メッセージのレビュー・感想・評価
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こんなアプローチもアリの新しいSFの形。
穏やかに緩やかに進む、起承転結。全ての人類が持つ“未知の物”への好奇心と、それを上回る恐怖心。徐々に膨らんでいく各国の思惑と、少しずつ調査が進んで分かってきても、拭えない不安が予想以上にリアル。
ありがちなSFでは“異星人=侵略”とすぐになるが、何故、地球に飛来してきたのかが謎に包まれており、それを"会話"により解読、解明していくのが新しい。
途中途中でカットインが入るルイーズの“記憶”。その“記憶”の意味する内容が『鍵』となり、“断片的に思い出していく”事でストーリーは一気に結末へ。イアンの要所要所の絡みも、この時間軸により物語の深みが増している。
物凄く綿密に練られた脚本、構成と演出を、素晴らしい俳優陣が気持ち良い程に演じきっている。カテゴリーはSFだが、言語学者の視点からなる完全にヒューマンドラマ。
ラスト直前のシャン将軍の妻の遺言。ルイーズの全てを受け止める覚悟の言葉。この2つ台詞を鑑賞者が受け取る為の映画。オススメの1本。
何故、異星人はタコの様に足が多いのか疑問だが、実際の『ヘプタポッド』には驚いた。ヴィルヌーヴ監督の「ばかうけ」ジョークも面白いエピソード。
SFを題材にした感動もの
評価が高いのも納得の傑作と言っていい作品です。
個人的には同じく傑作と名高いインターステラーよりも良かったし感動しました。
気になった点をいくつか。。
主人公が未来で執筆した宇宙語の本のフラッシュバックから宇宙語を完全習得するのは、言語学者である主人公がヘプタポッドが去った後に研究を重ねた結果、宇宙語の本を執筆できた(つまり過去の積み重ねの上に未来がある)とも取れます。
しかし、未来での晩餐会のフラッシュバックから、中国人の将軍から個人連絡先や将軍の亡き妻の最後の台詞を教えて貰うのは、完全な0から1が生まれているという事になります。
つまり、この世界では未来はレールの上に既に確定しており、”未来の有”が”過去の無”を”有”に変える力があるという事です。
3000年後に地球人に助けてもらうためにやってきたヘプタポッドですが、過去の積み重ねが未来にとって必要なら、ああいった劇中で主人公と行った幼児の言語学習のようなじれったいコミュニケーションのステップも必要だった事になります。
しかし、”未来の有”が”過去の無”を”有”に変えられるのだから、未来の地球人を一人連れてくる(そうすれば侵略されるとか心配する必要も無く、世界の混乱は簡単に防げる)とか、主人公が未来で執筆した宇宙語の本を一冊持ってくるとかするだけで良かったとも言えます。
未来を知っているはずのヘプタポッドが爆発で一人死んだり、あえて上のような問題の起きない接触の方法を取らなかったとか、ヘプタポッドからみたら原始人レベルの現在の地球人に接触し何故2000年後のもっとマシな地球人に接触しなかったのかとか、劇中では描かれなかったので、原作を読んでみたい気がします。
最後に、ヘプタポッドと直に触れ合い授けてもらった主人公の未来予知力が、授けてもらった時点から未来だけでなく、過去にも作用して未来予知能力を最初から持っている感じになっていた点と、マイナスが見えていても受け入れるしかない未来を達観したシーンはとてもよかったです。
いつかまた見たい映画です。
いい映画だが、コンタクトに似ているかな
宇宙人は好戦的か友好的かのどちらかに分かれるが、この映画は数としては少ない方の後者に入るほう。「コンタクト」を観た時の印象に近い。地球に来た目的が人類を助けるためで、それは3000年後に彼らが人類の助けが必要とのことだったが、いまいち理解できなかった。もう1〜2回再見してからまたレビューを書き変えたいと思う。
内容がズレていて単純にこれはSF映画とは呼べない。
大人のためのSF
