「少佐のキャラの改変、無いわ」ゴースト・イン・ザ・シェル 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)
少佐のキャラの改変、無いわ
字幕版2Dで。
今回のハリウッド実写版の少佐は、某組織の陰謀で記憶と体を奪われ、自分の記憶とアイデンティティを取り戻したいという、ちょっとセンチなキャラになってしまった。また、少佐の義体もハンカ社が全ての技術を注ぎ込んだ特別な物ということになっている。
しかし、劇場アニメ版は少佐が街で自分と同じデザインの義体と出会うシーンがあることから、既製品モデルだと判る。普通に考えて一警官がそんな高価な義体を買えるわけないのである。また、少佐は自分と同じ義体を見ても動じず、アイデンティティなんか揺らぎもしないのです。更に、笑い男に自らがハッキングされ、ネットと自分の境界が曖昧になっていっても、「ネットは広大だわ」と言ってワクワクするのです。そんなネットと人の境目が無くなっていくサイバーな近未来の世界観と兄貴のように頼りになる少佐の姿に攻殻機動隊ファンは痺れたのではなかったか?少なくとも自分はそう思ってた。
ところが今度のスカヨハの少佐は何ですか!?どのシーンかは言いませんが、バトーに優しい言葉をかけて欲しいと要求するんですよ!?こんなの少佐じゃありません。日本人の役を白人が演じたとか、そんな事もはや小さなことです。少佐に人間味を持たせることで、ドラマ性を出そうとしたのかも知れませんが全く余計なことを。
今作で自分を取り戻した少佐は次回作からタフな女になっていくのかも知れませんが、今回の出来からして次回作あるかどうか不安ですね。
でもエンドロールであの曲が流れるとやっぱりワクワクする。劇中でも流して欲しかった。
たけし演じる荒巻課長の演技も大根でしょ。