沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価
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●赤字覚悟で制作した映画だね。最後のシーンに賛否が?
・作品は全般的にはよく出来ているね。残虐、血、男女の絡み、下劣さなどはあまりなく。苦悩や苦痛や苦難を自然環境の美と同化させて、気品よく描いてるね。 内容も小説とほぼ同じで、それぞれの俳優の演技もよく出来ているね。
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●最後の方のシーンに賛否が多くあるようだね。あれは米国で上映して、一般客や批評家たちの多くのキリスト教徒へ受け入れてもらうためには、どうしても明確にする必要があったんだろうね。
しかし、あそこには監督自身の隠されたメッセージがあるように思えたけどね。監督がインタビューで何度も述べている事だね。
つまり・・・
この映画の主題は、多くの批評家たちが述べているような「信仰とは?神とは?」はあくまで表向き一般向きで、作品の根底は、人生とは自分の意思と行動で変えられるはずだ、ただし適時に自然や他の環境へ適応しながらバランスを取ることも不可欠だ、現世は神の社会ではなく自然の中にある人間の社会だからだ、と言う古来からの観念、つまり仏教などが不毛の地(米国)で、仏教的な哲学を無言(沈黙)で表現したように思えたけどね。
メインターゲットはあくまで米国のお客さん(大多数はキリスト教徒)だからね。スタンリーキューブリックやイングマール・ベルイマンのように本題以外に間違いなく知識人だけがわかるような当社会に公言できないメッセージをひそかに入れているはずだよ。
PS
制作費はおおよそ40億円公表されているけど、実費は20億円ぐらいだったみたいだね。なんと「沈黙」の映画権利等の獲得よる裁判沙汰で20億円ほど費やしたと監督が言ってたね。どおりで、かなりコンパクトだったわけだね。
転んでもいい
学生時代、僕が読んだ小説のうちもっとも印象に残っているのがこの「沈黙」だ。
遠藤周作が書いたこの小説はキリスト教の神父が転向、棄教したあと、俗世に入り、日本人妻と結婚したという。棄教した元神父のあごは“つる”としていたと文章がすごく衝撃だった。その“つる”とした描写が実にリアルに感じられたからだ。その「沈黙」をマーチン・スコセッシ監督が撮ると言われていた。それから、何十年経ったろう。ようやく実現したこの作品は思い入れが強い。
予想はしていたが、実に重い映画だった。160分はちょっと長かったと思う。これでもか、これでもか、と過酷な拷問が行われる。スコセッシ監督だから、リアルに緻密に描こうとしたことはわかった。しかし、それでも長いと感じてしまったのだ。
そのなかで、キャストは秀逸だと思った。とくに日本人俳優。
裏切りと信仰を繰り返すキチジローの窪塚洋介、信仰に準じる農夫に塚本信也、信仰にこだわるなという通訳の浅野忠信、特に主人公ロドリゴに棄教を必要にせまる大名に
イッセー尾形がすごい。ひとくせ、ふたくせもある大名に表情、仕草、雰囲気で答えた。
さすがは本業の一人芝居で、鍛え上げた演技だと思った。eiga.comによるとアメリカで多いに評価されアカデミー賞にノミネートされるのではないかといわれているそうだ。
この映画のテーマは「転ぶ(棄教)」である。どんなに過酷なことがあっても「転んではならない」とするひと、いや、「転ぶということはもっと大きな信仰につながる」というひと。そして、そんな大きな選択のとき、なぜ沈黙しているのだ、神は、ということだろう。
僕は特別な宗教を信奉しているわけでもないので、「転ぶ」ことにこだわりはないのだが。
僕は「宗教」よりも「宗教的」であることを大切にしたいと思う。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教。いろんな宗教があるが、それぞれの教祖、はじめにその教えを伝えようとした最初のひとたち。イエスだったり、モハメッドだったり、仏陀に関して疑いを持っていない。純粋に与えられた教えを純粋に伝えようと努力した人たちなのだろうと思う。だた、その教えも何年も経って、人が介在してくると変容する。
「宗教的」というのは、宗教そのものよりも、その原初的なことばを聴こうとする、内なることばを聴くことが大切だと思っている。
考えさせられた
いい映画でした。
上映時間は長いかなと観る前は、思ったけどそれを感じさせない引きつけられるものがありました。
日本に本当にあったであろう現実。
最後はそうならざるを得なかったと。
色んな苦労があったのだな‥簡単には言えないけど。
エンドロールで放心状態でした。
He is not going to answer. スコセッシ監督の超文学作品
原作は未読です。マーティン・スコセッシ監督は好きなのですが正直観てて退屈でした。今まで観たスコセッシ監督の映画で一番観てるのがしんどい作品でしたね~。
まぁ、キリスト教信者でもないですし、特に宗教信じている人間ではないので、こういった映画自体に不向きだったのでしょうけど。何だか途中から日本側の方に気持ちがいっちゃって、主人公であるはずのキリスト教宣教師の方に抵抗を覚えちゃって。
うーん、やっぱ自分の思想を押し付けたがる「宗教」ってシステムは苦手だなぁ。そういう自分が正しい、他は認めないといった押し付けの思想が現代のイスラム教との問題にも繋がってるようで、彼らって何百年経っても変わらないんだなぁっと思いました。
当時の日本の描写は素晴らしかったです。外国人監督が撮っているとは思えないぐらいに、ちゃんと日本してました。時代考証とか撮影の部分はしっかりしてたので、このストーリーを受け付ける事ができる人には良いのではないでしょうか?
少しでも多くの人に
わりと忠実
原作自体が大作なので、特に驚きがなかったというのは良い意味で原作に忠実な描写ということだろう。このシーンあったっけ?みたいなのは2、3あったけれど。あと、原作うろ覚えだけど最後の解釈これでいいんだっけ?というのは思った。スコセッシの解釈?
あと、大きな不満は二つあり。
・イノウエが元キリシタンだった背景が抜かれていた
・キチジローの善が序盤で出すぎ。原作では最初はもっと行動が読めなくて得体の知らないやつだったはず。ここは原作ではかなり見せ場だったはずなので単純化されたのはかなり不満
原作を裏切らない
期待外れ
神様やかましい
心に響きました…
片側から見ているようで
心に感じるものがあった
窪塚やイッセーなど日本人俳優が特に良い
興味深い
余計な結末部分。
原作を読んだのが、30年以上前の高校時代、(その頃、「沈黙」は文庫本化されていませんでした。従って、ハードカバーの本を買って、読みました)篠田正浩監督の映画を観たのが、10年程前です。もう、殆ど、話の筋も忘れていたのですが、映画を観ている間、ずっと気になっていたのが、何故、ポルトガル語ではなく、英語なのでしょう、ということです。興行的なことを考えると、ポルトガル語よりも英語、という判断が働いたのでしょうか。英語圏に住んでいない私にとっては、大変、奇異に感じられました。☆をひとつ減らしていますが、その理由は最後の一場面は不要であろう、と思ったからです。荼毘に付される場面を溶暗にして、それで終わりにすれば良かったのです。クローズアップされる最後の一場面にはキリスト教に対する信仰は揺るがなかった、とするキリスト教信者、スコセッシの主張が見て取れます。このような記述は原作にはありません。キリスト教を「是」とするヨーロッパ人の押しつけがましい主張にはいい加減、うんざりします。この場面がなければ☆5個だったのに・・・。個人的にはちょっと残念な作品でした。
沈黙
神の沈黙と人間の沈黙
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