探偵はBARにいる3のレビュー・感想・評価
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ユーモアとハードボイルドの程よいミックス
今回、名無しの探偵(大泉洋)のところに舞い込んだ事件は、相棒・高田(松田龍平)の後輩の彼女が失踪したので探してほしいというもの。
行方不明の彼女・麗子(前田敦子)のプライベートを洗うと、高級プライベートモデル事務所に所属していた。
さらに探りを入れると、その事務所は暴力団組織の紐付き・・・
というところから始まる物語で、モデル事務所のオーナー・マリ(北川景子)は、かつて探偵が助けたことのある薄幸な女性だった・・・と展開する。
冒頭、雪原を走る毛ガニ運送のトラックの運転手が何者かに撃たれ、積み荷が奪われるという事件があり、麗子の失踪もそれに絡んでいることは早々に明らかになる。
そして、事件の絵姿もおおよそ映画中盤で察しが付いてしまう。
ということなので、謎解き的な面白さはそれほどでもないが、探偵とマリの関係、真犯人の動機、事件の最終的な決着など、ミステリー要素以上に人間ドラマを深掘りしていて、興味深い。
脚本は、前2作も担当している古沢良太。
ただし、これまではプロデューサーを兼務している須藤泰司との共同だったが、今回はひとりのもよう。
なので、ドラマの深掘り加減は、古沢良太によるものだろう。
監督も、これまでの橋本一から、『疾風ロンド』の吉田照幸に交替しており、程よいユーモアとハードボイルド感覚が巧みにミックスされている。
これならば、引き続き、このシリーズを観たいなぁと思う。
及第点
オールドスクールな独白ベースのハードボイルドスタイルであることも含め、シリーズに求められるレベルは確実にクリアしている。そういう意味では、邦画としては充分に及第点。
しかし、動機が弱い。そこが一作目を超えられない理由か。北川景子は頑張ったと思うんだけどね。
見てて共感できないのが本当に辛い
「他人にはどうでもいいことでも本人にとっては重要なことがある」
そのために命を燃やせるかをテーマにしている本作。
まず、ヒロインのマリは本当に他人にとってどうでもいい事の為に多くの人を巻き込んだ挙句2人も殺してしており、全く共感できない。
凶行に至った動機の部分がほぼ描写されていないせいで動機の軽さと犯行の重さがミスマッチ過ぎて、頭のおかしい女にしか見えない。
マリが命をかけて金を残したかったのが他人の娘。
ただ誕生日がマリが流産した日と同じっていうだけ。
その子もその母親も、そこまでマリを慕っている様子もない。
最後の場面ではその娘に「こわい」といわれ、その母親には「あんなことをする人だったなんて」と言われる始末。
こんなことのために2人も殺したり、危ない橋を渡ったのか?という疑問しか湧いて来ない。
劇中のモルヒネを所持しているシーンから末期ガンであることを匂わせてはいるものの、それにしても理解不能すぎる。
映画の言いたいことは
「こんなクソみたいな理由で命を燃やす(笑)馬鹿女もいるんだよ〜〜〜」
これだけ。
命を燃やすっていうのもね。
人殺して金を奪って寄付することが命を燃やすことなのか?馬鹿か?
美談でもなんでもない、後味の悪いゴミ作品。
これから鑑賞しようと思っているならやめておいた方が無難。
アクションが凄いとかほざいてるゴミレビューも散見されるが、現代映画のアクションの質を知らない老害が書いてるだけで、口が裂けてもすごい!と言えるような出来ではない。
原作ありきで語ってる、エアレビュワーの方が多いんじゃないか?
