マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価

マンチェスター・バイ・ザ・シー

劇場公開日 2017年5月13日
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誰にも理解してもらわないでいいという覚悟。

主人公のリーも、甥のパトリックも、いうなればとてつもない悲劇の当事者なのだが、他人の理解や共感を欲していない。わかるよ、辛かったね、なんて言葉をお互いに発することもない。そんな言葉が、自分たちの思いとは関係のないと本能的にわかっているかのごとく。

だから本作は、周囲の善意の人たちとの温度差の物語とも言える。みんなは悲劇に一方的に肩入れし、感傷の一部になりたいと望んでいる節さえある。意地悪な言い方をすれば、リーやパトリックに乗っかって悲劇がもたらすドラマを味わいたいのだ。

そしてその温度差や落差から生じるズレが、随所で笑いを呼び起こす。悲しいシチュエーションであっても可笑しさは伴うことができるし、その逆もまたしかり。悲劇と喜劇が相反するものではないと、凄まじい説得力で伝えてくれる傑作だと思う。

バッハ。
バッハ。さん / 2017年6月30日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  笑える 悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
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ゆっくりと哀しみを超え、心に灯火をもたらす傑作

冒頭、仏頂面で口下手なケイシー・アフレックを目にした時、これまで幾つもの映画で見慣れてきた、まさしく「彼ならでは」の演技のように思えた。しかし時を重ねるごとに印象は変わっていく。特に中盤の決定的な場面を過ぎると、彼がこれまでと同じように喋り、同じように俯いているだけでもう、涙がこみ上げ胸が締め付けられてたまらなくなる。

本作は二つの言い知れぬ悲劇と、そこからの再生を描く物語。全編にわたって深い悲しみが横たわるが、と同時に、ところどころに密やかなユーモアを忍びこませ、そのトッピングが時に哀しみをより痛切なものとし、また時に咽び泣く魂を微かな光で包み込み優しく昇華させていく。このロナーガン監督によるため息がこぼれるほどのタッチが観る者を引きつけ、我々の目線を叔父と甥、二人の行き着く先の風景にまでじっと付き添わせる。これは哀しみをゆっくりと超えていく映画。そうやって心に灯火をもたらす秀作だ。

ぐうたら
ぐうたらさん / 2017年5月31日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:映画館
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見事な構成、ケイシーの繊細な演技

リーが現在体験することと、過去に経験したこと=記憶を交互に描く構成が、驚くほど緻密であると同時に有機的だ。兄の訃報を受け帰郷するリー。提示される過去は、幸福な時期も確かにあったことをうかがわせる。一体どんな転機を経て、感情を殺し他人を拒絶して生きる現在に至ったのか。徐々に明かされる過程がスリリングであり、切なさを否応なくかき立てる。

この映画が改めて認識させるのは、「自我」が記憶の集積にほかならないこと。リーの人生をたどり疑似体験する行為は、観客自身の人生をアップデートするほどの力を秘めている。

結果論ではあるが、リー役がマット・デイモンからケイシー・アフレックに代わったのも成功要因だろう。デイモンの顔立ちや表情は善人、陽気、楽天的、武骨なキャラには向くが、リーの罪悪感、喪失、悔恨、諦念といった複雑な感情は、ケイシーの繊細な演技とニュートラルに整ったルックスでこそ効果的に表現できた。

AuVis
AuVisさん / 2017年5月19日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:試写会
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止まった時間が動き出す瞬間

過去に犯した罪の大きさ故に、その瞬間から時間も風景も感情も停止してしまったかのような男の状況を、監督は史上稀に見る大胆かつ巧みなカットバックと、同じ色彩を湛えたまま波に揺れる港町の情景を使って観客に伝えようとする。人はあまりに強い衝撃を受けると、そこから一歩も抜け出せないまま、ひたすらぼんやりと時を過ごすこともある。これほどリアルな時間の演出がかつてあっただろうかと思う。だからこそ、止まった時間が少し動く気配を見せる幕切れに感動と歓びが伴うのだ。何も起こらないのではない。時が徐々に稼働しようとするかすかな変化に心をそば立たせよう。

MP
MPさん / 2017年5月15日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 知的
  • 鑑賞方法:試写会
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悲しいけどホッとするとても良い映画

