メッセージのレビュー・感想・評価
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イカ大王
面白い作品なんだけど、イカのフォルムの生体って…。墨を吐いて文字にするとは、書道か。水のような環境で、歩行せずに生きる知的生物の、詳細をもっと深く知りたかったなぁ。言語学者って、あれだけの手がかりで見知らぬ文字を読み取れるものなのか? 未来を見ることとの関連も、説明が早すぎてよくわからない。たぶん、原作はもっとしっかり作られているのかも。
でも、原作の文章を視覚化するのは大変なことで、宙に浮かぶ巨大な物体や、緊張感とか、リアリティもあった。実際に宇宙から何か飛来してきたら、こんな風にパニックになるだろうし、各国が協調できるか疑問。映画によって、たくさんの人に「もし」を投げかけることはできたと思う。あと、重低音のロングトーンで不安を煽る、ヨハン・ヨハンソンの音楽も良い。
記号に意味が含まれる言語ってこと?
この映画って文字の解読する過程を楽しむ映画なのだろうか?
趣味ではなかった。
ヘプタポッドは流れる時間に身を置かずきっと同時に色んな時間に要られるのだろう。
しかしよくわからないのはやはり時系列はあって3000年後に地球人に助けてもらうために
今地球にやってきてコミュニケーションをはかろうとしているわけだ。
3000年後という言葉が出てくる以上時間は流れているという認識はあるはずである。
だって時間が流れるのでなければラーメンを食ったあとにラーメンを作っているという
状況が起こるわけで知識として大混乱起こるよね?
主人公が未来を見せられてしまうシーンが出てくるので何らかの形で
未来を見たり行ったりする事はできるのであろうが、
映画を見ていて思ったのが人間の時間は流れ、
ヘプタポッドの時間は点在的な感じかと思ったんだけど。
知識がないとわかんないのだろうか?
最後この映画で言いたかったのは、生まれてきても
数年で死んでしまう命を産むか?というところなのかなと。
未来が見えるということは結果がわかっているわけだから
そりゃ、まったく不幸な選択なら別の道をたどるだろうけど
産まれてくる愛する娘が死ぬと分っていても子供を生むべきか?
たとえ短い命といえど受け入れて生まれてくるべきなのか?
非常に悩ましいところだ。
しかし未来が見えるということは、同じ道を辿らない可能性が高くなるわけだから
未来は決して見えないものなのではないかと思った。
つまり見えた未来と違う未来をたどるわけだし。
タイムパラドックスって言葉で解決だろうけど。
丁寧
ファーストコンタクトを丁寧に描いてくれてるだけで満足度としては最高点なのですが、だからこそ惜しいと感じてしまう。
時間の概念が超越するいい。運命論は宗教的価値観なのはいい。でも、未来への回想はそれを超越した世界なのに、そこを描いて無いんですよね。娘さんに少し匂わせたりはしてますが。
宗教的価値観の方にそっと着地して終わらせてしまう。ギミックとして丁寧に使ってる感じはするのに、そのギミックを放り投げて、既存の価値観で着地してしまったような。
悟りみたいな諦めの境地なのかもしれません。宗教的価値観を感覚として分かる人達には異なる受け止め方なのかな、、
傑作
何度も観たくなり、観るたびに細かな部分に気付かされます。
SFといえばミリタリー アクションや未来科学が描かれるのがほとんどですが、本作ではそれを意図的に下に見るような描き方がされていて面白いです。また女性への偏見も、よく見るとサラッと描かれています。このようなセンス重視の撮り方は基本的に好きではなく、この監督の「ブレードランナー2049」もセンス重視で好きでなかったですが、本作ではそれが功を奏したと思います。それぞれのシーンに意味があり、娘が誰に似ているか、キャスティングなどにも細かな配慮が感じられます。何が面白いのかわからないという人もいるようですが、SF作品としては「言語が鍵」だという新しい着想であり、人間が科学でも突然変異でも侵略でもなく、新しい言語によって進化しうるという、興味深い提起です。未来が変えられるのではなく、未来が見える、過去現在未来が並列に認識できるという事が描かれており、あの宇宙人にしても、地球人に未来で助けてもらえる事をわかっている上で地球に来ていますね。
何より興味深かったのはやはり、今の自分というハードウェアのままで、何もバージョンアップしなくても進化できるというアイディアです。公開された2016年というのは、SF作品の中では未来として描かれてきた時代であり、それがすでに現在の今となっている状況ですので、「2001年宇宙の旅」も「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の世界も現実が追い越してしまいました。もうSFというジャンルは終わりなんじゃないかと思われていた折に、本作は新しい着想を提示したところが驚きでした。
未知なる異星人の言語と概念の解明というアプローチ
未知なる異星人の言語と概念を解明していくというアプローチが斬新ですね。
初見ではちょっと難解ですが、時間や言語の固定概念を壊して理解できたらとても面白い映画だと思います。
リピート観賞をするとより楽しめるかもしれません。
何が起こるかわからな
突然出現した謎の物体に
人類がどのように向き合うのか
という点で
まずトムクルーズの宇宙戦争
に近いのか?と思いながら鑑賞
わりと謎が多いままストーリーが進むため
見続けるのが少し苦痛に感じる可能性もあり。
しっかり見ていれば
物体の中にいる宇宙人との
コミュニケーションを取るシーンあたりから
ストーリが面白くなる。
そこまで我慢ができるのならば見る価値あり!