"いつもの定食"でいい。昭和レトロな国民的娯楽シリーズになってほしい
大ヒットした前2作(2011/2013)から4年のブランクを経たのは、主人公2人の忙しさ、あるいは須藤プロデューサーの異動や橋本監督の東映退社・独立の影響なのかも知れないが、何はともあれ、人気シリーズの最新作である。
続投する人気脚本家・古沢(こさわ)良太の魅力のひとつは、凸凹コンビ構造にある。「デート〜恋とはどんなものかしら〜」では杏と長谷川博己、公開中の「ミックス。」やドラマ「リーガルハイ」シリーズではそれぞれ新垣結衣と瑛太、また新垣と堺雅人の掛け合いの妙が楽しめる。
もちろん本作では"大泉洋×松田龍平"であり、3作目にして、原作小説「ススキノ探偵」シリーズ(東直己・著)に拠らないオリジナルストーリーを、古沢良太が書き下ろすことで、ボケツッコミに磨きがかかってきた。まさに大泉洋×松田龍平×古沢良太(脚本)による映画的な調和である。
併せて、第1・2作の橋本一監督に代わり、今回から、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)の吉田照幸監督になったことで、次なるフェイズに向かうのかもしれない。アクションシーンがスローモーションと早回しを組み合わせた、ガイ·リッチー的なアプローチを試している。
そもそも本シリーズは、オールドファッションドな昭和レトロクラシックを意識している。
そのひとつは、東映が70~80年代に送り出したハードボイルドシリーズ。それは松田優作を主演とした"遊戯シリーズ"や"大藪春彦作品"(「野獣死すべし」、「甦る金狼」)などだが、むしろ同時期にテレビ放送された「探偵物語」のコミカルな松田優作を強くリスペクトしている。もちろん長男·松田龍平のキャスティングも意図されたもので、"まほろシリーズ"の"仰天春彦"的なハチャメチャさはないものの、期待に応える"血筋"を垣間見られる。
さらに、松田龍平演じる助手の高田が運転する、光岡自動車のコンパクトセダン "Viewt"(ビュート)も、レトロクラシカルである。これは光岡自動車のパイク・カー(改造車)の原点が、"ルパン三世"の愛車だったメルセデスベンツ·SSKのレプリカをモチーフにした、"ラ・セード"だったりするところから、ルパン三世と次元大介コンビの関係性をも想起させる。
また、日本映画に国民的娯楽シリーズというものが無くなって久しい。やはり正月には、「男はつらいよ」のような、"安寧な心の拠りどころ"が得られる人情喜劇があるのはいい。
"葛飾柴又"ならぬ、"札幌ススキノ"を舞台にして、お馴染みの地元民に囲まれて、毎回マドンナが入れ替わる。本作には「男はつらいよ」に似た魅力が詰まっている。
第1作目が小雪、第2作は尾野真千子、そして今回のマドンナは、北川景子と前田敦子である。松竹の「男はつらいよ」が、東映の"やくざ映画"のパロディとして始まったように、本作も昭和映画のパロディとして開き直っている。
そして何といっても、毎回楽しみなのは、主題歌だったりする。もちろんこれも"昭和レトロ"だ。1作目は、鈴木慶一とムーンライダーズの「スカンピン」(1977年)。そして第2作目は、ジャックスの「時計をとめて」(1968年)を、カルメン・マキがカバーした。このマニアっぷりは、何なんだ(笑)。
今回は、はちみつぱいの「大道芸人」で映画が始まり、エンドロールは「大寒町」(1974年ライブ版)で締めくくられる。
♪大寒町にロマンは沈む。星に乗って銀河を渡ろう。
かわいいあの娘と踊った場所は、いまじゃあ場末のビリヤード♪
・・・歌詞が心に滲みる。
いわゆる"3部作"は、掃いて捨てるほどある。何も仕掛けはいらない。"いつもの定食"で構わないので5作、10作と続いてほしいシリーズである。
(2017/12/1 /TOHOシネマズ日本橋/ビスタ)
探偵が命を燃やすもの
暫く探偵業から離れ、『駆込み女と駆出し男』や『アイアムアヒーロー』などで好演見せてくれたが、そろそろまた“俺”に会いたくなってきた。ススキノのあのBARを訪れると、“俺”は探偵の依頼を待っていた。
近年の邦画の中でもこれほど新作が楽しみなシリーズもなかなか無い。
探偵“俺”と相棒“高田君”、三度目の調査開始!
とにかくこのシリーズが好きだ。
2枚目半がハマり役の大泉洋。
ボーッとしてるけど頼りになる松田龍平。
二人の絶妙なコンビネーション。
昭和風のハードボイルド。
体を張ったアクション。
この世界観に必要不可欠な美人ヒロイン。
悲しく切ない事件の真相。
どれもこれも好きだ。
高田君のオンボロ…じゃなかった。ご免ね~ご免ね~、いい子だね~な愛車。
コワモテだけど協力してくれる松重若頭(ゴツイ子分が個人的に好きなんだよね~)、エロエロ挑発の行きつけのウェイトレス、情報屋の記者、客引き、オカマバーの仲良し…。
お馴染みのネタ、お馴染みの面々。
マンネリだとか、『1』『2』の方が面白かったとか言われようが、別にいい。
もう一度言うが、どれもこれも、この探偵の世界が好きだ。
なので、採点は必然的に甘々の標準点以上にはなってしまうが、それでも今回も安心安定の面白さだったと思う。
高田君の後輩からの依頼。失踪した女子大生を捜すありふれた依頼と思っていたが…、
背景には札幌裏社会が関わるヤバいヤマだった…!
