光をくれた人のレビュー・感想・評価
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考えてしまう。自分ならどんな選択をしたか。
「夜に生きる」のエンディングと同様に、人生の終焉を迎えようとしている主人公トムの哀愁漂う姿…色々あった人生を反芻し、それでも幾らか穏やかな表情で夕陽を見つめるシーンは、何とも言い難い感動というか、観ているものもやっと安堵するというか。それまでの話をずーっと自問自答しながら、うわぁ〜これ自分ならどうしてただろう…と、それぞれの登場人物の立場に立って考え続けてしまうので…。キリスト教的表現が多いので、深くは理解出来てないかもしれませんが、それでも心に深く刻まれる作品だと思います。ロケーションがとても美しくて、視覚的にも印象深い映画です。原作も読んでみたくなりました。お勧めです。
泣けました。
どこに泣けたかっていうと、キャストたち全ての孤独がとても辛くて悲しかった。
みんながそれぞれに抱えきれないくらいの孤独と数奇な運命と戦っていて、どの人にも感情移入できたし、美しい映像だった。
正式に養子を迎えていたら…とか考えたら映画として成り立たないか。
葛藤
第1次世界大戦後のオーストラリア。孤島ヤヌス・ロックに灯台守として赴任した帰還兵トムは、明るく美しい妻イザベルと幸せな日々を送りはじめる。やがてイザベルはトムの子を身ごもるが、立て続けに流産と死産に見舞われてしまう。そんな矢先、男性の死体と生後間もない赤ん坊を乗せたボートが島に流れ着く。赤ん坊に心を奪われたイザベルは本土に報告しようとするトムを説得し、赤ん坊にルーシーと名付けて我が子として育てはじめる。やがて良心の呵責に耐えきれずトムは真実を明かし投獄されてしまうが本当の両親から罪を軽減される。イザベルが亡くなった後トムのもとに成長したルーシーが赤ん坊を連れて訪ねてくる。ルーシーはイザベルの手紙を渡され、イザベルの気持ちを察することになる。トムに対しルーシーはまた尋ねると言って去ってゆく。トムは海を見ながら感慨にふけるのだった。
号泣するつもりだったのに泣けなかった。
結局、一番悪いのは誰だったんだろう。それをずっと考えながら観てたら泣けなかった。自業自得だし。悪い事はやっちゃいけないってことだよね。一番いい人はドイツ人の夫なのは間違いない。
100本目‼︎ 流産は辛いだろうが あの女の思いのままの言動行動に...
100本目‼︎
流産は辛いだろうが
あの女の思いのままの言動行動には
腹立たしさしか無かった
「1度赦すだけでいい...」
響いたな...
そうなれればいいな...
ルーシーグレース
良い子に育って良かった‼︎
切なく、悲しい物語 灯台が舞台なだけに、海のシーンが何度も登場する...
切なく、悲しい物語
灯台が舞台なだけに、海のシーンが何度も登場するが、スカッとした快晴ではなく、グレーの海 それが、物語を語っている
育ての親と生みの親、妊娠するが、何度も流産してしまう苦しみは、当人にとって、どれだけ辛いものか
人の心の中を、上手く描いた作品
人は誰かの灯台になれる
が、誰かの代わりにはなれないのではないでしょうか。
戦争で兄達を失ったIsabelは、Tomに兄の面影を見たのか、惹かれるのが随分早かったです。帰還兵で脱け殻のようなTomの心に火を灯したのはIsabel。流産を繰り返したIsabelの喪失感を埋めたのはLucy-Grace。夫と娘を失い悲嘆に暮れていたHannahに希望の光を与えたのはTom。晩年のTomに嬉しいサプライズをもたらしたのはLucy-Grace。
人は絶望の淵に立つ人に手を差し伸べることができ、それはその人にとって生きる希望の光になりうることを言いたいのだと思います。同時にHannahの亡き夫が語る、恨みは繰り返すが赦しは一度で済む、という教訓がテーマです。
Isabelは会って間もないTomに自らプロポーズ、即ちJanus島への移住は自分で決めたことです。思うようにいかなかったのは出産。流れ着いた赤ん坊を勝手に自分のものとし、夫に共犯になるよう説得するのもIsabel。夫が自分の思い通りにならないと激怒。幸せな家庭を夫に壊されたという怒りのようでしたが、誰かを不幸のどん底に追いやり、罪の上に成り立つ幸せです。当時の女性にとって「不毛」は世間的に不名誉だったであろうことを考慮しても、理性のないIsabelの未熟で自己中なキャラにイラついてしまいました。彼女の後悔は殆ど語られず、彼女がその後どう罪を償い、どんな精神的成長を見せたかは分かりません。また、Hannahが再度我が子を手放す決心をするのは断腸の思いである筈で、描写があっさりし過ぎていると思いました。
つまる所これは、愛する家族と良心の呵責の狭間で苦渋の決断をするTomだけの物語と思って観る必要があります。しかし、子供は無事だなんていう匿名の手紙やガラガラの返還は、Tom自身の罪悪感の穴埋めに過ぎず、理性と良心に従った結論に辿り着くまでの過程とは言え、まるで誘拐犯のような手段でした。
せめて洗礼の時、Hannahに気付いた時に決断していれば、傷はもう少し浅く済みましたかね…。少なくとも幼いLucy-Graceが一人で灯台を探すことはなかったでしょう。
"You only have to forgive once. To resent, you have to do it all day, every day. You have to keep remembering all the bad things."