宇宙人とのファーストコンタクトというテーマを考えると、抑え気味の映像美、派手さのない展開で、見る人を選ぶ映画かもしれません。地球襲来にやってきたエイリアンをレーザー光線銃でやっつけるという、アクション満載、エンタメたっぷり、ビジュアル重視のSFを想像していたら、退屈してしまうかもしれません。静かな雰囲気を楽しみながら、哲学的にも深く心を傾ける、大人のためのSFかもしれません。
自分はといえば、主人公の言語学者ルイーズが異星人ヘポタポッドに、“HUMAN”と書いた紙を見せて交流を試みるという、原始的でアナログ的な交信からして、どきどきしておりました。ヘポタポッドが触手から出す、墨で書いたような丸い文字の解析ですが、言語学者といえども、どうやって紐解いて行ったのか?? 墨文字は神秘的。一つの輪っかにたくさんの情報が集積されているのだから、文字ではなく、もはや、文章表現といってもいいかもしれません。
幼くして娘が亡くなり、娘との日々がフラッシュバックのように何度も出てくるシーン。誰もが過去の悲しいシーンが主人公の頭をよぎっているのだと思わされるのですが、ラストを見て、なるほど〜と納得。
ヘポタポッドには、人類のように、「時間」の概念がなく、過去・現在・未来と、どこでもアクセスできるらしい。ヘポタポッドの言語を解釈したルイーズにも、時間という常識的な縛り(?)が無くなったらしい。これって、普通に考えると、とても苦しいことで、感覚的には理解できませんでした。幼くして娘が亡くなってしまうという悲しい未来がわかっていようとも、その不条理を受け入れる勇気というか、定め。時間というものがないのだから、すべて、ストーリーは決まっていて、必然なのか? 理屈では理解できても、心情的には苦しくなりますが、「この瞬間、何が起きるかわかっていても、どの瞬間も大切にするわ」というルイーズの言葉は宗教的でもあると感じました。
それにしても、人民解放軍のシャン上将が武装解除すると発表するに至った、ルイーズがシャンに電話で告げたことって何だったんでしょうね。
それと、娘が母に問いかけるところ。
「競争なんだけど、両者が納得できるということ」
「妥協」でもなく、「ウィン・ウィン」でもないとしたら?
自分にとっては、予想を超えた、いい映画でした。まだ一回しか見てないので、再度見たら、新たな発見があるかも。
壮大な人生映画
ただのSF映画ではない。人生についてを考えさせられる、壮大な映画だった。
最後、未来の夫の横顔を見つめているシーン。その先の未来がどんなに残酷でも、その道を選ぶ主人公の決断に圧倒された。
「この先何が起こるか分かっていてもかまわない。どの瞬間も大切にするわ」というセリフが、人生の生き方を教えてくれたような気がした。
地球に襲来した柿の種。
好きな作品です
タイトルなし(ネタバレ)
フラッシュバックとは過去の出来事という固定観念を利用したトリックが良い。
「あの子は誰なの!?」のセリフでそう来たか〜と。
未知の言語を解き明かしていくっていうのもすごくワクワクした。
けど、それだけかな。
言語を与えることがなぜ人類を助けることになるのか、時間の概念がないってどういうことなのか、わかるようなわからないような。
まぁ見終わった後にその辺を語り合うのもこの映画の楽しみ方かもしれないが。
難しいけど好き♪
イカ大王
面白い作品なんだけど、イカのフォルムの生体って…。墨を吐いて文字にするとは、書道か。水のような環境で、歩行せずに生きる知的生物の、詳細をもっと深く知りたかったなぁ。言語学者って、あれだけの手がかりで見知らぬ文字を読み取れるものなのか? 未来を見ることとの関連も、説明が早すぎてよくわからない。たぶん、原作はもっとしっかり作られているのかも。
でも、原作の文章を視覚化するのは大変なことで、宙に浮かぶ巨大な物体や、緊張感とか、リアリティもあった。実際に宇宙から何か飛来してきたら、こんな風にパニックになるだろうし、各国が協調できるか疑問。映画によって、たくさんの人に「もし」を投げかけることはできたと思う。あと、重低音のロングトーンで不安を煽る、ヨハン・ヨハンソンの音楽も良い。
記号に意味が含まれる言語ってこと?
この映画って文字の解読する過程を楽しむ映画なのだろうか?