主人公が優秀な言語学者であるという設定が
とても良い。
未知の生物とのコンタクトを取るプロセスに
説得力が生まれる。
そのため後半で起きるSF要素もすんなり受け入れられる。
少し難しい映画ですが
おすすめです。
魅せる作品だが設定に矛盾は無いのだろうか?
2回目の鑑賞だったので、
時間のトリックへの驚きは無かったが、
今度は何か「いま、会いにゆきます」に
似ているな、と思いながら観た。
辛い運命と知りながらもその未来を選択する
というのは、「いま…」と同じ設定だ。
「メッセージ」の原作の方が古いので、
市川拓司はこの本からヒントを得て
「いま…」を執筆したのかもしれないと
勝手に想像した。
ただ、
「メッセージ」の死ぬ運命にあるのは
自分の子供であるのに対して、
「いま…」の場合は自分自身という
基本的な設定が異なる中、
「メッセージ」の原作では、
どのように表現されているか分からないが、
映画同士の比較では、
出産することになっている子供に会いたい、
一時的でも生活を共にしたい、
との気持ちを重層的に表現出来ている分
(「メッセージ」の方はSF要素のストーリー
展開に時間を割かざるを得ないためか、
その描写へのウエイトが低い感じ)、
「いま…」の方が感動出来た。
それでも、この映画、SF・時間
・コミュニケーション・ラブストーリー
の各要素を融合し
エンターテイメントとして
仕立て上げられた魅力的な作品だった。
しかし、
話の設定そのものに疑問は残る。
もし主人公がヘプタポッドのように
自由に時間を知覚移動出来るということは、
彼女の人生のみならず、
世の中の運命や未来が
既に決まっているからこそ出来ることで、
そうなると、主人公の地球を救う行動や
ヘプタボッドの3000年後に
人類に救ってもらうための来訪そのものに
意味はあるのか、
ということにならないのだろうか。
私には、
未来とは全くの白紙・未定な世界で、
だからこそ現在の行動に意味があるのだ
としか思えないのだが。
今後30年のSF映画を切り拓いた感。
2001年の果敢な読替え。
本作、ゼログラ、イタステラが今後30年のSF映画を切拓いた感。
曼陀羅草書は私も解らぬから良し。
こんなに抽象的概念的企画が通る米国のスゴみ。
陰鬱才媛の好演も大。
1回目の鑑賞
では正直
?
と思ってしまうことがあった。
何回か見ると違う視点でも見れてこの映画の真価を理解できるのかな。
実際初鑑賞でも物語のまとめ方、見せ方のうまさ、そしてメッセージ性を感じることはできた気がする。
邦題がぴったりきました。
SF感が薄い
主人公のハンクス博士が、自分の未来予知能力に気付き、
悲しい結末を受け入れる人生を選択したと思うのですが、
割と理解しやすく作られていたと思います。
大佐は軍の部下の爆破暴走を防がないと・・・宇宙戦争になるのに。
昔見た
■『メッセージ』をみた印象
SF映画というとスターウォーズとか宇宙人とかそんな印象しかありませんでしたが、本作品は広告でも銘打っているように「ヒューマンドラマ」でした。突如飛来した宇宙船、困惑する人間。そこに派遣される2人の学者。この学者が主人公です。2人を中心として様々な人間模様を描いています。だけどね、僕は感動なんてしなかったんですよね。でも下記述べる観点で素晴らしい映画でした。こうした点を考えられた点で僕にとっては価値ある作品でした。以下完全に私見です。
■『時間』と『言語』
この作品でいいなと思ったのは、2人の学者が文系と理系だった点です。彼らは宇宙人とコンタクトを図るためにさまざまな手段で接触します。その過程ででてくるのが「未知の言語」と『時間』に対する考察です。こういうと難しい印象を受けるかもしれません。簡単に言えば、大したことはありません。『言語』は日本語、『時間』は時計です。そんなもんです。本作品ではこの二つが大きなテーマになっています。どちらの文字も言葉にすれば「文系」の領域ですが、分析するとなるとそれは「理系」の問題です。共通点や法則性さらにはその意味に至っては計算式が必要になることもあります。太古の人の時間感覚をつかむことは光の速度などの認識を相互に定義づけなどを行い対比する必要も出てくるでしょう。そうすると、そこから数字を文字にする、説明するとなると文系の領域にもなります。その定義づけされた言葉を解釈する必要がでてくるからです。
