彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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ミステリーというより大人のラブストーリー 蒼井優の堕落した生活のほ...
ミステリーというより大人のラブストーリー
蒼井優の堕落した生活のほぼすっぴんの姿と、化粧してドレスをまとった姿のギャップ、阿部サダヲの不潔でけなされても一途な愛の姿、松坂桃李のゲスさ、竹野内豊の自分の保身の為に女を道具にするクズな男と芸達者な役者が揃い、脚本の展開もしっかりしていて素晴らしい出来
現在と過去の表現の仕方もよく映されていた
十和子と水島の初ラブシーンに、映し出される水島の左指の結婚指輪、アクセサリーショップで見つけた腕時計のプライスを見る姿などのカメラワークがとても良かった
ラストシーンまで気を抜けない映画good!
鑑賞記録
『凶悪』『日本で一番悪いやつら』の白石和彌監督による新作。ならば観ないわけにはいかないでしょう!
この作品の魅力といえば、やはり役者陣の演技でしょう。松坂桃李、竹野内豊といういい男2人が「ゲスの極み」と形容する他ないクズ男をまぁ見事に演じきっております。そんなクズ男どもに翻弄される蒼井優の、ホイホイついて行ってしまうような寄る辺なさを全身で体現している感じもさすがです。
阿部サダヲはとにかく汚い!ものの食べ方って簡単に人の気持ちを不快にさせられるんだなと実感させられました。ただ本作に限っては「フード理論」は適用されないのかもと思ったり思わなかったり…。
ラストの解釈はあっけにとられるところもあったのですが、じわじわと沁みてきます。「子どもを産むんだ」という言葉、ある男が言えば呪縛になり、ある男が言えば未来へ希望をつなげてほしいという祈りにもなる。それはやはり、その言葉に相手を思い遣る心がどれくらいあるかの違いだと思います。「恋は下心 愛は真心」とはよく言ったものです。でも、だったら陣治の最後の行動は、壊れてしまった十和子にとってどうだったのだろう。僕だったら…救われないかなぁ。
観終わった後、妻は体調を崩しました。それだけのエネルギーというか、怨念のようなものは込められているのかもと思ってます。公開館数は少ないですが、興味のある方は是非。
彼女がその名を知らない鳥たち
前半は淡々と物語が進んで行くような感じです。登場人物の繋がり、そしてクズっぷりが分かっていきます。
中盤から物語が加速していき登場人物のクズっぷりが増します。
後半では、怒涛の伏線回収です。
しかし、伏線の回収が雑ではなくスムーズに行われ見ていて圧倒されます。
そして最後には心に訴えられるような愛を感じます。
さらに、この映画の魅力は話の素晴らしさもありますが役者の演技もとにかく素晴らしいです。
見て損はないと思います
キャスティングと原作の良さ
原作を読んでいたので、結末も分かった上で観賞。
陣治の言葉ひとつひとつに涙が出そうになりました。
もう一度、小説を読みたくなりました。
そして、あてがきかと思えるほど、キャスティングが良かった。
蒼井優の顔は美人だとも可愛いとも思わないけど、女優としては本当に素晴らしい。
愛しすぎた側が地獄
純粋な人が大切なものを
守ると決めた時、
その他のことはもうどうでも
よくなる。
その理由さえも。
自分が大切と思っているように
相手も思ってくれていると感じる時、
もし、
その理由が自分を必要としている
言動だけなら
それはたぶん便利だから。
相手の都合にこたえれば、こたえるほど
相手の気持ちは残酷に冷えていく。
そして
要求はエスカレートしていく。
男女に限らず、同性でもこれは同じ。
学校でも職場でもよくみる風景。
本当に尊重しているなら、
どんなことを
してでも巻き込まないようにする。
はず…
結局、
相手にリスペクトできない人の仕業を
立場の弱い側の自己犠牲が吸収することで世の中が回ってるように思います。
立場が弱くなるのは、腕力だったり
経済的なものだったり、
人間関係だったりそれぞれだけど、
本作の場合は、
相手よりも愛しすぎたから
ではないかな。
自分に振り向いて欲しくて、
そばにいて欲しくて、
一緒に笑って欲しくて。
その自己犠牲の気持ちのキャパの
大きさで、行動が変わる。
溢れたら終わる。
十和子は相手に殺意をむけ、
溢れない程大きなキャパがある
陣治は、どこまでも…
そういう気持ちをお互いが
溢れないように、
思いあうようなシーンには
心が揺すぶられます。
そうじゃないと、しらけます。
あぁまたこれか。
どこかでみたな、なんて感じで。
けど、
あまりにも大きい包容を見たときは
衝撃をうけます。
本作の陣治や、ちょっと前に上映
していた 湯を沸かすほど~の
宮沢りえさんの役ですね。
陣治への救いは、エンドロール前の
十和子の最後のセリフかな。
どうせいつか死ぬなら、
