「【”大自然への畏敬と、しきたりを認識しつつ、人間の都合で”害獣駆除”をする男のアンビバレントな心模様を、滑川や瀑布といった自然美を背景に描き出した作品。 】」アルビノの木 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”大自然への畏敬と、しきたりを認識しつつ、人間の都合で”害獣駆除”をする男のアンビバレントな心模様を、滑川や瀑布といった自然美を背景に描き出した作品。 】
ー 山間のヨリギ村。且つては鉱山で栄えていたが、今では若者はナギとヨーイチだけ。
けれども、ヨリギ村には昔から”白鹿様”と呼ばれるアルビノ種の鹿が降り、村人たちから”山の木の化身”として、崇められていた。-
◆感想
・町の役所の人間は言う。
”鉱山の何かの影響で、ヨリギ村にはアルビノ種の動物がいる。困るんですよ、鉱山の影響だとか、風評が流れるのは・・。”
・害獣駆除の仕事もしている、ユクとイマモリの元に、大金が報酬の、極秘の仕事依頼が来る。
山小屋の縄師に聞くと、仕事依頼の中身が分かり、イマモリは”そんな仕事は出来ない”と山を下りる。
・だが、病気の母を抱えたユクには断れず・・。
<村の民が崇める”白鹿様”を町の役人が、人間の都合で”害獣”と判断し、駆除を依頼された男のアンビバレントな心模様を、滑川や瀑布といった自然美を背景に描き出した作品。
男と、村を出ようとする女ナギと山の風習を尊ぶ木工士であるヨーイチの関係性も、不思議な余韻を漂わせている作品である。
日本全国で問題になっている、害獣駆除の問題であるが、元々は人間が手を入れていた山間地が現代は放棄され、鹿、猪、熊が繁殖している。
昔は有難い山の恵みだった筈の動物たちが、害獣として駆除されている。
昔は、マタギが。そして現在ではそれに違和感を感じた一部の人達が、鹿、猪、熊を捕獲し、自分達で食用にしたり、ジビエ料理として活用している。
私見であるが、”害獣”とは人間の身勝手さが産み出したモノであり、上記の様な共存する道を探る事は意義深い事である、と思っている。>
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