「三度目の殺人(?)〜答えのない問い〜」三度目の殺人 やすもんさんの映画レビュー(感想・評価)
三度目の殺人(?)〜答えのない問い〜
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なんだかんだで福山雅治主演の映画を映画館で見るのは初めてだった。期待した役所と福山の駆け引きは十分なクオリティで見応えあり。
まるでカメレオンのように供述を帰る役所。弁護人は福山、吉田、満島の三人が演じているが、面会室での緊張感は尋常ではなかった。
是枝監督は法廷や拘置所の面会室のシーンでリアリティを求め何十回とシナリオを書き直したそうだ。他のキャストの演技も作品の緊張感を壊さない。
ただ、どこが三度目なのかという疑問は残った。役所演じる被告人は劇中では前科分を合わせても今回二度目の殺人であり、到底三度目とは言えない。映画を見終わった後、三度目の意味はあれのことだなと思い当たるが、それは決してこの国の司法制度の中では考えてはならないのことなのかもしれない。
"法廷では誰も自分の言うことを信じてはくれない"と言う被告人の諦めの言葉と裁判長の"訴訟経済"と言う言葉が不気味な響きを持って耳に残った。
結局、誰もこの事件の真相にたどり着けないまま映画は終幕する。
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