普通に暮らすより、激しく
不器用でも愛し、愛される人生も
ありなんじゃないかと思える
恋愛映画でした。
なかなか ないけども。
2017-80
クズ順で並べたら
竹野内豊≧蒼井優>>>松坂桃李
かなぁ。
ユリゴコロが個人的ヒットだったから、この映画もユリゴコロのときにはもう見ようと決めてました。
だからか、勝手に脳内でどんでん返し系かと思いきや、これはラブストーリーでした。
阿部サダヲは汚い、とにかく汚い。
他人の咀嚼音に潔癖なので、食べてるシーンは吐きそうになった。
でも、どうしようもない女性にどんな仕打ちされても愛をやめない。
蒼井優は仕事もしないし、何かと他人のせいにするし、癇癪起こすけど、イケメンには弱くて不倫にのめり込む。
松坂桃李君は相変わらずかっこいい😍
けど、中身はクズ。蒼井優以外にも不倫相手いそう。
竹野内豊も不倫しといて、女性を暴行もしちゃうクズ。
主演の二人の演技がすごくて、
蒼井優がどこか遠くを見つめているような目と
阿部サダヲのどこまでも十和子を想っている暖かくて強い目が印象的。
うまいなぁと思わざるを得なかったです。
共感度82%
”共感度0%”
とありますが、十和子には、女性としての恋愛観では単純に共感するところがありました。
いつもの、想像してるような蒼井優ではなかったです。
松坂桃李はいつの間にか大人になって…という感じでした。
陣治のことすごい下劣な暴走男だと思ってたけれど
全然そうじゃなかったですね。
「黒崎さんに二度と会われへんようになってしもたやないの」
十和子が黒崎を殺したことを思い出す描写、そこから水島を刺すところ、その辺の表現はすごかったです。
監督さんのことは好きになりました。
これで終わるか?と思って時計を見たら、まだ30分もある。
そこから最後30分は泣きっぱなしでした。
陣治、どれだけ十和子を愛していたの?
その愛が、痛くて、痛くて、泣きました。
”あなたはこれを愛と呼べるか”
陣治の思いを、愛以外だったら、じゃあ何だというの?という感じでした。
でもただのいい人じゃなくて、やっぱ狂ってはいると思う。
十和子も十和子で、黒崎のこと本当に愛してたんだと思います。
まあ狂ってはいるけど。
自分にとっての、身の程の、幸せが何か?は見極めないといけないですね。
十和子、落ちた陣治の方じゃなくて鳥を見つめてるってサイコパスなの?
彼女が知らなかったその名は何かって
単純に「陣治」か。って思ったけれど
それをなんと読むか、なんですね。
やっぱり「幸せ」なのかなあ…
悪くない後味
こういう題材の映画はレンタルして一人で見ることが多いのですが、大きなスクリーンで見て正解でした。
映画については登場人物のほとんどがクズで最低な人ばかりでしたが、
話が進むにつれてどんどんのめりこんでしまい、最終的に悲しいけれどでも嫌な気分じゃない、そんな不思議な気持ちになる映画でした。
万華鏡のような蒼井優の表情に見惚れた
原作未読。
この映画を観に行こうと思ったのは
主役の二人に惹きつけられたから。
クドカン作品でも大好きな阿部サダヲと
最近乗りに乗ってる蒼井優が出る。
これだけで観に行ったようなもの。
映画の宣伝には
「共感度ゼロ」とか
「クズばっかり出てくる」とか
そんな文字ばかり出ている。
「怒り」や「愚行録」のような
重く救いようのない映画なのかと
そう思って観に行ったら。
これは紛れもなく「ラブストーリー」だと感じた。
少なからず、そう思ってしまった自分は
もしかしたら陣治側の人間なのかもしれない。
とにかく蒼井優が素晴らしい。
まず驚いたのがその関西弁。
関西出身の私からすると
劇中の「エセ関西弁」が
我慢ならない作品が本当に多い。
その点、今作の蒼井優の関西弁は素晴らしかった。
そのまんま、ネイティブだった。
加えてその表情の豊かさ。
クズな同居人に見せるクズな女の表情。
唯一甘えられる存在の姉に見せる素の表情。
クズな浮気相手に見せる甘えた女の表情。
クズなDV元彼に見せる泣き笑いの表情。
全ての蒼井優のシーンが素晴らしかった。
思うに、ここまで「クズ」を
見事に演じるってことは
「いい人」を演じる事より
何倍も難しいのではないか?
その点で言えば阿部サダヲも
負けず劣らずにすごかった。
圧巻だったのがミスリード。
物語前半。
どうしようもない「クズ」だった陣治を
ストーリーが進むにつれて
悲しいほど「共感してしまうクズ」に昇華させた。
散りばめられた伏線の回収も見事だった。
蒼井優と阿部サダヲ。
やっぱりどう考えてもこの二人以外に
十和子と陣治のキャストが思いつかない。
良い意味で驚いたのが松坂桃李。
今まで若手イケメン俳優にありがちな
王道「いい人」を演じることが多かった。
が今作では清々しいほどのクズっぷり(^^;;
これ演技?素が出てんじゃね?
と思わせるほどの怪演だった。
セックスする時に十和子に
「あー」って言わせるシーン。
原作にもあるのかな?
