に持っている。
十和子が知らない鳥は、すべて陣治のなかにあり、十和子が知らない間にすべて陣治によって守られている。
それに気づいた時、十和子は何を思い、そしてラストでどういう気持ちになるのか、
多くを語らない、シンプルさがとても潔い。
それが愛と呼べるのかどうか、本当に理解したときにはもう手遅れのことが多い。
それは父と娘の関係に、やっぱり似ていると思った。
気持ち悪い愛
愛する人の幸せを考えるって
知らなすぎた、、
原作未読で、鑑賞しました。蒼井優さん演じる主人公十和子、最初はガラの悪い関西弁の女やな、と思わせといて、好きな男の前では可愛い方の関西弁や標準語にチェンジ、とかめっちゃリアルなやなぁと感心。水島との出会い、そんなんある?と一瞬冷めたけど、十和子の魅力と貞操観念の乱れを描くためには仕方ないのかな。
陣治の言動、やたら心配や心配や言うし、本当に狂気を感じてたけど、他の男を寄り付かせない為のオーバーなアクションじゃなく、本当に十和子のことが心配やってんな、、て全部違う意味で理解してた自分が恥ずかしくなりました。不潔なのにも理由があったんじゃん!そこまでする?ていう究極の愛に、やっぱりそこまでせなこの子には分からんやろな、と涙が止まらなくなりました。
共感するキャラクターいない映画
白石和彌監督作って情報のみで鑑賞。
いやぁ~重かった。ヘヴィ。歪んだ愛の形。孤独がもたらすいびつな愛憎。
様々な要素が入り混じって簡単には述べれない感じだ。
蒼井優の女優魂のすごさにクラクラした。それも観客の共感を呼ばない役柄。阿部サダヲの役作りも良いが、やはり蒼井優の覚悟のあり方に旗が上がる。
出てくる人間が総じてクズなのが徹底している(そこは白石監督的)。特に男はヒドイ。イケメンの甘い言葉はろくなものではないという教訓だなうん。
ラストも含めて軽い気持ちでは見ない方がよい作品でしたね。蒼井優ファンも覚悟して見る必要があるでしょう。
派手さがないのに強烈な作品
貴方の為なら何でもするよ
この映画の主人公、陣治扮する阿部サダヲの愛が純愛という人もいるようだけど、全く違うと思う。
この映画に出てくる出演者全てが利己主義。でも、世の中こういう恋愛こそ素晴らしいとされてしまう世の中。どれだけこの世は病んでいるのだろうと思う。
献身的だと言えばそうなのかも知れない。けれど、この映画を観て考えて欲しい。愛は無条件で相手に見返りを求めないという事が絶対。それを基準で考えるならば、これは愛ではない。と強く思っていたよ。
最後の最後で愛を観ることが出来る。
愛って難しいけれど、解りやすくいうと親子が毎日おはよう~おやすみなさいと言って、翌朝を無事に迎えられること。
親子も男女も実は同じ愛だったりする。
それが、大人の自由な男女関係の恋愛ともなると...。
そんな事が沢山描かれていて、とてもおもしろかったし、考えてさせられた。
たったひとりの恋人
今まではほとんど洋画しか観ないタイプでしたが、VODに入ってからは家で邦画も沢山鑑賞するようになって、その中でも今作はここ数年の邦画で間違いなく一番の作品で、心が酷く揺さぶられた作品です。ああ、劇場で鑑賞したかった。
白石監督の作品は、社会からこぼれ落ちた底辺の人間、生まれながらして要領が悪く上手く生きられない人間、人を人とも思わないゲスい人間の描写が本当に上手くて、どんな観察眼と洞察眼を持っているんだろうと驚いてしまいます。
ゲスな男と精神的に不安定な女性の作品は、昨今の邦画では割と多く作られていますが(流行りなのでしょうか?)、女性の描き方が、性暴力でも何でも受け入れてくれる聖母か、あるいは若くて可愛い女の子に男性が癒される的なロリコンファンタジー作品が多くて、世界は#me tooなのに邦画本当に大丈夫か?と思っていました。
しかし、今作のヒロインである十和子は男性を許し癒す女性として一切描かれていません。黒崎や水島に騙されても泣き寝入りはせずに、逆に復讐を果たします。つまり、男性からすると十和子はとんでもなく恐ろしい女なのです。私が今作を一番評価するところは、こういうテーマであるにも関わらず、男性の監督が女性を描く際にやりがちな気持ちの悪い女性蔑視感を感じさせなかったところです。
現代は科学の進歩によりおひとり様でも生きていける様になりましたが、その一方で人間ひとりひとりにも市場の論理が使われて、利益の出せない人間は生きていけない社会になりました。黒崎や水島の様な人間でも要領良く立ち回れば金や女が集まり、陣治や十和子の様な人間は、生きづらさを抱えてしまいます。日常的に自死、心中、虐待、DV、殺人のニュースが流れてきますが、ニュースの中の人間はきっと特別な人間ではない筈です。十和子や陣治はそんな生きづらさを抱えた特別な人間ではない現代人の象徴のように思いました。
心はイケメン
切ない。凄まじ程の、愛情。
男女は、互いにすれ違い続けるのが幸せなのではないかと思ってしまった。
偽りの言葉や情事が輝いてみえる
純粋な思いやりに嫌悪を感じる
真実に近づき、通じ合う瞬間に果てる
蒼井優ちゃんの表情がクルクルと変わり、繊細で隙だらけ。
どの顔も自堕落でクズなのに、素直な感情を映し出していて、とても魅力的。
同じ女性として共感できる感情が多々ありました。
昔の恋人から「ずっと会いたかった」と言われたときの、涙を溜めて頷く表情が本当に可愛くて可哀想で、心臓がきゅぅってなった。
しかしながら劇中、優ちゃんを弄ぶイケメン達の下衆な事…
こんな素で歯の浮くような甘い嘘をついて、女を性欲の捌け口としてだけに利用したり暴力を愛だと言う男達、本当にいるの?犬猫にもこんな扱いできないだろ…と思うほど人として異常に見えた。
しかし、世の中不倫やDV男は溢れているから実際は掃いて捨てるほどいるんだろな…。
そろいに揃って口が上手い。行動は安っぽく、陳腐。
それで何故、女は心を奪われてしまうのでしょう。
この物語のように天罰が下れば良いと思いますが、
おそらくそれはフィクションなのでしょう。
守りたい 出会った時から ただそれだけだった
一人の女に異常なほど尽くす男と、それを悪びれず受け入れる女との歪な男女関係を白石監督が絶妙に描く。
蒼井優演じる十和子は働きもせず、無為な生活を送る。彼女に嫌われながらも、薄汚い恰好と所作を隠すことなくストーカーといってもおかしくないほど執着し、尽くす阿部サダヲ演じる陣治。
そして、ある出来事から十和子との関係が出来てしまうある意味、破綻したデパートの時計売り場主任水島を演じる松坂桃李の変貌していく様。
十和子が慕う男、黒崎を竹野内豊がダークに演じる。
徐々に明らかになる十和子と黒崎と陣治の過去の出来事。
人はここまで、無私に人を愛せるのか、ここまでその無私の愛を何の屈託もなく受け入れられるのか。
綺麗ごと一切なしに、人間関係のダークな部分を描き出した作品。
終盤の陣治のある行為とそれを観ている十和子の眼差しが忘れられない。
<2017年10月28日 劇場にて鑑賞>
不器用、、だけど深い愛
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