「やられた」たかが世界の終わり(2016) ぶぶさんの映画レビュー(感想・評価)
やられた
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感情の濁流の中にいるようだった。
家族だからこそのむき出しの感情のぶつけ合いは正直見ていて辛かった
時計から出て来て家の中を荒らしまわって息絶えるあの小鳥がルイから見た自分だったんだろう
思ったけど「たかが世界の終わり」って結局どういう意味だったんだろうと思って
(実際It's only the end of the worldの訳は'まさに世界の終わり'だと思っていたくらいだし)
ずっと考えていたらフライヤーの裏にもうそれはそれはストーンと落ちるフレーズが
「愛が終わることに比べたら、たかが世界の終わりなんて」
12年ぶりの帰郷でどこかぎこちないルイと家族
分かり合えない恐怖から様々な反応をする兄妹母義妹
それでも根底にあるのは他でもない愛でありどれだけムカつく兄でも喧嘩ばかりの母と妹でも絶対に他人にはなれないものだと
そういう描写だと思った
ルイの人生は終わってしまうけれど、残された家族の愛はきっと終わりが来ない
ルイは到着後は電話口で「話したら帰る」「誰も涙を流さないかも」と言っていたけれど 過ごした短い週末で根底にある愛を悟った
だからそれが途絶えてしまわないように自分の人生が終わってしまうことを伝えなかった
家族の愛がなくなってしまうことに比べたらルイの世界が終わるのは「たかが」の出来事だったのだと
以上が私の見解です
フライヤーに完敗しました
ドラン監督の作品全て見ようと思います
とても良い作品でした
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