哭声 コクソンのレビュー・感想・評価
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國村隼の演技が大きく支える
<映画のことば>
父さんは警察官だ。
父さんがすべて解決する。
父さんが…。
猟奇的な事件が次々と起こり、村人の体には奇病(原因不明の湿疹)が現れる。
そういう不可解・解決困難な状況下で、市井には揣摩臆測が入り乱れて、ある者は医師に任せるべきだといい、またある者は祈祷師の力に頼り呪術で問題の解決を図ろうとする―。
そのなかでも、少しばかり(かなり?)ピント外れながら、娘のヒョンジを思いやる父親ジョングの姿が印象に残りました。評論子には。
さしずめ、ソフトホラーのストーリーが本作のヨコ糸であるとすれば、ジョングの父親としての娘ヒョンジに対する「想い」がそのタテ糸といったところではないでしょうか。
冒頭の映画のことばは、そこのとを指すものとして、本作の全体を通じたキーになっていると思います。
作中では最後の最後のエンドロール直前になって、初めて語られるのですけれども。
そして、映画作品としても、ともすれば単調なサスペンスものに陥りそうなところ、脇筋の―否、かなり共演にも近い?―謎の男(國村隼)か、いい役を演じて「流れ」を作っているように思われます。
それら、これらを併せて評すれば、佳作としての評価が適切な一本かと思います。
(追記)
主役を張ったクァク・ドウォンも、いい味を出していましたけれども…。ホント、國村隼の演技が光っていましたね。本作では。特筆ものだと思います。
善玉も悪玉も卒なく演ずる彼のキャラクターもあって、なかなか彼の正体がつかめない―。
そのことが、本作に「味わい」を付加していたことは、事実だと思います。
見る人によって結末が変わる映画
2.98そこまでグロくはない
そこまでグロくはなかった。トリックを思い出す作品
祈祷師バトルは面白かった。
バイオハザードとアジア祈祷バトルなのでそこまで怖くなかった
落ちはお粗末
ゲームだったら面白かったんだろうなぁ・・・
なんじゃこれ
これは好き嫌いが分かれる
國村隼の演技力
どう観えたかが全て
キリスト教と絡む話だそうですが…その当たりは全く分からないのでスルー。
この映画で明確な事は
小さな町の住人の身体中に酷い発疹が出来る。
行動がおかしくなる。
猟奇殺人を起こす。
そして変死する。
が次々に起こる。
それだけ。
主人公の警官目線で原因を追ってく事になるが
人伝の話、噂ばかり入り混じり…
確かな物を目にすること無くただただ混沌
としていく。
結局何だったのか明かされない事ばかり。
胸糞というほどでも無いけど……
終盤出てくる言葉
「わたしが何者かはお前はもう確信している それはもう変わらない」
「私の手や足を見なさい私は私だ」
こっちに投げかけられた言葉だと思います。
何と無く意図はわかるがこっちに委ね過ぎだよなぁ!という想いは残りました。
【心理的なハラハラがすごい。エンドロール直前まで観客の心を二転三転させてくれる哲学系ホラーミステリー】
・2016年公開の韓国のミステリーホラー映画。
・とある田舎の村「コクソン」で、村人が動機もなく家族を惨殺する事件が立て続けに発生する。主人公である警察官のジョングは、当初は「山の中に住む日本人が関係している」という意見に耳を貸さなかったものの、異常な状況を目にしていくつれて日本人を疑いだす。そして、自身の娘もおかしな言動が増え始め、次第に日本人と呪術が一連の事件と関連しているとして日本人の正体を追いつつ、祈祷師に娘の除霊をお願いする。除霊の儀式を行うも娘の容態は悪化していくことにしびれを切らし、ついに強硬的に日本人の居場所に押し掛ける。事件の真相とはいったい・・・ という大枠ストーリー。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[お勧めのポイント]
・観客の「疑う心」を最後まで二転三転させてくれる
・答えがないようで答えがある
・散りばめられたヒントを追うために二度観したくなる
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[物語]
