ラストレシピ 麒麟の舌の記憶のレビュー・感想・評価
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戦争は回避出来ない
材料はいいが、できあがったらいま一つの味
一度食べた味を決して忘れず、その味を再現できる絶対味覚の持ち主・佐々木充(二宮和也)。
究極の味を追求した結果、経営していた店は潰れ、莫大な借金を背負った彼は、その能力を活かして、金持ちに対して最後の食事をつくって糊口をしのいでいた。
最後の食事の代金は、100万円・・・
そんなある日、謎の中国人から、旧満州国時代につくられたとされる「大日本帝国食菜全席」のレシピを捜し出して再現してほしいとの依頼を受ける。
手付金として300万円、成功報酬は5000万円・・・
といったところから始まる物語で、失われたレシピの影にある歴史秘話が隠されており、そのレシピと主人公が意外なところで繋がっていく・・・
のだけれど、話の端緒から、あれれと思ってしまった。
主人公の能力は「一度食べた味を決して忘れず、その味を再現できる」能力である。
「一度食べた」である。
つまり、「食べてない」味は再現「できない」ことになる。
だから、謎の中国人が是が非でも失われたレシピを手に入れたいのならば、探偵のプロに頼むのがスジというもの。
こんなところで躓いちゃったものだから、あまり熱心に観ていられない。
が、そこはベテラン監督の滝田洋二郎。
それでも面白くみせていきます。
興味深いのは、満州国時代のエピソード。
満漢全席を超える料理「大日本帝国食菜全席」をつくれと命じられた山形直太朗(西島秀俊)の物語。
全体の尺からいえば、この時代の物語の方に尺が割かれていて、実質的な主人公は山形直太朗ともいえるし、この部分だけ独立させて一本の映画にしたほうが、重厚で、かつ謎に満ちていて面白かったのではありますまいか。
まぁ、そうなると二宮くんの出番はなくなちゃって、観客数激減ってことになるのだろうけど。
最後にひとつ。
「一度食べた味を決して忘れず、その味を再現できる」主人公の能力、結局、ほとんど活かされておらず、がっかりでした。
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