劇場公開日 2017年3月11日 PROMOTION

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哭声 コクソン : 特集

2017年2月27日更新

これまでの“映画体験”も“知識”も役に立たない《究極のスリラー》 
“言語化”すらできないこの《壮絶なる衝撃》をあなたは完全に理解できるか?

青龍映画賞5冠、大鐘賞5冠を達成し、カンヌでも高く評価された話題作がついに日本公開
青龍映画賞5冠、大鐘賞5冠を達成し、カンヌでも高く評価された話題作がついに日本公開

これは「殺人の追憶」なのか、「アイアムアヒーロー」なのか、「エクソシスト」なのか……? 映画ファンのこれまでの経験も知識も超える、壮絶な作品が登場した。「チェイサー」のナ・ホンジン監督が、日本から國村隼を“謎の男”役に迎えて撮り上げた「哭声 コクソン」が、3月11日よりついに全国公開される!


自分はいったい今「何」を見ているのか? 
本作を見た映画.comの感想は──「“何か”とんでもないものを見てしまった……」

平凡な村で起こった連続殺人との関係は? よそ者を演じた國村隼の存在感が圧倒的!
平凡な村で起こった連続殺人との関係は? よそ者を演じた國村隼の存在感が圧倒的!

平和な田舎の村にやってきた、得体の知れないよそ者の男(國村隼)。彼は、何のために来たのか。男についての謎めいたうわさが広がるなか、村人が自身の家族を虐殺する事件が多発していく。殺人を犯した村人に共通していたのは、湿しんで肌がただれ、濁った目で言葉を発することもできない状態に陥っていることだった。事件を担当することになった村の警官ジョング(クァク・ドウォン)は、自分の娘に殺人犯たちと同じ湿しんがあることに気づく。娘を救うためにジョングがよそ者を追い詰めるが、彼の行動をきっかけに、事態は混乱を極めていく。

村の警官ジョング(右)は、村はずれに住む謎の日本人と対じするが……
村の警官ジョング(右)は、村はずれに住む謎の日本人と対じするが……

「チェイサー」「哀しき獣」の2作品で、韓国映画を代表するひとりとしての評価を築いたナ・ホンジン監督が、スピード感あふれる作風から一転、ジワジワと首を絞め上げるようにスリルを高めていく新たなサスペンス・スリラーを創出した。いったい、我々は何を見せられているのか。この物語は何なのか。予想を超えた“とんでもないもの”を見せつけられるのが、本作「哭声 コクソン」なのだ。

序盤は、傑作「殺人の追憶」(右)を思わせるサスペンスタッチで物語が進む
序盤は、傑作「殺人の追憶」(右)を思わせるサスペンスタッチで物語が進む

平和な村を舞台にした連続殺人事件を描く韓国映画、ということから、当初はポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」をほうふつとさせる作品なのではないかと見始めた。事件を追う主人公もふっくらとした顔つきで、少しおどけたイメージなのも似ている。加えて、画面から漂う本格派の匂いも共通。犯人を捜す本格ミステリーなのだなと予想し、物語へと入っていった。

壮絶な現場で茫然とする加害者の身体には、皆、湿しんが発生する同じ症状が……
壮絶な現場で茫然とする加害者の身体には、皆、湿しんが発生する同じ症状が……

だが、やがてその予想はおかしいと我々は気づく。凄惨な殺人事件を起こした犯人たち──体中が湿しんでただれ、うつろな目をした者が、狂気に駆られて人々を襲う姿を目撃するのだ。1人また1人と人間性を失い、凶暴さを持つ者が増えていく惨劇といえば……ゾンビ!? この映画は、「アイアムアヒーロー」のような感染パニックものなのか?