失踪した女子大生のバイト先である“表向き”はモデル事務所。
そこの美貌のオーナー、マリ。敵方味方か、文字通り探偵を振り回すファム・ファタール。探偵は昔、何処かで会ってるような…? 北川景子の美貌はこの世界観にぴったり映える。
世間一般的にはやり手の社長だが、本性はイカれたサディスト。この手の役柄はリリー・フランキーの十八番。
今回は原作には無いオリジナル・ストーリーらしく、監督もバトンタッチ。
多少代わり映えあったと言えるのは、スローモーションのアクションの見せ方くらいか。
粗い点や難点も。
あるVIPなSPゲストを迎えての一か八かのクライマックス、警官が多く配備されたあの場で、何で見た目バリバリヤクザのリリー社長が警官に警戒されないのかとか。何でマリが易々拳銃を持ち込めたのかとか。
でも、ここら辺も良くも悪くもの特徴。
宣伝にもなっている探偵史上最も哀しいラスト。
正直これは、『1』の方が哀しいものだった。
人によっては肩透かしに思うだろう。
だって、自分の○○でもないし、ただ○○○が同じなだけ。
たったそれだけの為に、手を血で汚し、危ない橋を渡る。
最初はちと動機が弱いかなと思ったが…、彼女の立場になって考えてみたら、結構じわじわときた。
生きてても死んでてもいい、空っぽの自分。
そんな自分に、あの時探偵がかけてくれた何気ない言葉。
命を燃やせるもの。
自分が命を燃やせるものとは…?
人も殺め、してきた事は決して許されない。
馬鹿で愚か。
大層な動機でもない。
が、たったそれだけの為に命を燃やす姿は、哀れで、憐れで、悲しく切ない。
そして探偵もまた命を燃やした。
それはシリーズに一貫している。
どんな状況であろうと、どんな理由であろうと、依頼人を守る為に命を燃やす。
さて、もう一つの話題、探偵と高田君の決別…?
これはある意味、オチだったね。
エンディング後の映像とか、このシリーズらしい。
暫くコンビ解消でなくて何より。電車で片道20分だもの(笑)
探偵はいつものBARで次の依頼を待っている。
面白い作品だと思います。
トラックの運転手が拳銃持ってたり、蟹の甲羅をあける描写から多少の出オチ感があることや、事件が現実離れしてたり、進め方がちょっと強引なとこがあったり等多少気になるとこが目に付くが、それを差し引いても面白いと思える作品だと思います。
特にエンドロール後のオチは札幌と近隣市町村との地理関係や北大の位置関係等を知ってるとより笑えますよ。
続編を期待しています
相変わらず、探偵と高田のお二人が最高でした
これまでの作品に比べて、
皆がよく話すようになり説明が多い
ヒロインに共感しにくい
早々に真犯人がわかってしまう
という点が気になりました
とはいえ、探偵の魅力は健在です⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
このシリーズが続いていくことを願っています!
大泉洋だからカッコイイ
この探偵役って、カッコイイ人がやったら滑ると思うんだよね。でも大泉洋がやるから、渋みが出てきてカッコよく見えるの。
ひょんなことから来た依頼をやってたら、大物ヤクザが絡む話で、身動き取れなくなってどーすんのさと。どうも敵側には探偵を知ってる女がいるみたいで、そりゃどーなってんのかとか。
それで「いよいよこりゃ、手を引かないとやばいぞ」ってなって、手を引いても良いと思うんだけど、そこは物語の主人公の探偵だから、情にほだされちゃうんだよね。
このシーンが凄く良かった。「どうしてそんな言い方しかできねえんだよ!」と『素直に言えば助けてやれるのに』と振っといて、北川景子が何か言いそうになると「何も言うな!」とか。「引き受けたらしいよ」を松田龍平が言うとか。
北川景子かわいかったよ。きれいな人っていうイメージだけど、可愛いシーンが多かった。
テーマは「人はなにか大事なものを見つける。他人からみたらどうでも良いことかも知れないけど」ってことなんだけど、納得感なかったな。納得感もたせるためには薄幸の女の人がやらないとなんだよね。でもそれだと北川景子をキャスティングできないね。
生きるために。
普通に暮らしていれば
普通に手にはいる何かのために
人は頑張れます。
だけど、
少し人生の歯車がくるえば
普通が普通ではなくなる。
人は
生きていくのに必要な
よりどころがなければ
とても、
不安定で虚しい生き物です。
みんな一生をかけて、
それを探して、
それに人生を捧げるんでは
ないでしょうか。
本作では、
マリのよりどころに
感情を揺さぶられます。
私も、
ここでのあまりの悲壮感に
やられました。ぐっときました。
普通に歩めなかった人生で
やっと見つけた自分のよりどころが
コレなのか…
自分のものでもない、日付だけの
繋がり…
あと、
本作がこれほど支持されるのは、
描かれている登場人物達の
人との距離感が心地いいからと
思ったりします。
自分もこういう人達と絡んで
人生を送れたら楽しそうだなという。
なにかにつけて
あきない作品で好きです。
おすすめ。
おもしろかったぁ〜
やっぱり、思った通り、期待通り、面白かった!