叔父リーが死んだ兄の息子パトリックの後見人に遺言状で指名される。

自分の不注意で家族を死なす悲しい過去があるリー。いいこそうに見えるけど2股かけてるパトリック。内容はなかなかだけど、出てくる人間に嫌な人はいない。思いやりのある人達が沢山出てきます。
普通にいそうな人たちが、悲しみをしょいながらゆっくりと乗り越えていく、心温ま映画。
担架の車輪がなかなかたためず手間がかかったりする場面や、葬式で携帯バイブが鳴ったりする、普段ありそうな描写が沢山あって、普通感を高めているのかな。
この監督映画、もっと見たくなりました。

lanachama
lanachamaさん / 2018年8月3日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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米国版 北の国から

冷んやりした街の空気が伝わってくる。いろいろある。うまくいかない。できることできないことがある。それでも生きていく。

xmaseve1974
xmaseve1974さん / 2018年7月21日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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静かなる映画 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

どうにも映画館に見に行って、途中退出したのがシャクでレンタルして見直してみた。
なにしろ、これ以来ただでさえ手間な劇場観賞が、余計面倒になってたしか映画館に行ってないかな。だいたいレンタル

吹き替えでみた。印象がかなり違って感じたのは、主人公がとにかく陰気くさくてどなりちらしてまるで共感出来なかったのが、声優さんの声質だろうか、だいぶマイルドな雰囲気になっている。

でも作品全体の印象はあまり変わらない。好きな人は好きなんだろうけど、こういう淡々とした展開が

自分も、まるで受け付けないわけじゃないんだが、ここまで何も最後までたいした変化もなく、主人公は終盤でまた酒場で乱闘するは、別れた奥さんとヨリを戻すでもないわ、故郷に帰るでもなく、死んだ兄貴の息子は結局引き取らないわ…そもそも見に行かなかったほうがよかったな…

風景が寒そうだが、なんかいいのと
自分の過失で家を全焼させてしまい、一家崩壊という辛い過去を持つ主人公の哀愁漂う雰囲気がいいという感じかなあ。

ジム・ジャームシュやヴィム・ベンダース、小津安二郎とか好きな人は好みそう
おれはこういうのはいいや。最後までみても自分も何があっても生きて行こう、という気分にもまるでならなかった。そういう終わり方じゃないんだもん

守銭奴
守銭奴さん / 2018年7月6日 / フィーチャーフォンから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  寝られる
  • 鑑賞方法:DVD/BD、映画館
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面白い。

乗り越えられない辛い過去や心にずっと残ったままのもやもやを抱え込んで、心を閉ざしてしまった主人公の物語。明るいままでも心を閉ざすことは出来るけれど、彼の場合は暗いケース。そういうものを抱えながら社会とどう関わっていくのか、生き方が問われる作品。

そうたん
そうたんさん / 2018年6月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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静かな中にある繊細な感情がゆっくりと伝わってくる 最初はただの偏屈... ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

静かな中にある繊細な感情がゆっくりと伝わってくる 最初はただの偏屈な男性かと思っていたら兄の存在を大事に思っていて子供の頃甥と過ごした時間があった
過去があまりにも辛すぎてほんとは友達がたくさんいて楽しい時を過ごしていたのに
救われない過去が彼を変えていた
兄が亡くなり
甥の存在が彼を徐々に救って行くのだろうと微かに明かりが見えてゆく

どんな人にも救いがあるんだと力を与えてくれる映画だ

ta-toru
ta-toruさん / 2018年6月6日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい 知的
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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全体的に悲しい話だがどこか心があったまった 脚本も演技も素晴らしく...

全体的に悲しい話だがどこか心があったまった 脚本も演技も素晴らしく特にケイシーアフレックの繊細な演技はアカデミー受賞も納得

コーヒー
コーヒーさん / 2018年5月29日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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過去に囚われ自分の殻にこもる男の再生。

絶妙に濁しあう感じ、ちょっと男くさいようで女々しく感じてしまった。

ゆき
ゆきさん / 2018年5月21日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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ケイシーが良かった。

劇場で観そびれて、今更ながら鑑賞して…後半は涙が止まらなかった。

アメリカの、マンチェスター・バイ・ザ・シーと云う小さな町で起きた出来事を通して、主人公の心の葛藤を描いた作品。

ボストンに住んでいた リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を知り 生まれ育った町 マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。
しかし、町に戻るということは 自分の過去と向き合うことでもあり、リーは常に苦しむこととなる。
甥である、パトリックの後見人として遺言を預かったリーだが、自身の苦しい過去から逃れられず、もがきながらも パトリックにとって正しいと思う道を模索する…。

とにかく、ケイシーが良かった!
今にも壊れそうで、観ているこちらが何とかして上げたいと思う程、胸が締め付けられ苦しくなりました。
後半も、過去に縛られ動けない姿に涙が止まりませんでした。

でも、パトリックが父の船を守ったことで いつかまた リーが このマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る日が来るかも知れないと思わせるエンドが また良かった。

m@yu-chan-nel
m@yu-chan-nelさん / 2018年4月29日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:VOD
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「沈黙は金なり」

"多くを語らない男が抱える過去とは?"

