彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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完成披露試写会にて
舞台挨拶付きジャパンプレミアにて。 なんなんだろうこの感覚。いままでどの映画でも味わったことのない感覚は。 主人公の十和子(蒼井優)は陣治(阿部サダヲ)のことを毛嫌いしながらも陣治の稼ぎで暮らしている。一方陣治としては十和子のことを異常なほど愛し、執着しており、「十和子のためならなんでもできる」と言っている。 十和子には忘れられない黒崎(竹野内豊)がいるのだが、彼は十和子を利用し、別れる時に暴行を加え、心にも傷を負わせたのだ。また、十和子と偶然知り合った水島(松坂桃李)は結婚しているのにもかかわらず十和子と肉体関係を結び、適当なことをまるで物知りのようにペラペラと喋る男なのだ。 この堕ちるところまで堕ちた4人が繰り広げるストーリーであるので、同白石監督の『日本で一番悪い奴ら』のような真っ当な人間が堕ちていく様を描いているわけではなく、痛快に描いているわけでもないのでまた新しい白石監督作品となっている。 この作品は、SF映画のような感動を持っているような気がする。 洋画だが、クリストファーノーラン監督作品の『インターステラー』という映画がなぜあそこまで人々を虜にしたかというとラストシーンを含め、人類の未知の領域に踏み込んだ、宇宙というとてつもなく壮大な映画を描いていることの衝撃があったから、そして愛に着地している点だと思う。年間ベストの『メッセージ』もまた然りである。 何が言いたいかというと、この映画に関してはラストだが、人知を超えたラストが待ち受けているわけだ。衝撃を超えた、自分という存在にはあり得ることのない、考えすらしないようなラストが。 しかも、本作はSF映画ではなくむしろとことん泥臭くしたような現実主義的な映画なのだ。壮大でもない。それがまたラストへの効果を増大させている。 また、やはり主題が重くとも内容理解がさほど難しくないのも良い。劇中で取り上げられる様々なものがいろんなものを象徴しているのがとてもわかりやすい。 時計がその代表的な例なので是非注目していただきたい。 このようなストーリーであるからにも関わらず、ラストでいままでの罪をすべて拭われたようなかつてない爽快感。しかし、全編を通して不快感が全くなく見られたのはとてもよく、私だけかもしれないが見やすかった。 宣伝文句としてよく使われている「共感度100%」とは、彼らのクズっぷりに対してだけなのか?ラストでの陣治に関してもそのことが言えるのでは? 彼女がその名を知らない鳥たちというタイトル。この意味を悟ったとき、胸が締め付けられ、感動が止まらない。
試写会へ 序盤の何の楽しさも無い むしろ嫌気さえ感じる何気ない風景...
試写会へ 序盤の何の楽しさも無い むしろ嫌気さえ感じる何気ない風景と ラストシーンとの連動がすごくて エンドロールで一気に気持ちを持っていかれてしまった 自分の事ばかりのひとたちと 相手の事ばかりひと 監督のお話を聞いて映画の構図が見えたりして面白かった
謳い文句通り、共感度ゼロ なのに最初から最後までグイグイ引き込まれ...
謳い文句通り、共感度ゼロ なのに最初から最後までグイグイ引き込まれて、本当に面白い。 沼田まほかるさんの原作や白石監督のお力もさることながら、役者さんの力がものすごく大きい。 観終わった直後は感情が前面に出て、涙を拭うだけでしたが、少し時間が経ってくると、「愛とは何か」なんて普段は考えないのに、「依存」も愛の一種なんじゃないか…など考えさせられました。 とにかく話題になること間違いなしです。
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