幸せなひとりぼっちのレビュー・感想・評価
全167件中、101~120件目を表示
人生、順風満帆な人も、そうでない人も。
気難しいおじいさんが、世代を超えた人との出会いにより、固く閉ざしていた心が溶解していく様子がとても面白かった。人はやはり一人では生きられないのだなと、また、若い頃を描いたシーンなど、人生はいつ面白くなるか、分からないなと思わせられた。
ハートフルって単語はこの映画のために。
とっても狭い地域住民間で起こる日常を切り取っているだけなのにクスッと笑えてぐっと泣いてしまった。
人に愛されることも、大切な人をなくすことも何かを奪われる怖さも知っているはずのオーヴェがわざとらしく周囲に見せびらかす不器用さは断片的にみるととても人を寄せ付けない。だけれど周りで包み込む人たちの寛大さの圧勝です。彼の素直さもとっても素敵。
終盤の加速っぷりと絵本のような片付け方はお好みによるかと。
原題の「EN MAN SOM HETER OVE/A MAN CALLED OVE」 でも邦題でもしっくりくる一作。
観終わってから、ふと頭に浮かんだ自分の周りの寛大な人たちにいつもありがとう、そう感謝を伝えたくなる作品でした。
妻に先立たれ悲しみの日々を過ごす頑固な老人が、隣に引っ越してきた家...
あったかい映画
ソーニャが素晴らしい。そして猫さまが麗しい。
なんでそんなにサーブが好きで、なんでそんなにボルボがきらいなのかしらんけど、こだわりが強すぎて面倒なおじさんでしたが、なんだか憎めませんでした。
生い立ちのせつなさもあると思います。
お父さんの死因かわいそうすぎるし、ソーニャがもう切ない。
ソーニャがとってもヘルシーでセクシーでチャーミングで、
とっても好きなタイプの女性だったのです。
ソーニャの魅力がオーヴェのアクを和らげてくれたように
思います。
大きなお口で豪快に笑い、キスは積極的で、かっこいい。
素敵な人だったですよ。
あとは猫ね。外猫ってことは野良?でも見た目が、
ノルウェージャンフォレストキャットかセルカークレクッスか
はたまたラグドールかメインクーン的な、美しい猫さまでした。
思い込みが激しくて、正しさに取りつかれていて、
文句言いながら助けてくれるオーヴェが、自殺せずに
生きることにしたのに、発作起こして亡くなってしまうってね。つらかったわ。
万人受けするための大味感もあります。
人物造形が荒っぽいというか、
結構話の筋を面白くさせるために、都合よく事故とか死を
はさむっていうあんまり好ましくない手法がちらほらするの
ですが、
それでもちょっといいなーと思ってしまうのが、くやしいかったです。
家を立ち退きさせた役所の人への恨みが、
通行禁止の私道を車で走る、いけ好かない福祉系の役所の人に
転嫁されてたり、あんまりいい態度とは思えないオーヴェですが、
お隣のペルシャ系妻を助け、その子供を愛し、
妻の教え子を助ける(いやいやだけどね)など、
とってもいい人でもあって。
いいところもいっぱいあって、でもやなやつでもあって、
でもやっぱいい人で、ええ、けっこう素直に号泣いたしました。
たった一人をずっと愛するって、できるのか、
それとも結構あることなのか、私にはわからないんですけどね、あった方がいいんじゃん?という気持ちにはなれます。
オーヴェの前で、ドイツ車やらアメ車を自慢したらどんなことになるんでしょうね。
笑えて泣けて深い
愛する妻を失い、昨今の乱れた世間が許せず、これ以上生きていても意味がない、早く妻の元へ、と、自殺しようとするたびに近所の人から邪魔が入る。真面目で曲がったことが嫌いな彼は、今は単なる偏屈親父でも、過去にはいろいろ楽しい思い出もあった。
白いシャツを着る役人を嫌い、自動車はサーブしか認めず、どんな相手にも同じように厳しく、しかしゲイを差別したりはせず(移民はちょっと差別してたかな?)、いよいよとなれば困っている人を助ける。
