マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価
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重たい…
人間誰しも思い出したくない、忘れたい過去がある。しかし主人公の抱えるそれは、他人には計り知れない辛さと悲しみに満ちていて、消し去ることが不可能なもの…。観ている方も何とも言い難い、暗〜い、辛〜い、悲し〜い気分になります。アカデミー賞主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックさんのもはや演技を超えた、彼の人生そのものが投影されたような表情が、この作品に深みを与えていたように感じます。
少し気になったのが、ポスターのデザイン。別れた奥さんとのツーショットになっていますが、甥っ子ちゃんと釣りをする後ろ姿などが良かったのでは?彼と過ごす時間を通じて向き合う自分自身と過去の居場所がメインなので、と思いました。自分好みの映画ではありませんが、観て損はないです。
👏
取り返しのつかない現実 そして 人生は無情にも前に進んで行く それは皮肉=アイロニーというおかしみを生んでいく
現実を丁寧に描いてある 何も押し付けない それ故 観てる側は引き付けられていく こんな塩梅で描ける映画素晴らしい。役者も誰も余計な演技をしない。
小津や北野映画にも通ずる。
始まりの方で 主人公は配管工で色んな家に修理に行くのだが 家の主の苦情から色目まで の様々な感じがとても共感して 劇場で一人吹き出してしまった。
もう一度 今度は字幕を追わず 観たい
特別ではない静かな映画
とても静かに話が進む映画で人を選ぶ作品でした。伯父と親を亡くした子供の関係がメインで話が進み、特別な展開などは一切ありませんでした。
しかし観る人によってはどうしてそのように考え行動をしたのかを考えさせられ、特別なイベントがない限り普段生活するうえで全く考えないような日常をふと深く考えてみようかなと思えるような静かな映画でした。
それでも生きていくしかない。
鑑賞後にキャッチコピーを見ると改めて、なるほどなぁ、と思う。
「癒えない傷も。忘れられない痛みも。その心ごと、生きていく。」
なぜ、自分が生きているのか、自分が死んだほうがよかったのに、と思っていないはずかない人物が、心を凍りつかせながら、生きている。
そうしないと、生きていけないからだ。
元奥さんとの再会で、再びほぐされた心の行き場が、荒んだ心にいくしかないリアル。
強さなのか弱さなのか、という安直な言葉を飛び越えるほどの映画だった。乗り越えようとするわけでもなく、忘れようとするわけでもなく、それでも生きていくしかない現実。向き合わざるを得ない現実。
つらくないはずがない人ばかりが登場する映画。一人一人のつらさがあって、それでも生きていっている。
愛とは、簡単に渡したり、あげたりできるものではない。
兄が託したこの世で1番大切な息子のこと。
妻がずっと誰にも言えず抱えていた愛。
愛を受け取るわけにはいかない過去の罪。
生きていくしかない、と思えるのは、愛があったからかもしれない。
「自分で決めろ」「乗り越えられない」
この言葉が、こんなにも力強く、心に響くなんて、この映画だからこそだったと思った。
静かな作品。
変に大げさにせず、淡々と描いていて、出演者の演技もよかった。出てくる女がどれもひどいやつで、元妻の最後のシーンなんて、お前再婚して、子供作って幸せになっておいて、許しを請うなんて、なんて独りよがりでとんでもないやつかと思った。
アメリカと日本の様式の違いを感じることができたのも興味深かった。通勤に1時間もかかるって怒るけど、東京なら平均くらいでそんなことないな、とか、そういやばあちゃんの納骨のときも春まで待ったっけ、アメリカも同じだけど冷凍するのかかさばるな、とか、やっぱピザ食べるのかとか。普段の映画だと省略されがちなシーンも丁寧に描いているからこそ、リアルで、痛みが伝わるのだと思う。
波の音
身近に起こった哀しみや過去の心の傷との向き合い方を考えさせらる作品。新たな出会いや出来事で癒える傷もある、反対に時間が経っても癒えない傷もある。抱えて生きていくしかない…消えないよね…深すぎるものは。
主人公の過去を知るにつれてどんどん胸の奥が苦しくなるけど、音楽と風景がとてもキレイでちょっと癒された。エンドロールの波の音が映画の余韻に良い感じに浸らせてくれて心地よかった。
真っ暗というわけでもない
長くて地味だけど、真っ暗というわけでもない。
薄暗がりを目を凝らし手探りしながら何かを探し続ける感じでした。
生きるということを繰り返し繰り返し、繰り返し思います。
生きていればどうしたって避けられない可笑しみもうまく描かれ、引き込まれていきました。
キャストがなんともハマっていました。
マンチェスター・バイ・ザ・シーの海も街も、とても趣深く美しかったです。
鑑賞後に作品の感想を話し合う機会がありましたが、それはそれは人それぞれで面白かったです。
傷は癒えず大きな感動シーンもない。 街の人たちは皆親切でそれがまた...