ドイツ人の夫がすごいんです。
申し訳ないが、イザベルに始終いらいらしました。
2度の死産、それはとても苦しいでしょう。それはわかります。
そら悲しいよ。私は妊娠したことも死産で子を失ったこともないからさ、
イザベルの気持ちを本当には分かっていないのでしょうけれどもさ。
でも、だからって人の子どもを勝手に自分の子にしていいわけないでしょ。
それを言っちゃあおしまいよ、なのかも知れませんが、
こどもは、というか人はいつか死ぬでしょ。生まれられないこどもも残念ながら
いるのよ。21世紀ならばともかく20世紀前半の離島じゃさ、多少仕方ないじゃない。
そのことは、誰かの大切な娘を自分の子にする言い訳にはならない。
ほんで、夫がさ良心の呵責に耐え切れず、ハナに娘の存在を知らせてしまったことを、いつまでも許せず、ぎゃくにトムを恨むってね、あなた。幼稚すぎやしませんかね。
という感じでイライラしていました。
トムの気持ちは、少し分かるんです。やむを得ず死産を乗り越えられない妻の願いを聞き入れてしまった。その上、ハナが夫と娘グレイスを探し続けていることを知ってしまった。
良心の呵責と、妻を思う気持ちとに引き裂かれるわけですね。
結局良心を選んだわけですが、イザベルは理解しない。まあそのことを責めるつもりもなく、自分だけの罪としようと決めていたところが、トムの美点かなーと思いました。
当然ハナは何も悪くない。グレイスがグレイスとして扱わせてくれない、私はルーシーだもん、おうちに帰りたいといい、家出してしまうあたりつらいな、ハナつらいなーって、胸が苦しくなりながら見ていました。
そうして、家出してしまった後、娘の幸せを願って、断腸の思いでイザベルにいうわけですよ。グレイスのためにはあなたのもとで暮らす方がいいのかもしれないと。
そのハナの決心のもとは、亡くなった夫に由来するとの描写があります。
その夫の考え方が一番素晴らしいな、美しいなと思いました。
第一次世界大戦後、オーストラリアにいながらドイツ人(移民なんでしょうから同胞じゃんよと思いますが)なので、敵国人として執拗に差別される。そんな中でハナと結婚するわけです。
ひどい扱いをされながら、朗らかにある夫に、その理由を聞くと、夫は「一度赦すだけでいいんだよ」といったわけです。
ハナは夫のように、赦そうと決意します。
そのことがイザベルをも動かすわけです。なので、ドイツ人の夫(名前忘れました)がね、すごいんです。
第二次世界大戦後、グレイス・ルーシーとして育った女性が、子供を連れて老いたトムに会いに来ます。育ててくれてありがとう、これからも会いに来ていい?と。
その時にはイザベルはもう死んでいたわけですが、ルーシーへの遺書を残していたのです。
まあ、そこが本来意図された泣きポイントなんでしょうが、私はイザベルの語る愛にはやはり心動かず、グレイス・ルーシーええ子やなー、こうやってトムとイザベルを恨むことなく育ったのは、トムとイザベルの悪口をハナやその親族が言わずに育てたからやわなー多分、と思いました。
偽りの光
他者の灯り、他者への灯り
海の表情だけで素晴らしいカットが幾つもあった。
ただ、トムの心の雪解けに納得出来るだけの材料が描かれていない為、戦地で受けた傷の深さも、それを癒すだけのイザベルの光も感じなかった。
また、二度に渡る出産への準備不足や、アリバイ作りに墓標を抜く際の葛藤が無い事など、親の資格を感じられない描写が多々あった。
それでも晩年にて後悔の念があるなら構わないかと思った矢先に、どこまでも利己的な手紙が登場し呆れ果てた。
結果的にルーシーが健やかに育ったから良かったものの、彼女に赦しを乞える立場では無い。
そもそもあの手紙を書き残すイザベルの行為も、それを手渡すトムの行為も、法的に悪くとも倫理・道徳的には善き事をした、あの環境・状況下では仕方がなかったという我執から成るものであり、それが根底にある限り罪悪感から自らを責める事さえ甘やかしである様に思う。
利己も光と成り得る事を示すならば、それに照らされる事で生じる影を注意深く描くべきだ。