なかなかの変態っぷり(^^;;
それがまたイケメン具合と相反して
よりグズっぷりが際立った。
その点、竹野内豊。
なんかちょっと他の3人に比べると
振り切ったクズっぷりは感じられなかったかな。
加えて、ラストシーンも素晴らしかった。
救いようのないくらい悲しいはずなのに
とても美しかった。
十和子を笑いながら見つめて
仰向けに落ちて行く陣治。
数秒の「間」の後に飛び立つ
名前も知らない「鳥たち」
陣治が身をもって十和子に教えた
その鳥の「名前」を、彼女は知り得たのかな?
十和子が知らなかったその鳥の名は?
「安らぎ」?「幸せ」?
それは十和子しか分からないし
飛び立ってしまった鳥と同じで
もう分からないのかもしれない。
改めて素晴らしい「タイトル」の
原作・作品だと思った。
それをラストカットで
見事に映像化した監督にも脱帽。
気になる監督がまた一人増えた。
面白かった
全員クズってあるけど、陣治はくずではないような。
黒崎を殺したのが陣治と思わせて実は十和子でしたっておちで、陣治が飛び降りたシーンで終わりかと思って、期待し過ぎた、ポカーン映画だわと思ったら、そこからが「陣治、どれだけ十和子が好きなのさ」と言う展開で泣けた。
イケメンがクズなほど、陣治の純愛が際立つと言うわけで、イケメン2人のくずっぷりがなかなか。特に桃李くんのクズさがクレイジー。川辺のシーンは、これはOkなの?事務所的にと、いらない心配しました。
陣治は十和子が結婚して子供を産んで幸せになれそうな似合いの人が現れたら身を引くつもりだったのかな?とか、いろいろ後を引く映画でした。
重くて、、
映画の後、ショッピングして、、と思ってたのに、暫く何も楽しいことを考えることができず。
これが、愛なら、
ここまでの想いがないと愛と言えないなら、、
愛は、、キビシイです
役者、みんなよかったです
鳥たちの名前は「しあわせ」
三十過ぎの女性・十和子(蒼井優)。
彼女の生活は自堕落だ。
十五歳年上の肉体労働者・陣治(阿部サダヲ)に寄生し、働くでもなし、時間があればクレームをどこかしこにでも入れている。
そんな十和子には暗い過去があった。
自分勝手な男・黒崎(竹野内豊)と交際し、いいように弄ばれ、最後は暴力を振るわれて別れた。
だが、心の底では、そんな黒崎のことが忘れられない・・・
ある日、思い余って、黒崎のケータイに電話したことがきっかけで、警察の者が十和子を訪ねてくる。
黒崎は5年前に失踪したが、行方を知らないか、と。
8年前に黒崎と別れた十和子には身に覚えがない・・・
というところから始まる物語で、その後、十和子は、買った時計のクレームを付けたことから売り主の貴金属販売店の専務・水島(松坂桃李)との情事に溺れていく、と展開する。
まぁ簡単に言ってしまえば、男を見る目のない女が下衆な男にいいように弄ばれるハナシで、そういうと身も蓋もないがそんなところだ。
とにかく、十和子が惚れる男はヒドイ。
借金のカタに、十和子を老齢の貸主に抱かせる黒崎。
その上、その貸主の娘と結婚するので別れろと迫り、遂には殺人一歩手前の暴力に及ぶ。
水島は水島で、クレーム処理に困ったふりをして、安物の時計をさも高級品かのように装い、自腹を切ってプレゼントしたかのようにみせて十和子を釣る。
さらには、公道上で性欲処理をさせるというゲスっぷり。
類は友を呼ぶとでもいうのか、そんなところだ。
そんな十和子に只管尽くすのが陣治で、とにかく尽くす。
無視されても足蹴にされても、尽くす。
なので、黒崎の一件は・・・
と、まぁそんな風に想像するが、さにあらず、というのがミステリな趣向。
映画の謳い文句は「あなたはこれを 愛と呼べるか」というような、ショッキングな結末を迎えるのだが、うーむ、愛と呼べるのかどうか。
一見「無償の愛」のようにも見えるが、「身勝手」ともいえる。
が、あの結末では、警察としては自己や事案としては看過できず、必ず事件沙汰になることは必至。
そこんところは、腑に落ちない。
タイトル『彼女がその名を知らない鳥たち』の鳥たちの名前は「しあわせ」だろう。
『彼女がその名を知らない鳥たち』とは、「彼女はしあわせをしらない」の意味だろう。
松坂桃李最高!
ベストオブ松坂桃李
主役2人についても最高。
十和子の、陣治のこと基本きらいできつくあたったりするんだけども、一緒にいて居心地の良い瞬間とか、ふっと空気が和む瞬間とかのバランス、見せ方が素晴らしかった。
ミステリー原作ならではの語り口調に少しうわーてなりもしたけど、いい映画だった!
白石和彌監督、雌猫たちが個人的にはまったし、新作でたらまず観に行く監督の1人になった。
全303件中、221~240件目を表示