趣味ではなかった。
ヘプタポッドは流れる時間に身を置かずきっと同時に色んな時間に要られるのだろう。
しかしよくわからないのはやはり時系列はあって3000年後に地球人に助けてもらうために
今地球にやってきてコミュニケーションをはかろうとしているわけだ。
3000年後という言葉が出てくる以上時間は流れているという認識はあるはずである。
だって時間が流れるのでなければラーメンを食ったあとにラーメンを作っているという
状況が起こるわけで知識として大混乱起こるよね?
主人公が未来を見せられてしまうシーンが出てくるので何らかの形で
未来を見たり行ったりする事はできるのであろうが、
映画を見ていて思ったのが人間の時間は流れ、
ヘプタポッドの時間は点在的な感じかと思ったんだけど。
知識がないとわかんないのだろうか?
最後この映画で言いたかったのは、生まれてきても
数年で死んでしまう命を産むか?というところなのかなと。
未来が見えるということは結果がわかっているわけだから
そりゃ、まったく不幸な選択なら別の道をたどるだろうけど
産まれてくる愛する娘が死ぬと分っていても子供を生むべきか?
たとえ短い命といえど受け入れて生まれてくるべきなのか?
非常に悩ましいところだ。
しかし未来が見えるということは、同じ道を辿らない可能性が高くなるわけだから
未来は決して見えないものなのではないかと思った。
つまり見えた未来と違う未来をたどるわけだし。
タイムパラドックスって言葉で解決だろうけど。
丁寧
ファーストコンタクトを丁寧に描いてくれてるだけで満足度としては最高点なのですが、だからこそ惜しいと感じてしまう。
時間の概念が超越するいい。運命論は宗教的価値観なのはいい。でも、未来への回想はそれを超越した世界なのに、そこを描いて無いんですよね。娘さんに少し匂わせたりはしてますが。
宗教的価値観の方にそっと着地して終わらせてしまう。ギミックとして丁寧に使ってる感じはするのに、そのギミックを放り投げて、既存の価値観で着地してしまったような。
悟りみたいな諦めの境地なのかもしれません。宗教的価値観を感覚として分かる人達には異なる受け止め方なのかな、、
傑作
何度も観たくなり、観るたびに細かな部分に気付かされます。
SFといえばミリタリー アクションや未来科学が描かれるのがほとんどですが、本作ではそれを意図的に下に見るような描き方がされていて面白いです。また女性への偏見も、よく見るとサラッと描かれています。このようなセンス重視の撮り方は、私は個人的にはあまり好きではなくて、この監督の「ブレードランナー2049」もセンス重視で好きでなかったですが、本作ではそれが功を奏したと思います。それぞれのシーンに意味があり、娘が誰に似ているか、キャスティングなどにも細かな配慮が感じられます。何が面白いのかわからないという人もいるようですが、SF作品としては「言語が鍵」だという新しい着想であり、人間が科学でも突然変異でも侵略でもなく、新しい言語によって進化しうるという、興味深い提起です。未来が変えられるのではなく、未来が見える、過去現在未来が並列に認識できるという事が描かれており、あの宇宙人にしても、地球人に未来で助けてもらえる事をわかっている上で地球に来ていますね。
何より興味深かったのはやはり、今の自分というハードウェアのままで、何もバージョンアップしなくても進化できるというアイディアです。公開された2016年というのは、20世紀に作られてきたSF作品の中では未来として描かれてきた時代設定であり、それがすでに現在の今となっている状況ですので、「2001年宇宙の旅」も「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の世界も、もう現実の時間が追い越してしまいました。これによってもうSFというジャンルは終わりなんじゃないかと思われていた折に、本作は新しい着想を提示したところが驚きでした。
未知なる異星人の言語と概念の解明というアプローチ
何が起こるかわからな
突然出現した謎の物体に
人類がどのように向き合うのか
という点で
まずトムクルーズの宇宙戦争
に近いのか?と思いながら鑑賞
わりと謎が多いままストーリーが進むため
見続けるのが少し苦痛に感じる可能性もあり。
しっかり見ていれば
物体の中にいる宇宙人との
コミュニケーションを取るシーンあたりから
ストーリが面白くなる。
そこまで我慢ができるのならば見る価値あり!
主人公が優秀な言語学者であるという設定が
とても良い。
未知の生物とのコンタクトを取るプロセスに
説得力が生まれる。
そのため後半で起きるSF要素もすんなり受け入れられる。
少し難しい映画ですが
おすすめです。
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