今回は監督が変わるのでちょっと心配していたんだけどまったく不問題。
監督の違いを大きく感じたのがお色気シーンがライトになったことかな???
パンイチ拷問シーンは良かったけど、今までなら探偵のブタ野郎M男も見れたかな???っと(笑)。
探偵の魅力といえば、やっぱりキャラ立ちと俳優の演技力のバランスでしょう〜。
とにかく岬マリが途中から峰不二子に見えてきて
ルパ~ン、助けてぇ💋
って、幻聴まで聞こえてきた。
そのくらい北川景子さんの天然悪女振りが板についてて探偵を翻弄する岬マリは最高です!でも単なる悪女じゃなくて。。。ラストはちょっと切ないというか、このラストにしなくても他に落としどころがあったんじゃないの???と思ってしまった。あまりにも岬マリが不憫で(涙)。
あとはリリー・フランキーさんの悪役振りの良さったら!もう最初から最後までゾクゾクしました!
鈴木砂羽さんは演技を抑えていたというか、普通というか、安定感があり、ご本人も仰っていましたが、作品のオアシス的な存在でした。これでモンローまでキャラが立ってたらガチャガチャ感が強くなりすぎちゃうからコレはコレでOK?
レギュラーキャラになって欲しいのですが、今回の展開を見るとゲストキャラにしかできそうにないのが残念。
んで、レギュラー陣の相田、重田、源ちゃんなどなど相変わらず良い味出してたし。あっ、3では源ちゃんにも活躍シーンあります!
モチロン探偵&高田のコンビは息ぴったりでしたヨ!
今回はコンビ解消かも!?という問題も出てくるんだけど、作中あまりにも触れられすぎなくて、もう少しエピソードを拾ってもいいのに?とも思ったものの、ラストで落とされました(笑)!
久しぶりにココにレビューを書きたくなった映画でした!
鑑賞料は2000円の価値あり♬
よかった
見比べていないのではっきりした事は言えないのだが、大泉洋さんのキャラが薄くなっているような感じがした。これまでのかっこよくて面白い、そこはそれまでと同じなのに薄味というか以前ほど魅力が感じられなかった。
北川景子さんが、生んだ子を里親に出して、その子が重病を患っており、他人のふりをして仲良くなって大金を渡そうとしているのかと思って感動して涙で目をにじませていたのだが、それが全く他人の子どもでただ思い入れているだけだと分ったら、損した気持ちになった。オレの涙を返せ。
自分の身内のヤクザから覚醒剤を強奪して、強奪されたヤクザに売りつけるというややこしいのが腑に落ちない。頑張ってこしらえたミステリー要素という感じがする。
前田敦子さんが出ていたことに後で気づいた。すっかりなり切って演じすぎているせいではないだろうか。オレがもともと人の顔をおぼえられないせいもあるけど、あっちゃんだと気づかせない凄さを感じた。
脚本、演出に致命的な欠陥が…
ヌルい映画だからダラッと楽しめばいいんだが、脚本と演出に我慢出来ない欠陥がある。
開巻で依頼人に携帯の番号を聞かれた主人公が、いつものBARの名刺を出して、大抵はここに居る、と答える。主人公が最初に依頼人と会ったのがあのBARだったのを観客は見ているので、お約束のシーンであったとしても、おかしな感じが拭えない。
主人公たちが敵から命からがら逃げたあと、主人公は自宅へ帰る。あり得んでしょう。すぐ追手がやって来るよ。
こういうところが気になって楽しめない。前作までは良かったのに。
松田龍平だけは相変わらずいい味出してます。ただし今回は出番が少ないのが残念。
命を燃やすものに出会う
自分の子ですらねぇのかよ…で、泣きました。辛い人生で、普通の人が手に入れられる物を得られずに苦労して、やっと、出会ったのが他人の子っていうのが、ぐっと胸に迫るものがあります。でも、出会うことができて良かったねえという気持ちもあったり。探偵二人組は緩くて呑気で抜けてて良かったです。よく考えたら探偵はBARにいるの1も2も見たことないんでした。水曜どうでしょうって感じでした。
全34件中、21~34件目を表示