60歳でおじいさん扱いは違和感アリだけど、ひとりぼっちだけど幸せという、タイトル通りの内容。
世の中は捨てたものではない
不満ばかりの幸せ人生
素晴らし作品だった、笑いあり、感動あり、そしてちょっと優しくなれる映画です。
初めのうちは主人公が頑固で偏屈な爺さんだ、位にしか思えなかったが物語が進むにつれて人となりがわかってくると一気に愛らしく思えてしまう。
隣に越してきた一家の図々しさもムカつくが、段々心地よくなってくるし、もう全てが上手く撮られていた気がする。
こんな頑固者いるいると思い、こんな人にはならないようにしようと心がけるが、誰もが将来そうならないか心配だと思う。
この作品では、人それぞれにドラマがあって今が有るし、嫌な人でもちゃんと理解してあげる事の大切さを再確認させてくれる。
妻に先立たれた主人公は後を追う決意をするのだが、何度も厄介ごとを解決したり世話を焼く(焼かされる)などしていくうちに、生きる希望が見えてくる。
厄介ごとを解決する度にその人物を深く知れるし、信頼関係を生まれてくる。敵だらけのはずがいつの間にか仲間だらけになる展開は思わず笑みが零れてしまった。
個人的にはゲイの若者と近所のデブを引き連れて地区の見回りをする場面に一番ほっこりしてしまった。
偏見を持ち見下してばかりでは何もわからない。
深く関わらなければ見えてこないその人の性格や個性、否定ばかりしているといつしか自分も嫌な奴になってしまう怖さを思い知らされた。
不器用ながらも純粋に幸せな生活を送る主人公と妻はまさに理想的で、自分もこんな出会いと結婚相手がいればな、なんて思ってしまった。
主人公を演じた俳優さんの表情や仕草もすごく良かった。
頑固老人、不器用な青年、どちらの役者さんも感情をあまり出さない主人公の不機嫌さと上機嫌を上手に表せない感じを熱演していたと思う。
全体が温かい雰囲気で心地の良い作品なのでどんな人にもおススメできる映画、鑑賞後は幸せな気分になれた。
優しさと勇気をもらえた気がする。
近所の嫌な人、職場の苦手な人などの見方が変わるかも知れません。
劇中セリフより
「本当に死ぬのが下手ね」
その時がくるまでは精一杯生きるように努力したいと思った。
すごくよかった
自殺しようとしてその度に失敗するような展開は、さっさと死ねよとフラストレーションが溜まるものなのだが、この映画はその度に若いころの回想が始まって、それがすごくいい。偏屈なじいさんの映画なんて見るのが億劫なのであったが最後はボロ泣きしてしまった。特にゆりかごを取り出して渡すところに、当時の希望と絶望が込められていて切なくなった。
往年のドリフのようなドタバタに彩られたどこまでも愛らしいドラマ
妻に先立たれた独居老人オーヴェは40年以上務めた会社からリストラ通達され生きる望みを失い、自宅で自ら命を絶とうとするが、隣に騒がしい一家が引っ越してきてご近所騒動に巻き込まれる愛らしい感じのスウェーデン産コメディ。
様々な方法で自殺しようとするたびに思わぬジャマが入るというドリフのような展開と並行して描かれるオーヴェの過去。亡き妻ソーニャとの運命の出会い、二人に訪れる不幸な事故、そしてそこからなおも立ち上がる二人の凛々しい姿が鮮やかな色彩で描かれ、やがてオーヴェの周りでも何かが少しずつ変わり始める。どこまでも慎ましやかで慈愛に溢れた愛おしいドラマですが、ボルボかサーブかでいがみ合うご近所喧嘩等いかにもなギャグが満載で最高に楽しい作品です。何もかもが素晴らしいですが、特に印象的なのはソーニャを演じるイーダ・エングボル。全盛期のシェリリン・フェンのような透明感に満ちた美しさに参りました。
SaabとVolvo
教師
全167件中、101~120件目を表示