「かなり期待外れでした」アベンジャーズ エンドゲーム みーーーみみみーーーさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり期待外れでした
インフィニティ・ウォーの出来がよかった分、とても期待して行ったのですがかなり残念な気持ちになりました。
以下はかなり個人的な思い入れの話になりますのでご了承ください。
前作インフィニティ・ウォーではヒーロー達の正義と、サノスの狂ってはいるけどまた別の正義の戦いが描かれていました。
その狂った正義を実現するため、サノスは犠牲を払い、痛みを受け入れ、成長するという今まで他のヒーローが歩んできたのと同じ道を辿り、悲願を達成しました。
だからこそヒーロー達は彼に敗北してしまいましたし、全てを成し遂げたサノスはもう戦う必要も感じず、一人穏やかに余生を過ごし、ヒーロー達が復讐に来て、ほぼ八つ当たりのような暴力を振るってもただそれを受け入れました。
このように、エンドゲーム開始15分で、今まで誰も至れなかった高みに登ってしまったサノス。
それをキャプテン達がどう倒すのかをとても楽しみにしていました。
なのに蓋を開けてみると、やっているのはオフビートでぬるいギャグの掛け合いばかりで、いざサノスを倒すという話になっても、その方法はタイムマシンで時間を巻き戻すというもの。
前作でサノスが乗り越えた痛みや成長を、全て否定し、無かった事にするというもの。
それ、反則すぎません?
まあ反則みたいに強い敵なので仕方ないですが、そんな勝ち方するヒーローってカッコいいですか…?
で、タイムトラベルしてやっていることも、何だか緊張感のないコメディを絶え間なく挟んだ過去作のメタ的な振り返り。
サノスに負けてしまった彼らが、タイムトラベルして自分の過去と向き合い、清算し、再びヒーローとして立ち上がるっていう構成は好きなのですが、それにしても段取り感と尺の長さばかりが気になります。
ソウルストーンをめぐるやりとりも、前作のサノスのシーンが印象的過ぎた分どうしても今回のインパクトが軽く見えます。
他のヒーローにも軽かったのか彼女だけ葬式してもらえてないし。
なんだかんだあって全員集合してのラストバトルですが、出てくる敵は全員過去に1回殺したことあるキャラってそれじゃ盛り上がらないでしょ。
バトルシーンでも、シビル・ウォーやインフィニティ・ウォーのような空間を巧みに使った演出も少なく、普通の乱戦って感じで正直過去作よりバトルの盛り上がりも薄く感じました。
あとソーに見せ場を用意してやらないと今回の彼いいとこなさすぎでしょ!
最後にアイアンマンのおかげで勝てたシーン。ヒーロー達で必死に積み上げた末での勝利って感じも無く、「ただ偶然近くにいただけなのでは?」感ばかり。
いくらDr.ストレンジの予言通りでもこれはアガらない。
そして結局勝てたとしても、倒したのは成長前の2014年時点のサノス。
結局、インフィニティ・ウォーのサノスには、キャプテン達はパワーでも正義の在り方でも勝てませんでした。
この戦いで満足して引退していくフェーズ1のヒーロー達には疑問しか残りません。
何より、今まで追いかけてきた映画とヒーローの幕引きがこんな形になってしまったのはとても残念でした。
(ただ単に僕が期待していた事と制作側のやりたかった事が全く違ったのだと思います)
色々ごちゃごちゃ書きましたが、インフィニティ・ウォーまでは最高でしたしアベンジャーズは大好きです。次のスパイダーマンも絶対行きます!
マーベルもDCも、これからも頑張り続けて毎年面白いヒーロー映画を出し続けて欲しいです!
「オフビートでぬるいギャグの掛け合い」
何だか、ものすごく言葉にできない思いを、ずばり言い切っていただけました。
ありがとうございます。
これを見た後では「キャプテンマーベル」や「スパイダーマン」の次作を見るか微妙になってしまいました。
願わくは「マーベルゾンビ」が映画化されないことを祈るのみです。