傷は癒えず大きな感動シーンもない。 街の人たちは皆親切でそれがまた辛いのだろう。 ちょっと長いけど笑いのセンスも良く、なによりオープニングの海が良い。 凪いでいる心、そこにある海。 ケイシーアフレックが横向いて歩くときの顔の角度が兄にそっくり。
ふさぎ込み虚ろな日常が やり場のないエネルギーを蓄積していた
何となく満たされない心のすきまに忍び込んだ投げやりな気持ちから取り返しのつかない事態を招いてしまった雇われ便利屋の男。
ふさぎ込み虚ろな日常は、ビールのラッパ飲みでは発散できず、少しづつやり場のないエネルギーを蓄積して行き、突然隣のカウンターで飲む男を殴りつけたりする。
爆発する相手がガラス戸に拳を叩き込む自傷行為止まりならまだいい。人をホームから突き落としたり、車を暴走させたりして他人に危害を及ぼしたら身の破滅につながる。
そんな危険を思いとどまらせたのは厄介な甥の存在を通して見える「自制心」だけか・・
父親を亡くした息子と、兄を亡くした弟。葬儀や相続など、煩雑な手続き...
父親を亡くした息子と、兄を亡くした弟。葬儀や相続など、煩雑な手続きに追われながらも、これまでと変わらぬ毎日を送っているように見える。でも、残された人はずーっと悲しみ嘆きながら生きたりしない。ふとした瞬間に猛烈な感情に襲われる、その心の動きがとてもリアルだなと思った。
どんなに季節が移ろっても、壊れたこころは、深い悲しみは、完全に癒えることはないのかもしれない。完全に克服できるほど、人の心は都合よくできていないけど、その悲しみとどうにか折り合いをつけながら生きていく強さは持っているのかもしれないと思った。
みんなの抑えた演技が本当に素晴らしかった。
遅れてやっと上映
ケイシー・アフレックの過去を乗り切れない歯がゆさとミッシェル・ウイリアムズの後悔が何とも言えず切ない。パトリック役の子も良い。若さゆえの軽さと感情の持って行きどころがわからないジレンマと寂しさと。遅れてようやく上映になってなんとかスクリーンで観れてよかった。
納得
人間ドラマの映画というと悲しみや喜びで感動させる王道パターンが多い中で、この作品は比べるとそういった面では物足りなさを感じてしまうかもしれない。
作品説明の内容とは違う作品に感じる。映画を観終わった直後は賞をとった作品には感じられなかったけれど、帰りながら作品を振り返ると納得しました。
誰しもが経験することへの答えの1つとして、越えられない壁があってもいいんだということを教えてくれる映画でした。
日本は根性論というか、努力をすればという考えが強いのであまり受け入れられない映画かもしれませんが、現実を的確に捉えた作品だと思います。
切なく哀しい物語
主人公のリーがとにかく渋く、哀しく、そして切ない物語。彼が色々な事を我慢し、受け入れようと努力するが、自身の大きな過ちはそれを認めず、許さず、彼を苦しめる。ただ色々なわだかまりが幾つかとける事には少しほっとする。結末は言わないが、それはとても理解でき、みんなよく頑張った、本当によく頑張った。そしてこれからも、そこでそうして生きていくのだろう。そう思えた。ただ女性より男性の方が共感しやすいかも知れない。大人の男性向けの良作です。
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