「壮大な最高の映画 しかしやはりタイムマシンは禁じ手」アベンジャーズ エンドゲーム shintaroniさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な最高の映画 しかしやはりタイムマシンは禁じ手
まずこれだけの映画を製作する事に敬意を表したい。
長年のシリーズや個別の作品があって成り立つ。一人一人のヒーロー像が際立っており、皆が正義の為に、真っ直ぐ強い心を持つ姿が素敵だ。仲間を思う気持ちや、カッコつけず、正直な本音(愚痴や悪口、怒りや弱音を誤魔化す所)に、共感する。
次に、家族愛の描き方上手い。母や恋人、子供達との会話が可愛い事等が上手く描かれていて、守りたいものを超えてヒーロー達が使命感に立ち上がる姿に感情移入してしまう。
そして3時間なのに飽きないクオリティも流石です。
冗長で、退屈なところがない。無駄が無い。無いどころか、これでも端折っているくらいではないか。そのくらい壮大なシナリオである。
アベンジャーズが描いている世界観は、愛する人や仲間を守る為に、勝てない相手であろうと戦おうとするヒーローの姿、様々な多様なヒーロー像があり、協力する姿だ。
その事は十分描かれている。
難しいのは、後付けの壮大さのため、細かい点が、強引になる事だ。全体ストーリーとして、色んな要素を詰め込みすぎで散漫な印象がやや残る事だろうか。これは、ヒーロー総出演型映画にはつきものなので、想定内の難しさ。もったいない感ですね。
それにタイムマシンもよくあるアイデアの引用である事を自虐ネタにしている会話もあるので確信的で、笑って許して的なノリに変換しているが、まぁ、楽しいのでいいかぁ!と思わせているところがある。取り返しのつかない出来事を、どうしようもない事を、タイムマシンで解決するのは禁じ手かもしれない。これまでの気持ちを、あれ?元どおり?的な拍子抜けの後味が拭い去れないし、様々な疑問を残してしまう、スッキリしないさが副作用として残る事だ。もったいない。それも二部作で一作目で絶望させるために、確信犯だろうな。
そうなると、大事なのがエンディング。戦いの後のみんなのバッヒーエンドは丁寧に描いて時間をかけている。静かに涙がでるのである。やられた。