湿しんはジョングの娘にも発生。「エクソシスト」(右)の少女のような変貌を見せる
湿しんはジョングの娘にも発生。「エクソシスト」(右)の少女のような変貌を見せる

気持ちを切り替えるが、物語は、またもやその予想は違っていたと思わざるをえない事態に突入する。謎の湿しんは主人公警官の愛らしい娘にも発症していて、彼女が別の何者かに変貌していくさまが描かれるのだ。微笑ましいほどに慕っていた父に暴言を吐き、獣のように飯を食らう。祈とう師(ファン・ジョンミン)まで登場する展開は、まるで「エクソシスト」ではないか。

見る者の感覚が徐々にゆがんでいく感覚は、「マルホランド・ドライブ」(右)のよう
見る者の感覚が徐々にゆがんでいく感覚は、「マルホランド・ドライブ」(右)のよう

だが本作は、そんな、我々がこれまで見てきた映画の範ちゅう、ジャンルに収まるものでは到底なかった。そうか、何かと比較するだけ無駄なのだ。スクリーンからは、濃厚かつ壮絶な展開がたたみ掛けてくる。娘は助かるのか? 謎の湿しんと殺人事件との関係は? そして、村はずれに住むよそ者の正体とは? 映し出されることは、本当に真実なのか。異様な迫力をたたえた結末に、ただ息を飲むしかなかった……。


世界的鬼才監督によるこの「言葉にできない衝撃」を 
全米批評サイトも、カンヌ映画祭も、世界各国の映画祭も激賞!

國村隼(右)を演出中の韓国の鬼才監督ナ・ホンジン(左)
國村隼(右)を演出中の韓国の鬼才監督ナ・ホンジン(左)

見る者の予想をことごとく覆し、まるでこの世の闇へといざなっていくような作品が本作。言葉にできないほどの衝撃は、大胆かつ緻密に積み上げられたクオリティのたまものだ。デビュー作「チェイサー」で韓国の映画賞はもちろん、シッチェス・カタロニア国際映画祭、ドーヴィル・アジア映画祭で受賞するなど、早くも世界的評価を集めたのがナ・ホンジン監督。同作はレオナルド・ディカプリオがリメイク権を購入して話題となり、続く「哀しき獣」もシッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞を受賞し、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で正式上映された。「哭声 コクソン」は、まさに世界的鬼才監督の待望の最新作なのだ。

(左から)國村、クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、チョン・ウヒ
(左から)國村、クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、チョン・ウヒ

本作の作品力の高さは、アメリカの有力批評サイトでの評論家によるスコアからもうかがえる。「Rotten Tomatoes」では、17年2月10日現在で「99%」という評価。鑑賞してレビューを寄せている評論家数に差はあるが、これはクリント・イーストウッド監督の「ハドソン川の奇跡」(85%)やアカデミー賞作品「レヴェナント 蘇えりし者」(81%)をはるかに上回る数字だ。

祈とう師役として鬼気迫る演技を見せるのは、「ベテラン」のファン・ジョンミン
祈とう師役として鬼気迫る演技を見せるのは、「ベテラン」のファン・ジョンミン

デビュー作「チェイサー」を皮切りにすべての作品がカンヌ国際映画祭で公式上映されてきたのがナ監督。本作がカンヌで上映された際には、「近年の韓国映画のベスト」と称され、ティエリ・プリモ執行委員長に「次はコンペティション部門で会いましょう」と言わしめた。さらにセントラル・オハイオ、フェニックス、シアトルの批評家協会賞のほか、ファンタジア映画祭でも注目を浴びた。

この男は何者なのか? 物語のカギを握る謎の日本人“よそ者”役を國村が怪演!
この男は何者なのか? 物語のカギを握る謎の日本人“よそ者”役を國村が怪演!

そして、本作で謎のよそ者を演じ、圧倒的かつ異様な存在感を示した國村隼が、日本人俳優として快挙を果たした。韓国で最も権威ある映画賞のひとつ「青龍映画賞」で助演男優賞と人気スター賞の2冠を獲得。これは外国人俳優として史上初の受賞となった。半裸で森をさまよい、巨大な滝に打たれるなど、役者魂をさく裂させる國村の怪演は必見だ。


本作は、観客それぞれの解釈により「完成」する
これは映画評論家・清水節の“ひとつの解釈例”、あなたは──どう“解釈”する?

「たった1つの解釈を定義する作品ではありません。観客が整理して完成させる映画なのです」とは、来日時のイベントでナ・ホンジン監督が語った言葉。さまざまなジャンルを超えて姿を変えていく衝撃作をどう受け止め、どう理解していくかは、観客の判断に委ねられているのだ。ここでは、作品をひも解くひとつのヒントとして、映画評論家・清水節氏のレビューを掲載。この解釈に同意するもよし、「いや、違う」と感じるもよし。「哭声 コクソン」全容解明のきっかけとしてもらえれば幸いだ。

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