・この映画のポイントは「疑い」。キャラクターたちの「疑う心」、観客の「疑う心」。それらが二転三転させられます。観ているこちらも、最後の最後まで「結局犯人は誰で、事件の真相は何なのか」ということに翻弄されます。そういう意味では、エンディングロールに入るまでハラハラを継続させてくれる見ごたえのある物語だと思います。
[演出]
・主人公(追う側)視点で國村隼さん演じる日本人を魅せる際の不気味な感じ。逆に日本人(追われる側)視点で魅せる際のピンチな感じ。洞窟内で神父助手と話をしている際に天使か悪魔か不明瞭な状態の視点で魅せる色のない感じ。一人の人間を様々な角度から魅せることで、観ている側の印象がこうも変えられていることに驚きました。事実は一つのはずなのに、魅せられ方で捉え方が自然と変わっている自身の心の動きが面白くて、心理的なアトラクションにのせらている気分になりました。
[映像]
・農村風景が日本のそれと似ていて、どこか懐かしさを覚える心地よさがありました。
[音楽]
・際立って感じたことはありませんでした。
[演技・配役]
・主人公ジョングを演じる「クァク・ドウォン」さんは、一見、友達にいそうな顔立ちで「主人公?」と思ってしまうのですが、その親近感の沸く弱さの表現と次第に狂気じみていく際の目の鋭さ、このギャップがすごいなぁと思いました。
・韓国俳優さんに囲まれて國村隼さんが演じていることになんだか胸を張りたくなるような嬉しさがわきます笑 多くを話さない役柄なのですが、不気味さがすごいです。
[全体]
・エンドロールが始まると、「え?で、結局こういうことでいいの?」と多少思います。ただ、この映画のすごいところは、観客によって異なる可能性があるにせよ、一旦、それぞれの結論を出せるように構成されているところです。「悪魔とは」「日本人とは」「祈祷師とは」「女の正体とは」を観ている人がどう解釈するかによって、結論の色が決まります。が、それでもどうもモヤモヤが残って「え?で、結局こういうことでいいの?」と。そこで、他の方のレビューを見てみると、割と監督の意図に近いと思われる解釈ガイドが沢山あります。それを見て、90%近くの腹落ちができるので消化不良にならずに映画鑑賞を終えられるところが良かったです。
・私が解釈したこの映画の本質のさわりだけ言いますと、「事実(人やモノや出来事)は一つなのに、それを見る人次第でどうにでも移り変わる≒疑いの目でみればそれが事実に見えるもの」ということ。この実世界でも、様々なものを見聞きして解釈して、善悪を決めたりなどもしますが、果たしてそれが本当に「事実」なのでしょうか。今一度、冷静に物事を見つめなおしてみると、見える世界が変わるかもしれませんね。そんなことをそっと言われた気がします。
・心理的ハラハラで楽しませてくれるホラーミステリー系物語の裏に、哲学的なメッセージが見え隠れする映画。個人的には結構楽しめました。皆様も一度、鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
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#全体3.6 #物語3.7 #演出3.6 #演技3.6 #配役3.6 #映像3.5 #音楽3.5
コクソン考察
誰が悪魔か?
自分の中では白い服の女、日本人、両方が神であり悪魔です。
最後のシーンで日本人の姿を悪魔としてみたら変わった様に見方で変わります。
事件現場には、双方の痕跡があり結局人は救えていません。
双方、霊的な存在であり互いを悪霊としてみなしています。
このことから互いが足を引っ張り、結果的に人を救えないという現状があるのだと思います。
宗教間の対立で結局人が救えないという。現実にある問題だと思います。
毒キノコが人間をおかしくした主な原因であると思われます。
しかし、女が祈とう師に日本人を攻撃するように仕向けてたり、一般人に幻覚を見せたりしたと思われます。異国の神から自分の領域を守る為の防衛だったのかもしれない。
一方、日本人も人の魂を救済していたのか収穫していたのか判断できません。
人間の都合で動くものが神ではありません。
昔、キリスト教で言う他宗教の神、それは悪魔です。
しかし、その地に住む人々の心を救ってきた神でもあります。
他宗教の神、それを信仰する人、異文化に寛容であればこの映画の人々にも救いがあったのかもしれません。
つまり、民主主義って大事ですね
過去鑑賞
これもレビューしてなかったですね。
