壁
解説
「EUフィルムデーズ2016」(16年6月18日~7月10日=東京国立近代美術館フィルムセンター/6月25日~7月15日=京都府京都文化博物館)上映作品。
2012年製作/108分/オーストリア・ドイツ合作
原題または英題:Die Wand
スタッフ・キャスト
- 監督
- ユリアン・ペルスラー
- 原作
- マルレーン・ハウスホーファー
「EUフィルムデーズ2016」(16年6月18日~7月10日=東京国立近代美術館フィルムセンター/6月25日~7月15日=京都府京都文化博物館)上映作品。
2012年製作/108分/オーストリア・ドイツ合作
原題または英題:Die Wand
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2024年11月17日突然、透明の壁が出現しそのエリアに閉じ込められる…という不条理設定。
とても面白い映画だった。
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山間のエリアにたった一人閉じ込められた主人公の女性。壁の外の人は皆死んでいるらしい。壁から抜け出す事は出来ない。壁の中で主人公のサバイブ生活が始まる。
食料を確保するために手持ちのジャガイモを植え(まるで『オデッセイ』のようだ)、狩りをする(エリア内に動物は居る)。
その様子が、とても地に足ついており普通な感じで映しだされるので、そして美しい自然と見事に調和しているので、
「壁って何?」「なぜ壁が?」などの、通常うかぶはずの疑問も湧き上がってこない。主人公と一緒に、「ああ、壁があるんだね」と受け入れるしかない。
「壁」は何かの暗喩だろうか…原作の時代背景を鑑みて、例えばポリティカルな、もしくはジェンダー的な…そんな考察も、自然な描写の前では、無意味で野暮だ。
ただ、そこに壁がある。
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超絶なひとりぼっちを描いた映画だが、ラストのほうは「寂しい」とかそういうナヨナヨしたことは言ってる場合ではない切迫感があり、そこが良かった。相棒犬を亡くし、自分を認知してくれる他者が居なくなる。自分が生きていると認知できるのは自分だけ。独我論を、純粋に映像化するとこんな感じになるのかなとも思った。
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追記1:
主演マルティナ・ゲデック。『バーダー・マインホフ/理想の果てに』も良かったが、本作も素晴らしい。最初、ジュリエット・ビノシュが主役に予定されていたらしいが、ゲデックのがたいの良さが役に合ってたと思う。
追記2:
一緒に観た人は「壁なんてババアの妄想だろ」と言っていた。ひどい。