兄の死がきっかけとなり、
男の抱える過去、
周囲の人々が抱えているもの
が徐々に浮かび上がる。

ぼるとぼーい
ぼるとぼーいさん / 2018年4月24日 / スマートフォンから投稿
  • 評価: 2.5
  • 印象:  悲しい 難しい 幸せ
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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街角のシーンが胸にいつもある

観た人なら伝わると思う 街角のシーン。
主人公は赦しを求めてはいない。求めていないが不意に赦され救われてしまう。救われたくなんかないのに。それでまた混乱してしまう。

彼女の溢れ出る思いがずっと胸に残って、それだけでずっとこの作品を切なく思い出し続けるだろうと思う。

くまとも
くまともさん / 2018年4月19日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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孤独な男の悲しき人生。

寡黙な主人公…。

ただの孤独な男にしか見えませんでしたが、辛く苦しい過去を引きずって生きていたようです。

自分が犯したちょっとした不注意で、愛する家族を失ってし待ったことを悔やみながら生きる人生だなんて悲しすぎます。

そんな中、悲しみに追い打ちをかけるように、兄の訃報の知らせを受けてしまった彼。

不幸のどん底にいるのに、更に不幸になる人生…。

兄の残した一人息子の後見人となった彼ですが、自分のことで手一杯の彼にとってこれ以上の負担は無理なのです。

苦しいときほど人は苦しみに溺れてしまう生き物なのでしょうか。

だとしても、どうにか悲しみから脱却して、一歩でも先に踏み出して欲しいものです。

そうすれば少しずつ、環境も人も変わってくると思うのです…。

これから先、彼が少しでも幸せになってくれるといいですね。

ガーコ
ガーコさん / 2018年4月15日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:VOD
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にんげん讃歌

人間の生きる意味って考えたことないけど、ある瞬間に気づくんだろう。それがこの映画に映ってる。ケイシーは登ったね。良かった。息子役も愛おしい。等身大の素晴らしさ

けつお
けつおさん / 2018年4月10日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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淡々と話が進んでいく系。起承転結、ハラハラドキドキはないので、ヒュ...

淡々と話が進んでいく系。起承転結、ハラハラドキドキはないので、ヒューマンストーリー系が好きな人にはいい。

kky
kkyさん / 2018年4月9日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 2.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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美しさとさもしい感じ

良い映画はこんな感じでうまく感想が言えないですね。映像、会話、間、が調和していました。
雰囲気を街と脚本で醸してる。

神代もきかず竜田川
神代もきかず竜田川さん / 2018年4月5日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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実話のようなリアリティ、過去から逃げられない現実

自分自身とは全く異なる世界のフィクションなはずなのに、まるで実話のようなリアリティ。主人公に感情移入しまくって、自分が映画の中で生活しているかのような錯覚を覚える。

主人公とその周囲の喪失感と、自分自身の経験した喪失感がシンクロする。とても他人事とは思えない。

過去に対する後悔の気持ち。現在進行の描写と過去記憶的な描写を混在させて表現してくるので、観ている自分自身が記憶の彼方に意図的に投げ捨ててきた後悔の気持ちがふつふつとよみがえってくる。

人間は過去とくに後悔の記憶とは無縁ではないが、健康に生きていくために無意識に無縁にしようとしているのだろう。けど、完全に捨て去ることは不可能。過去の記憶・後悔は永遠に人間を苛むのだろうか。つらい過去と上手く共存することはできないのだろうか。

osan
osanさん / 2018年3月27日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい
  • 鑑賞方法:-
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これは辛い

故郷で暮らしていた兄が亡くなり、ボストンに住んでいる主人公(ケイシー・アフレック)は帰郷する。
兄にはとてもよくしてもらっていたのだが、故郷には辛い過去があった。
遺言で甥っ子の後見人に指名され、主人公は過去を振り返ることに。
とてもよくできたホームドラマで、最後は頑張れ、と声援を送りたくなる。

いやよセブン
いやよセブンさん / 2018年3月23日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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