訳の分からない作品だとの話を少しだけ聞いていたので、いったいどのようなお話なのかと身構えながら鑑賞しました。
難解な点もありましたが、156分の長さを感じさせないくらい面白かったです。
確かによくよく考えてみれば、結局本当のところはどうだったのか?、あれはどういう意味だったのか?等疑問点は多々浮かぶものの、単純にエンターテイメント作品としても観られないわけではないですし、何より不可思議な魅力が溢れる作品である事は間違いないと思います。
いろんなサイトで様々な意見・解釈が書かれているみたいですし、それらを読んだ上でいつか再鑑賞してみたいです。
それにしても國村隼さんの存在感は流石でしたし、ヒョンギ役のキム・ファニさんの演技も秀逸でしたね。
よくわからないオカルト映画。
とにかく長くて苦痛。最初は反日プロパガンダ映画かと思ったが、よく分からないオカルト映画だった。韓国の人達には非科学的な思考回路をしている人が多い、と思わざるを得ない。演技力が光るのは國村隼と主人公の娘さん役。國村隼はよくこんな役を受けたものだと思う。
何が正しいのか
とにかく國村隼の怪演が目に焼き付けられる。どの国にも素晴らしい演者がいるものだ。韓国映画の静かな表現の中に現れる狂気や狂暴な恐怖は他の国の映画では味わう事の出来ない空気感である。それに國村隼演じる謎の日本人が良いスパイスとして引き立ててくれた。それほど残虐描写に頼った作品ではないが、韓国映画はこの空気感が物凄くグロテスクに見えるのである。
本作はサスペンススリラーと表現されているが、本格的なホラー作品だと思う。ややコミカルな前半から後半に行くに連れだんだん怖くなってくる所は面白い。國村隼は日本人役なのだが、前半から「コイツが絶対悪の根源だろ」と思わせる演出やセリフがあり、こちらもそのつもりで鑑賞し、注意深く動向を見守るようにしていた。それがどうだろう、後半は何を信じたら良いのかが全く分からなくなるのである。「悪魔」や「祈祷師」というエクソシスト的ワードが出てくるが、軸の1つとしてそれは明確に劇中でも描かれている。「エクソシスト」の韓国解釈版と考えても良いのだが、本作ではその要素に誰を信じるのかという疑心暗鬼に陥るような湿り気のある怖さが加わって来る。主人公に近づく白い服の女が怪しく見えたかと思えば、どこか祈祷師の言動に違和感を覚えたりなど、人を信じることが出来ない作品だ。実際に韓国では何かあると祈祷師に頼る事がある。地方に行けばよりそれが色濃く出てくる為、韓国人の方が本作に対する怖さをより具体的に感じるだろう。
インタビューに際して、監督は本作を「今の韓国を写した様な作品」と表現していたが、「チェイサー」でも韓国社会の闇の部分を描いたように、本作では宗教的な内容であり、ましてや日本人が出てくる辺りなども考えると、旧統一教会と存在が重なってしまう。終盤の洞窟で國村隼が日本語で話すシーンでは多くの事が描かれている。映画冒頭、イエス・キリストの「私の手に触れてみろ~」の旧約聖書の一文が登場するが、それがこのシーンに生きてくる。ここは要チェックのポインドだ。どの国にも陰と陽があるだろうが、ナ・ホンジン監督の作品を観ていると、平和に暮らしている自分がどれだけ幸せであるかを実感させられる。
オドロオドロしい(國村隼が・・・)
2016年(韓国)監督:ナ・ホンジン。
この映画は未開の国の香りがします。
兎も角、風景が綺麗です。
雲海を頂く山々。深い深緑、山々を抜けるハイウェイ・・・
山々の美しさは、ジャングルを思わせるのです。
対照的に民家は土着的そのもの。
題名のコクソンの意味は(泣き喚くこと。そして地名の「谷城・・コクソンと読む」この2つをかけたもの。)
日本人の謎の男(國村隼)が村に住み着いてから頻発する・・・
・・・村人が家族を惨殺する事件・・・
警察官のジョング(クァク・ドウォン)は、日本人の男の仕業・・・と確信する。
男の家に無断で侵入すると事件の写真が壁一面に張られている。
(この時ジョングは携帯で証拠を撮影するべきでしたね・・・
でもこの映画はサスペンス映画ではありません。
ゾンビも登場する、「オカルト映画」だと私は思うのですね。
ナ・ホジン監督が興味深いことを話しています。
日本人の男(國村隼)を起用した理由。
ナ監督が思うにキリストとは、
「歴史上最も世界に混乱を与え、疑念を持たれた人物の一人」
この言葉は響きますね。
アラーの神も、ヒトラーも、同類に入れてもいいかな!
