「湿度の高い、まとわりつくような恐怖」哭声 コクソン めいさんの映画レビュー(感想・評価)
湿度の高い、まとわりつくような恐怖
韓国の地方のある山村では、村人が発狂し家族を惨殺する事件が続いていた。警察官ジュングはよそ者の日本人が事件の元凶ではないかと疑い始めるが、自らの娘もおかしくなり、自分自身も巻き込まれていく。
最初裸の國村隼さんが山奥にいる画がシュールで笑ってたのに、見終わった後はなんとも後味の悪い恐怖が残った。山奥に住む怪しげなよそ者を演じる國村隼さんが、この映画で韓国の映画賞を授賞したのが話題だけど、さすがの存在感で、観た後はあの顔がトラウマになるレベルに…。
頭のおかしなよそ者が村全体を恐怖に陥れていくパニック系のサスペンスかと思いきや、土着的な得体の知れないものが静かにジワジワと迫ってくるホラーだった。音で恐怖を煽るハリウッド系のホラー(1月に観たドントブリーズとか)とは真逆の演出。不快な程湿度の高い、まとわりつくような恐怖を体験できた。
冒頭、國村隼さんが裸で四つん這いで森走ってて、シュールすぎて笑ってしまったのに、それが観終わったらトラウマになりそうになるなんて…。ストーリーは謎の解決に近づいたかと思えば、二転三転し、先の読めない緊張感を持って観ることが出来た。ホラーが好きな人、民俗学的な怪談が好きな人にお薦めしたい。
混沌とした謎のパワーを感じる映画だった。
コメントする