午後8時の訪問者のレビュー・感想・評価
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やはりド派手な作品に見慣れているせいか
ちょっと迫力不足か?! 別にその程度の事はとっくに警察で調べていると思われるが?ハリウッド作品や邦画の一流スターが出演していれば見応えがあったのだが?
知らない女の子、だけど
ベルギーの閉塞した一地方都市。構成は『サンドラの週末』に似ていると思いました。 最後に彼女とするハグが重いですね。いろいろ考えさせられる作品です。
いい人は悩む
フランス人って全然微笑まないのね。 可愛くて優しいのに無愛想で… 夜8時の訪問者を巡り 大きな陰謀、事件が繰り広げられ、 可愛く若い女医が自分を叱責しつつ 必死に解決へと導く。 ということは無く、 非常に現実的な話だったな、と思った。 身近なところで身近な人が起こした事件。 結果から見ればサスペンスとしては 動きは小さくこじんまりしていた。 そんなに責任を感じる必要もないのに 感じてしまう責任。 それは何だか良く分かる。 映画を通して、彼女がとても面倒見の良い人だってことはよく分かった。 彼女の家族とか背景は何も描かれず すごく孤独な気がして可愛そうになった。 研修医のこととか、 事件のこととか、 責任を感じてしまった彼女は救われたのかなぁ…。
きっと、一人ひとりの良心のあり方を問われます
いまさら、良心ですか?と正面から問われるとちょっと口籠もってしまいそうですが、やはりそうです、と答えるしかないですね。 経済格差、差別、移民、テロ、自国第一主義、EU(設立の理念も含めた)崩壊の危機。どれもこれも個人のレベルで対処することの難しい大きな問題ですが、だからこそ今、個人で出来ることは何か、その行動基準は何か、ということを観るもの一人ひとりに問いかけてくる映画だと思いました。 死んだ者を蘇らせることは出来ないが、悼むこと、偲ぶことは出来る。それは名前を取り戻して、埋葬すること。それが8時5分に扉を開けなかったことの唯一の償い方。 例えば、難民のボートが沈んで、名前など誰もわからないままのたくさんの死者を悼み、偲ぶことは難しいですが、この街で生活してた誰某(名前)として埋葬されれば、遺族や少しでも関わりのあった方は、故人の生前のことに想いを馳せ、想像することで生きてる方の心の中に蘇らせることは出来ます。 ジェニーはきっとそう考え、それを実現させるために行動したのでしょう。良心とか、良心に基づく責任の取り方というものは、本人が決めることなので、他人が口を挟む余地はありません。だからこそ、ジェニーの行動には、我々からすると、何でそこまでするの?と思うようなことがあったのだと思います。 『たかが世界の終わり』に続き、このような(きっと興行的にはリスクのありそうな)作品作りを許容するフランス文化の奥深さにまたもガツンと打ちのめされました。
ただ、暗い気持ちになっただけの映画。
例えば『サンドラの週末』などもそうだったが、社会派のフランス映画(と言っても監督はベルギー人だが)というのは、効果音もなく淡々とストーリーが進んでいく。話のスジに興味がわかないと退屈でしょうがないであろう。 この映画は、ややサスペンス色のある展開だったせいで結末への好奇心が保ち、寝落ちせずに済んだのだが、そのラストは、期待値のハードルを越えるものではなかった。同じ黒人が殺されたからではないが、『人間の証明』における人間の郷愁のようなものでもあるのかと思っていたのは、自分勝手な思い込みだったようだ。 何より、主人公が暗い。研修医が辞めたのも、少女が死んだのも、なぜそこまで自責の念にかられるのか自分にはわからない。閉塞した映画の雰囲気からは、フランスの停滞した経済からくる人々の虚無感しか伝わってこなかった。 警察も医師も、カジュアルな私服なんだなという発見もあったか。
民主主義に寄せる信頼