その混乱を与える男が日本人の國村隼と言うわけです。
重要な役で祈祷師イルグァン(ファン・ジョンミン)が出て来ます。
彼の祈祷師の儀式は生贄の山羊や鶏の首を切り落としてする、アフリカのブードゥー教の生贄の儀式・・・を思わせます。
薪を燃やす描写は日本の祭り・・をイメージしています。
だから多国籍つまり「ごった煮」なんです。
この映画・・・ドロドロの情念と難解・複雑な緊張と努力を強いられる映画。
韓国人をちょとばかり尊敬しました。
この映画を675万人が観たとか。
「哭声/コクソン」は、私的には、娯楽性が薄い(多分、韓国の方には娯楽なのでしょうが、)
・・・疲れるし長いし、特に楽しくもなかったです。
だから韓国映画はやめられない
わかりやすい答え合わせが一切無い。かと言って、よくわかんないけど凄かったね〜、という観賞の仕方もアリ。
神様って意外と助けてくれないんだよね、というのも世の常で。
アメコミのコンスタンティンだって、神と天使と、人間と堕天使のビジネスが複雑で、立場くるくる変わるし。
この映画の、後半の人間じゃ無いっぽい3人の三つ巴だって、お互い探り探りみたいだし。
大昔、写真は魂を抜かれる、って言ってたらしいけど、それって、韓国でもそうなのかな。
お父さんは、罪を告げられます。それって完全に神様目線の罰だよね。公平といえばこれ以上の公平は無い。えええ?って文句言いたくなるけど言えない。え、でもその前から罰的なものは始まってなかった?時々流れるニュースもよく聞いとかなきゃ。
ところで、國村さんがゾンビ作ってた、って言われてるけど、ゾンビになるのを阻止してた、のかもしれないし、そこもハッキリされてない。と、見る。
答え合わせは無い、と言ったけど、あちこちにヒントが散りばめられていて、何度も見直しちゃうんだな。
ひとつだけ、誰か教えてください!祈祷師が、愚か者め、餌を飲み込んでしまったな、と言ってるのは、誰の何のことでしょう。これだけが本当にわからない。大事なシーンだと思うのよ。冒頭の釣りのシーンとつながる。
この映画、面白い!と思う、自分の心を信じましょう。人のレビュー見て揺らいじゃダメですよ。
3回目見てわかった。餌を飲み込んでしまった愚か者はお父さんのことだね。
あと疑問点は、娘を救おうとしている女。白い衣って、なんか、聖書に書いてあったような。
ごめん、3回見たあとまたダラダラ続けちゃうけど。
悪霊は、娘に取り憑いてる奴で、あとの3人はそれぞれ、天使と人間と悪魔を行ったり来たりできる存在で、それぞれ管轄が違うから、お互いのことは全然わかってなくて。女は見守ったり、チクったり結界を張るくらいしか出来なくて、祈祷師はちょっと悪魔寄りだけど、神をとても恐れている。國村さんは結構捻くれていて霊的苦労が多かったんじゃなかろか。彼らにもキャリアって関係するのかな。
で、えええ⁉︎釣り糸垂らして遊んでいるのは神様だったりして?
キリスト教色が強すぎ…
挑戦的で映画的で実に面白い
韓国の人の何割かはキリスト教である。
儒教の影響も強い。
そのあたりの知識が無いとこの点数は2点ぐらいになっちゃう。
でももったいないから色々調べると楽しいよ。
監督は簡単には解釈を手助けしてくれない。
謎解きを許してくれない。
イエス・キリストがいる。
マリアがいる。
マタンゴもいる。
謎めいた映画で考察好きはハマりそう。
シネマート新宿さんのブースト上映企画で鑑賞。初見なんです。上映当時、韓国でリピーターが沢山で大ヒットだったそうですね。頷けます。謎だらけですからね。あれはどういう意味?あいつはなんだったの?・・・こんな問いかけが頭の中で無限ループしそうです。
面白い物語です。安易に謎を散りばめているってわけではなく、人間は自身が信じたことを真とするって本質にイエスキリストという「存在」と絡めていきキリスト教を背景に持っていくあたりはなかなかの展開を見せてくれます。人間が人間を疑う、争う、いざこざがなくならない・・・それはつまり三者三様の正義があるからですよね。同じものを見ても、見る角度が変われば捉え方は変わる。その人がそう思うなら、悪魔だと思えば悪魔認定となってしまう。もちろんその逆も。人間の本質です。
この本質を使ってのサスペンスは見るものに「犯人探し」をさせるものの、実は「何が正しいの?」を常に考えさせる物語ともなっているんですよね。ちょいちょいヒントらしきものを見せていき緊張を高めていく感じ、好きですねー。
色々と書くとと全部ネタバレになっちゃうのでこんな感想ですみません。
あ、國村隼さんが名演です。というか作品の幹となっています。素晴らしかった。
韓国発エクソシストムービー!
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