22年目の告白 私が殺人犯ですのレビュー・感想・評価
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ミステリーっぽい。
韓国映画「殺人の告白」のリメイクである。オリジナルも観たのだが、細かいところは忘れていたので、本作でも十分おもしろかった。
阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件の年に起こった連続絞殺事件。15年後に時効を迎えた7年後、犯人が、告白本を出版する。
この事件が起こった1995年に刑事訴訟法が改正されて、死刑に相当する殺人に対しての時効は撤廃された。
この時系列の設定が効いている。
韓国の「殺人の告白」のあらすじを読み返すと、本作はほぼ忠実なリメイクだとわかる。
入江悠監督は、震災の映像と1995年の事件を違和感なく提示するという手法で、当時の雰囲気を出していた。
職人的気質も持ち合わせている監督だと思うので、これからも頑張ってほしい。
人は感情の生き物
中盤のネタバラシは◯。最期のネタ明かしは✖️
韓国映画のリメイクなのは知っていたし、犯人をどう追い詰めるのかも知っていた前提でレビュー。
脚本はよく出来ている。しかし、22年前の事件の内容が浅い。もっと語って頂きたかった。後半は尻窄み。
藤原竜也の犯人役は最初「歳考えると22年前何歳よ?」と突っ込み感はあったが、映画を観るに連れて歳の違和感をぶっ飛ばす様な演技。これまでで1番とは言いませんが良かったです。
伊藤英明の演技も飛び抜けている訳では無いが良かった。時効!時効!とやたらに連呼する伊藤の部下は要らなかった。
脇を固める俳優として私は岩松了、早乙女太一、石橋杏奈が良かった。
しかし、最後に思ったのは「あ〜あ」と残念感。
原因は中村トオル。彼のセリフと演技が酷かった。ストーリーを終始つまらなくしている。特に彼の情熱大陸の様なくだりは要らなかった。
映像的に1995年のアナログ的(古ぼけた)映像と昨今の(綺麗な)デジタル映像との組み合わせ方にも、私としては違和感。
1995年の映像はこんな古ぼけていない。
どう観ても1970年代後半〜1980年代の映像的古ぼかし方だ。(これはビデオデッキがHQ等の映像進化を知っている人には分かる事)
殺害録画映像を扱う点ではシャロンストーンの「硝子の塔」の方が上かな。
事件ものはネタを後半まで隠すのが大変です。
ですがこの映画の最期のネタ明かしには分かりやすい説明や誘導が必要とは思わない。
セリフや行動(説明や誘導)が下手過ぎ(丁寧過ぎると言うべきか)で最期のネタが台無しになっている。
もったいない。そんな映画です。
尻すぼみ
映像・音・脚本・物語のテーマ、全部が完璧!
これは、ネタバレなしでは感想が書きづらい!
ただ、上半期邦画ではベスト級の
映画であることは間違い無しだと感じました!
1995年の映像と2017年で
「フィルム」と「デジタルシネマカメラ」を使い分ける
撮影技術!
とくに、1995年当時の画面の「ザラつき」を
生かした画づくりは一級品!
音についても、途中でさり気なく入ってくる
「ピー」という音で観客と物語との間に距離を置くことで
観客を相対化する演出方法!
いままでの日本映画には無かったので斬新でした!
そして、「脚本分析」(スクリプトドクター)を入れて
「第37稿」までリライトを重ねた脚本には目立ったスキがなくて
とっても面白いです!
そして、事件の真相を通じて
「法律がダメなら、正義の鉄槌を下す”べき”」という
「正義」に基づく「~であるべき論」を
「報道」という分野に持ち込むことで
社会に憎悪が蔓延して生きづらい世の中になっていく
日本社会・報道のあり方に警鐘を鳴らすという社会批評性と
エンターテインメント作品としての痛快さの双方を兼ね備えた
稀有な作品として
「22年目の告白 私が殺人犯です」は
とても大きな価値のある作品ではないかと思います!
なかなか面白い
久しぶりに鳥肌が立った
独特の気持ち悪さ
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