「攻殻機動隊を観る日がくるとは ...」ゴースト・イン・ザ・シェル あだじぇっとさんの映画レビュー(感想・評価)
攻殻機動隊を観る日がくるとは ...
トレイラー見ただけ、予備知識ほぼゼロ 状態で臨む。
....というより、攻殻機動隊を観る日がくるとは人生ってわからないものですね。
生体と機械の融合も可能になった電脳未来、美しく機能的な肢体も、高速情報処理を可能にする電脳化も思いのまま。
なのだが、秋葉原化がさらに進んだような退廃感ただよういかにも治安が悪そうな街。
野良犬がいるんだよ?へぇ ...
こういう混沌を象徴するのはブレイドランナー以来、アジアの繁華街なのだろう。
ヨハンソン演じる少佐は、脳と脳幹以外は全部機械に置換されていて、公安9課という秘密部隊に属している。ボスがタケシ。
で、上からの命令でテロリストを追うんだけれど、追い詰めた挙句に自分の由来に疑いを持つ。消された記憶、植え付けられたアイデンティティ、遺棄された者たち。DSC_2781
ブレイドランナーはもちろん、マトリックス やA.I. ニキータ 999 などなど既視感のあるモチーフがてんこ盛りなんだけれど、展開が急ぎすぎず画も丁寧でよくできてるなぁと思う。
あの団地や義体は 宮内悠介 ヨハネスブルクの天使たち だよね...あ、時系列からすると逆?
脳内で無意識にあの落下するロボットの切なさを繋げてしまったわ。
そんなわけでまさかの攻殻機動隊は期待値以上だったのだけれど、米国では大コケらしい。
現時点で imdb 6.8/10 あらぁ...ダメですか .....
原作ファンが納得しない、という よくある話か。
最近のハリウッドの ホワイトウォッシュ 問題が まずあるらしい。
つまり原作の草薙素子は日本人なのに、本作の少佐は ヨハンソン。
白人優性主義じゃないのか?ということだ。
こういう問題にされちゃうと、とりあえずは 「んダメだよね、それ」という立場をとるのがポリティカリー・コレクトになっちゃいますね。
ではそんなにかけ離れてるのか?だれならよかったのか?
95年版の imdb8.0 で素子確認。
https://www.youtube.com/watch?v=AsIQ_kA77b4
ふぅむ ...... 確かに顔は全然違うけれども、その素性から素子が抱くであろう切なさはよく表現されていると思う。
原作に忠実にと考えるならガタイの良さも必要で、細い日本人女優では難しかろうし。。あと足りないのはエロさなわけですが、実写で乳首つけちゃうと R18+ になっちゃうのでそれも苦しかろう,,,,,
もし、日本人がやるならば、菜々緒、あるいはすみれのようなスレンダー体型で表情硬めの方が、まったく違う素子像・英語は字幕と吹き替えでやるのがいいかな?
もう1つは問題の掘り下げが浅いことか。
アニメ各作品は、科学が発達するのは果たして人類の幸せにつながるのか?という命題が盛り込まれているようだ。電脳の便利さと怖さ。支配欲と偏見を増長させる高度技術。。
これは原作ファンと 私のような所見の人間とでは全く評価がわかれる部分か。
よくある話だが、なにも実写版作らなくても...という感想を持つ方は多そうなのはわかるきがする。
ただ、演じているのが生身の俳優であることで、頭が吹き飛び、手がちぎれる映像は、おのずと痛みを増す。 その重さを強調するだけでも意義がありそうな気がする作品でした。