作為的な美談は救いになり得ない。
女性の立場から号泣!哀しみが心を重くする。
ストーリーは先が読める想像通りの展開ですが、イザベラのくるくる変わる幼く魅力溢れる表情が上手く、画もとても素敵です。「美しさ」に重きを置いている作品だと感じました。
イザベラの感情的な気持ちも、イザベラの実母の思いも、ハナの痛みも、ハナの妹が姉を思う気持ちも、どの立場も共感できる部分があって心が重くなります。
泣ける作品を求めている女性に向いていると思います。
一方、この美しく哀しい作品に、重みは残ったけど深みが感じられなかったのがやや残念でした。
実の娘と引き裂かれ、娘が戻ってからも心は取り戻せず、養母を恋しがって痛める小さな心を救えないまま、赦す決断ができるようになるまでのハナの葛藤を掘り下げてあれば良かったな。
エゴイスティックなイザベラの対比として。
個人的には「八日目の蝉」の方が、娘を思う女の強さやしたたかさに現実味があって、軍配が上がりました。
君を一生守る。
登場人物のどの立場にも共感枠があり正義云々で語り切れない
感情の渦に巻き込まれる作品。タイトルにある、光をくれた人
というのは人物それぞれに生きる力を与えてくれた人のことを
いっているのだと思う。一概に娘が可哀相だとは言い切れない
難しさがある。流産死産を経験して自暴自棄になっていた妻を
宥めるために仕方なく通報をためらった夫の行動、その後実母
に対してとった行動、正しい行動をすれば報われる訳ではなく、
その後の地獄が待っていることも彼は分かっていたはずである。
夫の告白が正しいことは分かっていながらも彼を恨む妻の行動
や、養母を恋しがる娘に悲しむ実母の行動は辛さの極みだった。
二人の出逢いからあのまま何事も起きなければ…と祈るような
気持ちでいたけれど人生がままならないのは本当。しかし苦難
の先には幸福もあるわけで全てを終わらせるのは命が尽きる時
まで待ってほしいと最後まで観て思った。希望の灯は消えない。
(邦画の灯台守というと「お~いらみ~さきの~♪」ですよねぇ)
心揺すぶられた観てよかった映画
序盤のくだりはこれだけ駆け足で、本当に面白くなるのだろうかと不安になっていたけれど、なんてことはなかった。
普段登場人物たちに入れ込むことはないのだけれど、それぞれの葛藤が私の心に突き刺さり、頭を抱えたくなるような気持ちでした。
こんなにも手紙の重みを感じることができたのは、自分としては初めて。
苦しく美しい物語
ヤヌス島の美しい情景と、クラシカルで情熱的な音楽に最初から引き込まれました。
物語のあらすじは、、ただただ切ない。でも、納得のいくものでした。
登場人物全員に善良さがあって、ただ、夫婦は妻イザベルの強い愛により「善良」ではない判断をしてしまう。正しくないとは決して言えないけど。
子どもを授かれる人と授かれない人。これは人生の中で最もと言っていいほど高い壁だと思う。きっとイザベルの判断や行動は理解出来ない方も多いのでは。
我が子を宿して失った哀しみって、きっとどうしようもなく母親にしか分かり得ないんですよね。誰も何も言っちゃいけない。
光を失ったら、光を求めるじゃないですか。きっとトムだって、ハナに出会って哀しみを知らなかったらそのまま育てていたんじゃないかなぁ。
ただ、願わくばトムとイザベルに強い絆があってほしいと思っていたので、あの決断があって本当に良かった。
根底に流れている善良さは、ドイツ人の旦那さんの言葉が全てなんじゃないかと思った。赦すこと。手紙を読んだ瞬間、イザベルはその時憎かったトムを赦したんだと思う。
どうしたって苦しい物語ですが、登場人物が美しいなぁと、鑑賞後は暖かい気持ちになれました。
重いテーマ・・
邦画と洋画の違いはあるが、少し「八日目の蝉」を思い出した。小さな子供は育ての親を自分の親と信じる(涙)女はウソを突き通そうとし、男は真実を告げようとする。けっこう重いテーマの映画だった。考えるシーンも多いので、ひとりで観ることをお薦めします・・
全81件中、21~40件目を表示