映画を見ている最中にこんなことを考えていました。本編では上記のことがあまりフォーカスされていませんでしたが、そこが見事に描かれていました。昨今では「文系」「理系」で差別される印象もないとは言えません。文系と理系は違うというのは性別問題とも重なります。実際はどちらも解釈の仕方が違うだけなのです。僕の好きな言葉があります。
文系も理系も対象物は同じ
一種の球体を別の角度から眺めているに過ぎない
本作品でもこうした解釈に大筋沿っていたのではないかと思いました。単純な感動ドラマではなかったのが僕にとってはうれしかったです。ラストも結構いい感じでしたが、俺は宇宙人の意図があまりにインパクトはないけど、なんか「好き」って思いましたよ。
タイトルなし
地球外生命体とのやり取りを探るうちに未来を見通す力を備えたエイミー・アダムス。ジェレミー・レナーと結婚し、いずれ亡くなってしまう娘を授かり、ジェレミー・レナーも出ていってしまうとわかりながらも、その人生を受け入れる。未来を見透せるのはエイミー・アダムスだけなのはなぜだろう?共感できなかった。
「言葉」は武器、「輪」は繋がり
自分はSFも好きですし、人間ドラマも好きです。
その好きな2つの要素を見事に融合させてくれた作品。
宇宙船が突然地球に来る設定はかなり王道で数多いですが、「インデペンデンスデイ」や「第9地区」のようなスリラー映画ではなく、「エイリアンが何のために地球に来たか」を解き明かす物語。
そういった物語はありそうで無かったので、初めて観たときは新鮮でした。
スリラー映画では無いものの、ヘプタポットと名付けられたエイリアンとの交信シーンは緊張感があります。
普通、得体の知れない生物を前にしたら誰もが怖いと感じると思います。
もちろん自分もそうです。
それを、俳優の演技や音楽で感じとれて映画の世界に入ったような映像体験をさせられます。
そして、徐々にヘプタポットとやり取りが進んでいきますが、その様も本当に面白いです!
特に初めてヘプタポットの「文字」が現れた時は、SF好きである僕としては非常にワクワクドキドキです!
その「文字」についてですが、
人間のように横に並べるわけではなく、輪を形成するように並べられるのですが、よくこんなアイデアを思い付いたと感心させられます。
「輪」である理由についてもちゃんと理由付けがされていて、あらゆる概念やヘプタポット自身の感覚に基づいているものであるので、非常にリアルです。
「輪」というのは繋がりだと思うんです。
最初と最後の文字が繋がるだけでなく、ヘプタポットと人間の交信することで生まれる繋がり、そこで起こる人と人との繋がり、過去と未来が一つになる繋がり
この映画はある種色々な「繋がり」で出来ている内容であるのかも知れません。
また、ヘプタポットの鳴き声も独特ですが、低音で鳴くので現実の生き物のように感じます。
そうした設定もあってか、まるで本物の宇宙人とやり取りを本当に人間がしているかのような、一種のドキュメンタリーを観ているようにも感じます。
フィクションという感覚を何度も忘れさせられました!
そして前述でも書いた通り、この映画は言語学者ルイーズの内面や、その周りのやり取りを描くヒューマンドラマでもあります。
また、この映画の原作小説の名前は「あなたの人生の物語」です。
宇宙人とやり取りを交わすSF作品でありながら、人生について考えさせられる作品です。
僕は、アニメ映画「さよならの朝に約束の花をかざろう(以下、さよ朝)」を観たときに、あるテーマがこの映画と非常に似ている事に気が付きました。
それは「自分の人生を受け入れること」です。
「さよ朝」はこれまでの人生を主人公が受け入れる物語ですが、
「メッセージ」はこれから先の人生をルイーズが受け入れる物語です。
その人生がどんなに辛いものであろうと、それを肯定的に受け入れられる事こそが"幸せ"の一つなんだとこの2つの作品から教わった気がします。
そして、この映画にはある種「世界平和」への願いも込められていると思います。
この映画での結末を現実でもやろうとすると非常に難しいとは思いますが、そうなったら良いなと思わせてくれます。
"言葉"は武器です。
伊藤計劃の小説「虐殺器官」では"言葉"が世界を滅ぼす武器として描いてましたが、メッセージは真逆です。
「人と人が繋がり合う」武器にもなるのだと再確認させられました。
以上のように、この映画には様々な"メッセージ"が込められています。
何年先もこの映画とその"メッセージ"を大切にしていきたいです。
全679件中、101~120件目を表示