「実写化する必要があったか?」ゴースト・イン・ザ・シェル ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
実写化する必要があったか?
作り手にクリエイターとしてのポリシーをまったく感じない作品でした。実写化してるのにアニメの劣化コピーになってます。
スカヨハは思いの外頑張ってた。バトーも悪くはなかった。北野や桃井などのキャストもまぁ許せるのでキャストは及第点。他のキャラがモブ状態だったのは残念だが。
CGは街並みがチープでがっかり。もっとリアリティが欲しかった。あと、音楽が致命的。
各シリーズを見ていると、オリジナルを想起させるシーンやカットが満載。原作や押井作品をらリスペクトしているのか、ファンにおもねっているのか測りかねるが、気を使ったことはよく分かる。
ただし、ストーリーとキャラクターのバックボーンが薄すぎる。久世が出てくるということはSAC2ndを脚本に盛り込んだんだろうけど、素子の心の動きにもっと機微のある描き方をして欲しかった。
また、事件の謎を9課メンバーの活躍で紐解いて行く刑事ものとしての楽しみはない。
それと、設定が違うので比べようもないが、なぜ少佐と呼ばれてるんだ?軍歴によるもののはずだが、今作では戦争には行ってない。
子供の頃から義体を使ってきたから、スペックをフルに活用した能力を発揮できるはずなのに、大人になってから得た義体であの動きをするあたり、設定が薄っぺらい。
電脳についてはダイブのシーンは良かった。水に潜るイメージは他の作品ではあまり記憶にない。一方で電脳通信はテレパシーで会話してるようで、グラフィカルな演出がなくてつまらなかった。
そもそもメスゴリラ感がなくて残念。