主人公が自分の主張を曲げないんだよね。それで他の人と思惑がぶつかるんだけど、そこからひたすら対話。相手も、そうは感情的にならずに対話に応じて、それで少しずつ話がすすんでくの。 フランスの人は、自分たちが創り上げた近代民主主義を信じてんだなあと思ったね。 対話のプロトコルもしっかりしてて、「ボンジュール」で始まって、「オヴォワー」で終わんの。ここがしっかりしてるから、ガンガン対話できんのかもね。 女優さんが綺麗すぎないのも良かったな。 そういうのひっくるめて「《サンドラの週末》に似てんなあ」と思って出てきたら、同じ監督の作品だった。パンフレット特集が組まれてて知ったよ。
とにかく淡々としていてつらい
フランス映画特有の、盛り上がり感ゼロの淡々とした映画。だが、いろいろ考えさせられるところはある。 しかしいかんせん彼女の心理状態がこちらに伝わってこず、見ていて厳しかった。。能動的に「感じる」モチベーションがないとつらい映画でした。
渋い質実剛健な作品
主人公がとにかく淡々と冷静なので、映画も淡々と進む印象だったけど、思い返すと、落とし穴に落とされたり、こわい二人組に脅されたり、トイレがある事情で壊れたり、かなりハードボイルドなことが起きていて、そんななか、人の言動が変化してく様子、そこから、その人のあり方、本性が浮き彫りになってく様子の描き方が巧みだとおもった。取り乱す人たちと、あくまでも感情を乱さないジェニーの対比も際立っていた。
音楽って映画にとって大事だな
と思った。 音楽が皆無なところがすごいと言えばそうなるのかもしれない。 しかし、私は単純に、適切な音楽や効果音があれば☆4つになるのになあ。勿体無いなあと思ってしまいました。 思っちゃったんだからシヨウガナイ!
消化不良感は残る。心を痛めた医師の、悲壮な葛藤。
【賛否両論チェック】 賛:自らのせいで少女が死んでしまった医師が、自責の念から調査を進め、やがて当日の真相へと辿り着いていく様が、静かな中にも緊迫感のある描写で描かれていく。 否:展開はただただ淡々と進むだけなので、眠くなりそう。終わり方もかなりの消化不良感がある。 自分が応答を拒んだがために、結果的に命を落としてしまった少女。そのことに深く心を痛めた主人公の医師が、自分の足でその夜の真実に迫っていく様子が、サスペンス特有の緊張感と共に描かれていくのが印象的です。 ただ一方で、その展開はかなり単調というか一本調子で、観ていて思わず眠くなってしまいそうでもあります。終わり方もかなり消化不良で、 「・・・えっ、そんな感じ?」 と思ってしまうかも知れません。 本格ミステリーともまた少し違う、使命感に突き動かされるサスペンスを、是非チェックしてみて下さい。
医者の視点から描いた移民問題。
医者の主人公は、診療時間がとっくに過ぎたころに訪ねてきた少女を無視した。翌日、少女は遺体で発見。なぜ、少女は亡くなったのか、なぜ訪ねてきたのか、少女は一体誰なのか。 物語が進むにつれて、今まで無関係だった人達も、少女の死亡に関係していることが分かる。人を救うことが仕事の医者が、救うことができた命を救えなかったことをきっかけに、物語は進んでいく。 移民問題がテーマらしく、所々で移民問題の深刻さが実感できる。 BGMが少なくて、エンディングもBGMはなし。珍しかった。BGMがないことによって、重たい雰囲気でストーリーは進んでいく。 これから移民問題はどのようにして解決していくべきなのか、問われている気がした。深い内容。
たんたんとじっくりと。
丁寧に丁寧に重ねってたお話になってた。 こんな事があれば良心の呵責に悩まされるのは誰もがなるが彼女は責任に耐えかねて原因探しへ。 すごく感動するわけではないけど見終わると、ふーん…と感じてしまう一作。 しっかり納得できる終わり方で良かった。
彼女は行動する
人々は彼女に内面を吐露する。言葉だ。彼女は語らずに行動する。老医師から診療所を引き継ぎ、気持ちが折れた研修医を励まし、そして死んだ少女の後を追う。 ダルデンヌ兄弟作品の主人公たちはつねに行動する。
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